真昼の月

創作?現実? ちょっとHな虚実不明のお話です。
女の子の本音・・・覗いてみませんか?

Promise

2006-09-10 03:00:58 | オリジナル小説
私が意識を取り戻して、初めて見たのは、両親が私の身体に取り縋り泣く光景。
主人のご両親と主人は、医師からの説明や警察からの説明等を聞いていた。
両家ともにがっくり肩を落とした親たちとは対称に、しっかりと事実を見、事を進めようとする主人。
でも、私にだけは分かる。 彼のお母様にも分かっているかもしれないけれど・・・こんな時の彼は、酷く傷ついているのだ。必死に、自分が壊れてしまわないように、虚勢を張っているのだ。
痛々しくて、正視している事などできなかった。
そして横を見ると・・・・私の遺体・・・・・ 遺体? 誰の?
顔は私そっくり。クビから下は、無残なまでに潰され、引きちぎれ、あまり原型をとどめてさえいない、グロテスクな姿。 これは私? そんなわけが無い。

だって、あの日私は・・・あの日私は、ちょっとご近所まで買い物に出かける途中で、風で髪が乱されるのを、お店のウィンドーを鏡の代わりにして直して、食事のメニューを考えてて・・・・

その後・・・・・・その後何が起こったのか?思い出せない 思い出したく無い!
だけど、どうして私ににた姿の人がここにいるの? 彼と私の両親が泣き叫んでいるの? どうして彼はあんなに辛そうにしているの?

そして、医者が彼に言ったあの言葉は?
私・・・妊娠しているのかもしれない。確かに少し疑い始めてた。
でも、まだはっきりしないうちに言うのは躊躇われて、内緒にしていただけ。
だって、時々一月ぐらい遅れる事ってあったし、それだったら悲しいじゃない。
私達は、結婚当初から、子供を待ち望んでいるんだもの。
でも、どうしてあの医者が、その事を知っているの?