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Buona Verdura

人生を味わい尽くす食いしん坊野菜ソムリエの日々の記録

カラヤンと日本人

2008年07月18日 | Libro



カラヤンにまつわるエピソード本や伝記は数知れないが、今までまともに読んだことはなかった。

新書の棚に置いてあったこの本をたまたま手に取ってパラパラとページをめくっていたら、止めたページにこう書かれていた。

「だが、アバドは決して静かにベルリンを去っていったわけではなかった」

これを目にしてしまった以上、棚に戻せるはずがあるまい(笑)。

きっとカラヤンファンなら(いや、ひょっとするとファンででなくても)誰もが知っているようなエピソードばかりなのかもしれないが、自分には興味深くそのひとつひとつが新鮮だった。
大賀氏との交友関係や有名な山下一史の第九事件、そしてサントリーホール秘話などを通じてカラヤンという人間の魅力が見えてくる。

ちょうどこの本を読んだ日がたまたまカラヤンの命日(7月16日)だったのは驚きだった。帝王を偲んでウィーンフィルとの「悲愴」を聴いた。

アバドは "「後継者」たち" という章で取り上げられている。
どこかで読んだり聴いたりした話がほとんどだが、大好きなマエストロのことが様々な角度から語られるのは嬉しいものである。

それにしても、アバドにとってベルリンフィルの音楽監督12年間の集大成ともいうべき最後のコンサートを聴きに行けなかったことが今更ながら悔やまれる。
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カーボン・オフセット

2008年07月03日 | Libro



思わぬところで "カーボン・オフセット" について考える機会に巡り合う。

欧米の企業ではこのカーボン・オフセットという考え方はかなり浸透しており、イギリスでは企業のランク付けまでされているとか。それも、化粧をしている企業(うわべだけ取り組んでいるようにみせている企業)なのか真剣に取り組んでいるのか、といったかかなり厳しい評価がされているらしい。

日本でも、恐らく我々の世代より今の子供たちのほうがこういった環境問題の教育を受けている分(実態は知らないがそうであると願いたい)、ゆくゆくはこういう部分にも真剣に力を入れている企業への就職が高まっていくのではないか、という意見もある。

そんな話を聞いた上でこの本を読んでみたくなった。やや専門的だが、これくらいのほうが意識をしっかりと植えつけられるような気もする。
この中にこんなことが書かれている。

「温暖化は昨日、突然始まったわけではありません。地球の長い歴史の中では最近の出来事ですが、実際は私たちが毎日暮らす中で少しずつ積み重ねてきた無駄や生活パターンの繰り返しによって起きてしまった現象なのです。それを解決するためには、劇的な効果を求めるのではなく、発生と同じくらい緩やかに、コツコツとした行為で元に戻すしかないのです。」

思わずギクリとした。ダイエットと同じ発想だ(笑)。
もちろん、この本もカーボンオフセット書籍として認定されている。

あまりキチキチに考えずに、これからは地球の健康のために少しでも役立つことを楽しんでみようと思う。
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ドロシーおばさんの 大事なことに気づく

2008年04月06日 | Libro



ここ2ヶ月ほどでずい分いろいろなことがあった。

とても心配な出来事が起きたり、人間不信に陥るようなことがあったり・・・。その時は頭の中がそのことでいっぱいになる。でも、時が経つにつれて何事も受け止めた上で冷静に考えられるようになり、気がつくといつの間にかまたしっかりと前を向いて歩いている。

きっと人間はそうなるようにできているんだ。


「ドロシーおばさんの 大事なことに気づく」 はそんな時に出会った一冊。

自分に正直になったとき、大事なことに気づく
本気で何かをしているとき、大事なことに気づく
捨ててもいいと思ったとき、大事なことに気づく
変わってもいいと思ったとき、大事なことに気づく
少し待とうと思ったとき、大事なことに気づく
人に頼るのをやめたとき、大事なことに気づく
思いがけないところで、大事なことに気づく
思いがけない時に、大事なことに気づく
じっと見つめたとき、大事なことに気づく
じっと聞いたとき、大事なことに気づく
新しい人に出会ったとき、大事なこと気づく
人を責めるのをやめたとき、大事なことに気づく
失敗し、失望したとき、大事なことに気づく
違う道を選んだとき、大事なことに気づく
大事なことに気づくのは、難しいことじゃない

いつも心を開いていたい
いつも耳を澄ましていたい

そうすれば

あなたは気づく
あなたは出会う

本当の自分に

(ドロシー・ロー・ノルト)

冒頭のこの詩に引き込まれて手にしたはいいが、本編のほとんどはナルシズムについて書かれており、最終的には "ナルシストをやめることこそが大事なことに気づくこと" といった内容になっている。ある章を読んでいる時は "自分はナルシルトなんかじゃないぞ" という否定的な気持ちと "むむむ、やっぱり自分にはナルシスト的要素があるのかもしれないなぁ" という気持ちの葛藤があった。日頃の自分の行動を反省させられたり、結局みんな同じようなことで悩んでるんだとホッとしたり・・・そんな一冊。

いずれにしても、最近の自分は何となく心に余裕がなかった気がする。自分にとって本当に大切な人やモノを今一度見つめ直すいい機会ができたところで、気分を新たにスタートする春。
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オーケストラの職人たち

2007年10月27日 | Libro
昨年亡くなられた岩城宏之氏の著書。演奏会の裏方の仕事を綴った本はいくつか出ているけど、これは岩城さんの観察日記風エッセイに仕上がっているのでとにかく具体的でわかりやすい。

写譜の話や東西における演奏会のチラシ配りの違いなど興味深い話題が満載だが、そんな中でも特に面白かったのは、もともとは引越し専門だった運送会社が、ある時ウィーンのハーピストの依頼でハープを運搬したことがきかっけで今は楽器運搬専門の業者になったという話。信頼できる楽器運搬業者もまた、オーケストラを支えている立派な一員なのだ。そんな舞台裏を支える方々に対する岩城さんの敬意が伝わってくる。

ベートーヴェンの交響曲全曲マラソンコンサートも、多くの裏方さんの存在あってこその完走だったに違いない。

こんぐらも、微力ながらも舞台とは遠く離れた場所でクラシック音楽を支える "小さな裏方" でありたいと思った。
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旅ボン イタリア編

2007年10月11日 | Libro
最近、紙に印刷された活字から離れている。
この夏も、あまりの暑さで集中力が激しく低下したせいか、手に取った本はどれも読みきらずに中断したままだ。

そんな中、リハビリを兼ねて読んだ 「旅ボン イタリア編」 は楽しかった!そう、ほとんどイラストなのだが、意外と読ませる感じにもなっており "にゃははっ" とニヤケながらページをめくっていたらあっという間に読み終えてしまった。あー、楽しい時間はなぜこんなに早く終わってしまうのだろう。

「ちびキャラ」 でお馴染みの著者ボンボヤージュが初めて訪れたイタリアのイラスト旅行記になっていて、登場人物(動物?)がみな個性的で笑える。描写も細かく、会話のやり取りもありがちで面白い。

これ一冊で結構イタリアに浸れてしまったよ。
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天使と悪魔

2006年11月29日 | Libro
ラングドン・シリーズの第1作。とどまるところを知らないダン・ブラウンの好奇心が "宗教と科学" というテーマを舞台に現実と空想が交錯する神秘の世界を創り上げる。「ダ・ヴィンチ・コード」 の時と同様、科学音痴である私は一体この話のどこまでが真実でどこからが空想の世界なのか今回もまったく理解できないまま読んだ(特に反物質に関するあたりなど)。でも、そのほうが意外に楽しめるんじゃないかと思う。
「ダ・ヴィンチ・コード」を上回る壮絶なストーリー展開は、ジェットコースターに乗っているような興奮とスリル感の連続で、個人的にはこっちのほうが断然面白い。

こちらも映画化が決定しているそうだが、心に残っているシーンをいくつか思い浮かべるだけでも一体どんな映像に仕上がるのか想像もつかない。楽しみだ。
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猫とともに去りぬ

2006年11月15日 | Libro
「光文社古典新訳文庫シリーズ」 第1弾の中にさりげなく置かれながらも、かなり人目を引くタイトルのお陰でアピール性を存分に発揮していた一冊。イタリアン・ファンタジー短編集。訳者がロダーリの魅力を知り尽くしているから、読み手にもそれが伝わってくるのが嬉しい。
最初の短編 「猫とともに去りぬ」 からもうロダーリ節が炸裂! アイロニーとユーモアが満載でモンティ・パイソン好きにはたまらない(笑)。

実はこれ、もう1ヶ月以上も前に読み終わっていたのだけど、"そういえばあとがき読んでなかったっけ!" と今日になってふと思い出して、解説とあとがきを読んだのである。そこには児童文学作家であり教育者でもあったロダーリのこんな言葉が紹介されていた。

「子どもたちが、笑いながら学べるものを、泣きながら勉強することに意義があるだろうか」

昨今の教育問題とリンクして考えることもできるが、逆にもっと原点に立ち返って純粋な気持ちで受け止めたい言葉だと思った。
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ダ・ヴィンチ・コード

2006年05月14日 | Libro
今更だが 「ダ・ヴィンチ・コード」 を読む。世間があまりにも騒いでいるので(関連本やTVの特集などなど)へそ曲がりな自分には縁遠いと思っていたが、やっぱり映画を観に行く前に読まなくては、と思い立ったのだ。
久々にこの手の作品に没頭した。といっても、正直なところ、本当にスリル感を味わいながら面白く読んだのは中巻までで、下巻に入ると緊張感が薄れてしまったのは事実。個人的な好みを言うなら、最後はもう少しテンポよく畳み掛けるほうが好きかな。

トム・ハンクスがラングドンをどんな風に演じてくれるのか映画版 にも期待。公式ファンサイト のカウントダウン・クイズもなかなか楽しめる。
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意味がなければスイングはない

2006年02月12日 | Libro
「ステレオサウンド」の愛読者にはお馴染みのはずのこの本。
これを読んでシューベルトのピアノソナタ ニ長調のCDを買い求める人が果たしてどれくらいの確率で存在するのかはわからないけど、ともかく私はその一人だ。
迷うことなく(&"ある期待" も込めて)カーゾン盤(DECCA BEST)を購入。その期待を裏切ることなく、ニ長調ソナタとカップリングされている私の大好きな即興曲集(3、4番)が愛聴盤のホロヴィッツ盤、グルダ盤に並ぶ素晴らしさで、特に3番は素朴なタッチに込められた歌心とダイナミックな部分のバランスが絶妙。ニ長調ソナタは2楽章以降に惹かれた。

ゼルキンとルービンシュタインについて書かれた章も面白かった。
"マールボロ音楽祭で毎日朝早くからたどたどしくスケール練習を繰り返しているピアニストが後日ゼルキンだったと知り仰天した" というアーノルド・スタインハートによる回想の部分や、それとまったく対照的なルービンシュタインの華々しいエピソードの数々・・・どれも村上春樹というフィルターを通して読むと新鮮で実に面白い。
プーランクやスガシカオへの熱い想いやこだわりも他人事とは思えず本当に楽しい。

お昼時、人気のないイタリアンレストラン(最近の隠れ家のひとつ)で時にニタニタ、時に涙を浮かべながら読んでいた自分は端から見てきっと不気味だったに違いない。
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本当はちがうんだ日記

2005年10月13日 | Libro
「もうおうちへかえりましょう」 や 「現実入門」 を読んだ時にはあんまり感じなかったんだけど、コレを読んでふと思った。
この人、私と似てるかも・・・。
いや、おそらく性格とかは全く違うんだろうが "似ている部分がすごく似てる(?)" とでもいえばいいんだろうか。
ちょっとした出来事に遭遇した時に頭にパパパッと広がる思考回路というか、とっさに浮かぶ発想というか、そういうところが結構近かったりして本来笑うべきところも "そうそう!わかるわかる!" ってな感じで真剣に感動してしまう自分がいた。
ステキな人間になりたいがために自己啓発本を買い漁る。「常連」が怖ろしい("恐ろしい" でないところがミソ)。ぶらぶらと散歩をするのが好き。・・・おんなじだ。
でも私は 「曇天の午後四時、こわくないですか」 なんて人に聞かないし、「私を守って」タイプでも全然ない(笑)。
ちなみに、穂村弘はすてきな短歌を詠む人である。
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