遊工房・雑感

日頃のあれこれを綴る日記です

帚木 蓬生「薔薇窓」

2009-11-20 06:28:39 | 本と雑誌

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2000年のパリ万博のときのパリが舞台

写真 フェティズム  恋愛妄想などがキーワードの

ミステリーだけれど

ミステリーの部分は

想定通り過ぎるなあ

私程度の読者の想定どおりではなあ

事件は連続誘拐事件なんだけれど

性的倒錯が作品としての写真にどう現れるかなどは面白かった

フェティズムが加虐

露出症は被虐

という話が出てきて なるほど と思った

主人公は伯爵夫人の恋愛妄想の対象になって

ストーキングされ続けるのだけれど

それが事件の解決の大団円のかげにうやむやに遠ざけられ

ちょっと消化不良

 

万博の日本館に関わる

日本人の美術商が出てくるが

美術品であれ人物であれ

価値判断についてあれこれのやり方について

主人公とやり取りがあるところは面白い

途中でバカな日本のお偉方が視察に来るのだけれど

日本人が外側でものごとを判断する

権威に弱い

とかという話は

フランスの底深い文化の厚みと比較されて

よく聞く話だけれど

私はフランスに詳しくないからわからない

朧に思い出すのは

フランスでも決まりきった 自分でアレンジしない

陳腐な趣味を自嘲する話が出てくる小説があったなあ

 

この小説全体では

浮世絵 刀の鍔などがでてくるし

フランス側は印象派の絵画がでてくるし

日本側は印象派を大いにもてはやしたし

いまだに日本の油絵って印象派の影響下にあるし

 

そこらのこともちらちら思いを馳せる種が散らばってる

 

写真はこのころ特別広がりつつあった高等趣味だったのね

 

私が子供の頃も 写真部 なんてあって

カメラなんか買ってもらえはしない階層の娘(私)には

縁のない部活だったけれど

ここ数年だわ

デジカメなんか誰でも持ってて

誰でもカメラマンなんて

 

今だって本格的には奥の深い趣味には違いないけれど

 

この話の中で

事件の解決には

写真に撮られた映像の違和感

これが真実を暴露してるところが面白い

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アナログのバカチョンしか使ってませんでした。今... (kazuyoo60)
2009-11-20 11:27:49
マニュアルの一眼レフなどは遥かかなたですが、毎日手放せない、昔から比べたら隔世の感です。
返信する
kazuyoo60 様は小さい虫も撮れて (Unknown)
2009-11-20 12:14:23
凄い腕前です
返信する

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