
92年撮影のフィルムにはもう一つの貴重なカットがありました。
小林窯とは丘陵の反対、南西側にある煉瓦積みの空吹窯の跡です。

外壁と竹林の中に埋もれたような状態で撮影されています。
『現在の日本民窯』昭和十七(1932)年記事の「奥の二軒」のうちの
1軒に当たる屋敷の敷地入口にこの窯はありました。
92年当時に小林家にいらした奥様にお話を伺った際に、
奥の家には戦後山水土瓶の絵付け名人の
お婆ちゃんがおられたことを話されていました。
『現在の日本民窯』の記事からも小林家が行平を
奥の家は土瓶を得意として製造していたようです。