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『おんな城主直虎』12話 はじまりと終わりのはざまで

2017-03-28 18:58:00 | 大河
2016年NHK大河『おんな城主直虎』第12回「おんな城主直虎」の感想まとめのまとめです。



今週のMVPはマルコメ君。



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■灰燼に帰す


直親らの一行が駿府へ申し開きに向かう道中。


焙煎し過ぎた激苦コーヒー、心臓に悪い。

襲われる直親。
孫一郎、藤七郎と命を落とします。

次郎は、井戸のそばで水垢離をして祈っていました。

「ご初代様、どうか。どうかご加護を直親に。井伊にご加護を」

直親、最後の力を振り絞り立ち上がりますが……


「井伊は…どっちだ」

それが直親の最後でした。


雪の舞う寒さの中、水垢離を続ける次郎。
幻想的な光の中で直親と再会し、そのまま意識を失い……



おい、三浦春馬退場かよ。
2カ月経ったか経ってないかだぞ。


すんごいシーンでした。
直親の願いも、次郎の祈りもどこまでいっても届かない。
直盛パパが「全ては井伊のため、井伊の未来のため」と桶狭間で自害までして、孫一郎を井伊に帰した思いも全部灰燼に帰しちゃう。
誰の願いもかなわないの無念すぎる。




■慟哭、そして


事の子細が井伊に伝えられます。
掛川城の手前で討ち果たされたこと。
申し開きを待つ間もなかったこと。
切腹ならまだよかったのに、これではなぶり殺しだということ。

次郎は低体温症に陥っていました。
回復を祈る面々なのですが、そこに響くは笛の音。

まだ近くにいる直親に手を伸ばす次郎。
それを止めたのは千賀様でした。


「直親、手を離しなされ。とわを、とわを連れていくでない!」

千賀様のこの一本筋の通った娘への愛が気持ちいいですね(いや辛い場面なんですけどね)。

しのに「もう私の娘を襲わないで」(8話)もよかったし、3話での「お下知に従うしかない」も印象に残っています。


同じころ、掛川城近くで直親の遺体を発見する南渓和尚たち。
普段なら癒し枠のはずの傑山も南渓たちの慟哭が響きます。


「ここは寒かろう…井伊に帰ろう。井伊に帰ろう」

南渓和尚が直親の雪を振り払うシーン。
なんとなく『桜田門外の変』を考えてしまいました。


(『花燃ゆ』の桜田門外の変)



■鎮魂歌


意識を取り戻した次郎。
「殿のお帰りじゃ!」との知らせを聞き、フラフラした身のまま駆けつけますが、そこにいたのは息絶えた直親でした。
次郎が直親の遺体に近づこうとすると。


「触るでない。私の夫じゃ!」

直親を殺したのは次郎、おまえだろう。
あのとき奥山殿を返り討ちにしてしまった政次を成敗しておけばよかったんだ。
あのとき政次を庇わなければ直親は命を落とさずに済んだかもしれないんだ。

「皆!全て!何もかもそなたのせいではないか!」

声を荒げるしのに、次郎は力なくうなずきます。


「その通りじゃ。しの殿の仰る通りじゃ」

しのさんがむちゃくちゃなこと言ってるし、次郎をえぐってるんだけれども。
言いたくもなるわなあ……

最期の最期まで、直親の心は次郎にあった。
それはそれでしのさん辛え。




次郎はひとり、井戸のそばで経を読みます。
それは直親が最後に次郎に頼んでいたこと。

それは鎮魂歌。



■虎松


今川からお手紙が届きました。
謀反者・直親の子である虎松を殺すようの内容でした。

直親の父・直満が死んだときと同じ。
あのとき直親は直盛や直平、南渓によって信濃に逃がされました。
同じことが繰り返されようと──


もちろんしのは強く拒むのですが、今逃げるのが虎松のため、井伊のため。


「しの殿、おつらいでしょうが虎松殿をお預けなされ。必ず許していただく故」

今川の目付でもある自分が腹を切ると言えば、幼子の命は許してもらえるかもしれない。
新馬殿は駿府に向かいました。

新馬殿なにいいヤツ。
(それがフラグだって何度言えば)



■直親の首はいらない


駿府に向かった新馬殿。
命乞いをするのですが……


「何度目じゃ!」

何度目だろうなあ。(すっとぼけ



腹を切ると言っても聞く耳を持たない氏真。
欲しいのは新馬の腹じゃない。

「では、わしの欲しい首を取ってこい。わしの欲しい首はな」

直親の首がとられなかったの、不思議だったんです。
直満や直盛と状況が違うとはいえ、首はとってったほうがいいんじゃないかって。

「妻子や元カノに会うのにせめて首だけは残してやる」ってことなのかな?
ってあんこたっぷり今川スイーツ対応かと思っていたら。

「直親の首はいらない、首を取る価値すらない。欲しいのは元康の首だ」

あんこじゃねえ、これ泥団子や。



■闇堕ち政次



「新野のやつ、そなたの読んだとおりに出てきおった」

ウッキウキルンルンの蹴鞠野郎・氏真の横にいるのは……



政次ううううう!!!!!
目が死んでるううう!!!!


とにもかくにも松平が憎らしい氏真。
政次の進言するまま、松平に反感を抱いていた三河の寺社・一向宗の宗徒の不満を煽り、一向一揆を引き起こさせます。
これが松平にとっては痛恨の一撃となって、元康の快進撃は一旦一時停止。

政次強い。


「ヤッスざまあwwwww」

鶴、氏真に気に入られていることによって、井伊を滅ぼさないところを狙っていくスタイルなの……。
それが井伊に恨まれることになっても、井伊を救っていくスタイルなの……。

悪役顔もすっかり板に着いちゃって……






■生き永らえるコツ


新野殿のお屋敷で賑やかに過ごす井伊の面々ですが、次郎はひとり違いました。

自分のせいで直親らが死んでしまったこと。
自分が災厄をもたらしたこと。
自分が関わるとろくなことがおきないこと。


そんな事ばかりを考えてうつうつと過ごす日々。
と、そんな次郎に南渓和尚は屋敷へ酒を届けるように頼みました。
おおじじ様が戦に出ることになった。
戦に出る前に長年の願いを叶えたい、とのことでした。

井伊に残された男たちは残りわずか。



「必ず戻ってくる」とおおじじさまは笑って話し。
「守るべきものを守るために死んでいけるのは幸せ」と中野殿。
「生き永らえるコツを知っている」と新馬殿。

やめろおお……
井伊の脳筋たちまともなこと言ってんじゃないよお……
頼もしくしてんじゃねえよ……


kuzuはkuzuのまま、脳筋は脳筋のままでいることが生き永らえるコツなのに……



「仮にそのもしもがあったとしても、それはもはや天命じゃ。どこかの誰かのせいなどではない。仏様がお決めになったことじゃ」

おおじじ様、次郎が言ってほしい言葉をかけるんじゃないよお……
そういうの死亡フラグっていうんだよお……


「実はわしはずっとそなたが男子であればと思うておった。なれど女子でよかったぞ。そなたとは逆縁にならずとも済みそうじゃ」

子供世代孫世代を見送りづつけてきたおおじじ様。
次郎が女子であるから、戦に出ることはない。
自分より先に死ぬことはまずないだろう。

おおじじ様切ないよううう……




■梅雀砲


そして。

  

「その年、直平は今川に反旗を翻した天野氏を攻めるため出陣。その陣中にて不審な死を遂げる」
「新馬左馬助と中野直由は反乱を起こした引馬城の飯尾連龍討伐で討ち死を遂げた」


まとめてナレ死3連発。
言わんこっちゃねえ 。・゚・(ノД`)・゚・。



■できすぎた話




おおじじ様、中野殿、新馬殿が去って。
一人の男が帰ってきました。



政次おい政次。
目が真っ黒じゃねえか。


ベーダ―卿なんです?
ダースベーダーなんです?

今川に捕らえられていて出るに出られずにいたが、おおじじ様たちの忠義が認められて今回帰ってくることができた。
でもそれは井伊からしてみれば「よくできすぎた話」。



千賀様の言葉に動じる気配も見せない政次は続けます。

「太守様のご意向により今日よりそれがしを虎松様の後見として頂きます」
「家督は虎松様、それがしはただの後見にてございます」



「 お 下 知 に ご ざ い ま す 」

政次うううう……


自分が恨まれながらも後見になることで、井伊と虎松を守ろうとしてるの。
でもその真意全然伝わってないし、そもそも鶴伝える気すらないし……


なんなんです、このダークマターは。



■井伊谷、おとわと鶴


次郎と再会した政次。
次郎は驚くのですが……


「直親の内通ゆえに今川にとらえられてな。今日までお戻し頂けなかったのじゃ」

今川から厳しいお咎めを受けたこと。
自分も大変な思いをしたこと。
しかしおおじじ様たちがあんなことになって、結局井伊に返されたこと。

次郎なら話せば政次の真意を察してくれ……るわけありませんでした。
今の井伊に、政次の立場を理解してくれる味方や仲間はいない。


「裏切るつもりで裏切ったのか。それとも裏切らざるを得なかったのか!」


「恨むなら直親を恨め。下手をうったのはあいつだ」

下手をしたのは直親。
直親が死んだのは次郎のせいでもなんでもない。
直親自身のせいなんだ。

直親を責めればいい。
でなかったらこんなひどいことを言う自分を責めればいい。

次郎が次郎を責める必要なんてどこにもない。








でも政次そんな真っ暗な目で言うなよ辛いだろおおお。


「何度も同じことを繰り返し、井伊は終わるべくして終わったのだ」

『能天気な井伊、こりゃ滅ぼされるわ』と笑っていた1話を思い出します。
謀反してバレて殺されて、謀反してバレて殺されて。
嘘をついたってすぐにバレて。




「こんな井伊家、滅びるの当たり前」
って最初の方は笑いながら言っていたのに、なんだか心臓辛えです。


今川家の家臣でありながら井伊家のため奔走する新野殿。
井伊家の重臣でありながら今川に添う(ように見せている)政次。

時間が巻き戻らないだけにきっつい対比ですね。



■女子にあれこそ次郎法師


虎松の後見が政次になってしまう、といよいよ窮地に陥る井伊でしたが。
南渓和尚にはある案がありました。

「次郎は井伊の家督を継ぐ者の名じゃ」

次郎が幼い時、追い詰められれば滝つぼに飛び込んでも活路を見出す子だった。
今川と蹴鞠で戦って、寿桂尼様から出家の許しをとってくるような子だった。


「あれは女子であれこそ次郎。次郎の器じゃと思わぬか」

その次郎、もう限界でした。


「どうしろと言うのじゃ!我のせいで直親は死んだ!藤七郎も孫一郎もおおじじ様も左馬助伯父上も中野殿も!」
「我は災厄をもたらすだけじゃ。我には災厄をもたらす力だけある」


もしかして次郎、政次の真意に気付いていたのかなって。
下手こいたのは直親だ。
酷いことを言ったのは政次だ。
でも、でもでも。

そもそもは自分が──
って昊天さんのマイ槍を地面に打ち付けてぶっ壊して。


「ならばこれ以外、これ以外我に何ができると言うのじゃ……」

苦悩する次郎。
でもそこに一筋の光──


「あの…竜宮小僧では?次郎様、井伊の竜宮小僧ではございませんでした…か?」

マルコメ君ナイス!!!


「己を責めたとて死んだ者は帰らぬ。じゃが生きておる者は死んだものを己の中で生かすことができる。
 例えば偲ことで、例えば習うことで。ときには習わぬことで。ほかには、ないかの?」


南渓和尚が言葉をかけて、次郎に幼い頃の思い出がよみがえりました。
亀が信州へ逃亡するその直前に約束したこと。


「我が亀の手足となる。いざとなれば太刀をはき戦にも行ってやる」


「亀にこの身を捧げる。亀の魂を宿し、亀となって生きていく」

「それがおぬしの答えなのじゃな」と南渓和尚が尋ねると、次郎は崩れ落ちました。





■おんな城主直虎


次郎は鮮やかな紅色をした着物に袖を通します。
それは夫婦約束の時に作っておいた婚礼衣装・辻が花。


「母上、直親は最後に『戻ったら一緒になろう』と言うたのです。かような意味だったのかもしれませぬ」

南渓は、政次の代わりになる虎松の後見人について話していました。
そこで突然登場した「井伊直虎」という名前。



「隠し子?」とざわめく一同。
「もしや」と気づく政次。



「我が井伊直虎である」
「これより井伊は我が治めるところとなる」


テッテレー!



おとわの女装束をあれだけ見たがっていた鶴だったから、嬉しそうな。
守ろうとしたのに、おもいっきり矢面に立っちゃった次郎に少し困ってるような。

どこか、この苦しい現状から活路を見出してくれそうな直虎に何かに期待しているような。






■次週「城主はつらいよ」


次週。


寅さんです?



■おまけ






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