クリップルクリーク こんな山のなかにカジノがあるなんて
メインストリートのBennett Ave. カジノがずらっと並ぶ
コロラドに来てすぐ、何かのパンフレットでCripple Creekクリップルクリークの写真をみた。 歴史を感じる古い建物が並んでいた。 昔は金鉱の町だったというが、コロラドの金鉱の町はほとんどがゴーストタウン化しているのに、こんなに綺麗に町並みがのこっているなんて。 じゃあ、日本に送るクリスマスカードの写真はクリップルクリークで撮ろう、ということになった。
コロラドスプリングスから車で一時間。 クリップルクリークはパイクスピークの南西の斜面、標高9494フィート(2894メートル)に位置する。
町の入り口に古い鉄道の車両が置かれ、ここがインフォメーションセンターだ。 すぐ隣に駅舎があり、5月から10月の間、観光用に機関車トーマスに似た小さな蒸気機関車が走っている。
インフォメーションセンター。 内部も客車のままで座席に座って少し休憩できる。地図やパンフレットももらえる。
夏の観光シーズンの間は、おもちゃのような機関車が走る。
メインストリートを車でゆっくり走った。 歴史を感じさせる建物。 リタイヤしたら小さな田舎町で暮らしたい夫は、「ここ、いいよねーー。」なんて言っている。 でも、車を降りて歩いてみると、なんとなく変だ。 古い建物には新しいペンキが塗られ、町並みもきれいに保存されているのだが、何かが違う。 雰囲気がどうも。。。
「なにかが変。」と感じた私の勘は当たっていた。 建物のなかを覗いてびっくり。 ドアのむこうにはずらりとスロットマシンが並び、完全にギャンブルの世界なのだ。
コロラド州はギャンブルが禁止されているんじゃなかったっけ?
あとでインフォメーションセンターで聞いてわかったが、ゴーストタウン化を避けるため、1990年のコロラド州議会でCripple Creek、 Central City、Blackhawkの3つの町で、カジノが許可されたらしい。 そういえばコロラドスプリングスからカジノ行きのバスが出ていると聞いたことがあった。 クリップスクリークのことだったのか。
1890年代の金鉱採掘が体験できるMollie Kathleenのゴールドマインツアー
コロラドは1860年代から金鉱ブームで沸いていたが、クリップルクリーク周辺に金脈があることは知られていなかった。 しかし、このエリアで15年ちかくも金鉱を探している男がいた。 カウボーイのBob Womackだ。 彼は金脈を掘り当てたが、“変わり者で飲んだくれのホラ吹き男”のBobの言うことは誰も信用しなかった。
その後、本当に金があることがわかると、この小さな山間のまちに大勢の人がおしよせ、1892年、クリップルクリークはゴールドラッシュに沸いた。
人口500人の田舎町は、1893年には人口が1万人に達し、1900年には人口5万人に膨れ上がった。 1890年から1910年の間、この町は、World’s Greatest Gold Campと呼ばれていた。
当時は、メインストリートのBennett Ave.にはデパートが並び、駅舎には頻繁に汽車が到着した。 16の教会、学校、カレッジ、40人の医者、音楽の先生は80人にのぼり、ほとんどの家にはピアノがあったという。
今、クリップルクリークの町を歩いても、 ”世界で一番素晴らしい金鉱の町” だった頃の繁栄を思い起こさせるものはあまりない。
インフォメーションセンターの女性に、「1990年を境にカジノの町に変身したのですね。」 と言うと、
「あら、クリップスクリークは今も探鉱の町よ。」 という返事がかえってきた。
「採鉱は365日行われているし、鉱山で働く人は325人もいるのよ。」
私はおそるおそる聞いた。
「じゃあ、ここでギャンブルする人はどんな人? 鉱山で働く人が多いの?」
インフォメーションセンターの女性はあっけらかんと言った。
「あなたねー。 ギャンブルが好きな人は、ここには住めないわよ。」
そうですよね。 ここはお金を使いに来るところだから。 それに、この町はまるで時間が止まったような町。 一攫千金を当てるとか、勝負に勝つとか、そんな夢を見ることさえ難しい気がする。
二年前にオープンしたHeritage Center。 探鉱ブーム時代の町の様子や歴史を紹介している。 展示は充実しているが、建物の入り口がこわい
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メインストリートのBennett Ave. カジノがずらっと並ぶ
コロラドに来てすぐ、何かのパンフレットでCripple Creekクリップルクリークの写真をみた。 歴史を感じる古い建物が並んでいた。 昔は金鉱の町だったというが、コロラドの金鉱の町はほとんどがゴーストタウン化しているのに、こんなに綺麗に町並みがのこっているなんて。 じゃあ、日本に送るクリスマスカードの写真はクリップルクリークで撮ろう、ということになった。
コロラドスプリングスから車で一時間。 クリップルクリークはパイクスピークの南西の斜面、標高9494フィート(2894メートル)に位置する。
町の入り口に古い鉄道の車両が置かれ、ここがインフォメーションセンターだ。 すぐ隣に駅舎があり、5月から10月の間、観光用に機関車トーマスに似た小さな蒸気機関車が走っている。
インフォメーションセンター。 内部も客車のままで座席に座って少し休憩できる。地図やパンフレットももらえる。
夏の観光シーズンの間は、おもちゃのような機関車が走る。
メインストリートを車でゆっくり走った。 歴史を感じさせる建物。 リタイヤしたら小さな田舎町で暮らしたい夫は、「ここ、いいよねーー。」なんて言っている。 でも、車を降りて歩いてみると、なんとなく変だ。 古い建物には新しいペンキが塗られ、町並みもきれいに保存されているのだが、何かが違う。 雰囲気がどうも。。。
「なにかが変。」と感じた私の勘は当たっていた。 建物のなかを覗いてびっくり。 ドアのむこうにはずらりとスロットマシンが並び、完全にギャンブルの世界なのだ。
コロラド州はギャンブルが禁止されているんじゃなかったっけ?
あとでインフォメーションセンターで聞いてわかったが、ゴーストタウン化を避けるため、1990年のコロラド州議会でCripple Creek、 Central City、Blackhawkの3つの町で、カジノが許可されたらしい。 そういえばコロラドスプリングスからカジノ行きのバスが出ていると聞いたことがあった。 クリップスクリークのことだったのか。
1890年代の金鉱採掘が体験できるMollie Kathleenのゴールドマインツアー
コロラドは1860年代から金鉱ブームで沸いていたが、クリップルクリーク周辺に金脈があることは知られていなかった。 しかし、このエリアで15年ちかくも金鉱を探している男がいた。 カウボーイのBob Womackだ。 彼は金脈を掘り当てたが、“変わり者で飲んだくれのホラ吹き男”のBobの言うことは誰も信用しなかった。
その後、本当に金があることがわかると、この小さな山間のまちに大勢の人がおしよせ、1892年、クリップルクリークはゴールドラッシュに沸いた。
人口500人の田舎町は、1893年には人口が1万人に達し、1900年には人口5万人に膨れ上がった。 1890年から1910年の間、この町は、World’s Greatest Gold Campと呼ばれていた。
当時は、メインストリートのBennett Ave.にはデパートが並び、駅舎には頻繁に汽車が到着した。 16の教会、学校、カレッジ、40人の医者、音楽の先生は80人にのぼり、ほとんどの家にはピアノがあったという。
今、クリップルクリークの町を歩いても、 ”世界で一番素晴らしい金鉱の町” だった頃の繁栄を思い起こさせるものはあまりない。
インフォメーションセンターの女性に、「1990年を境にカジノの町に変身したのですね。」 と言うと、
「あら、クリップスクリークは今も探鉱の町よ。」 という返事がかえってきた。
「採鉱は365日行われているし、鉱山で働く人は325人もいるのよ。」
私はおそるおそる聞いた。
「じゃあ、ここでギャンブルする人はどんな人? 鉱山で働く人が多いの?」
インフォメーションセンターの女性はあっけらかんと言った。
「あなたねー。 ギャンブルが好きな人は、ここには住めないわよ。」
そうですよね。 ここはお金を使いに来るところだから。 それに、この町はまるで時間が止まったような町。 一攫千金を当てるとか、勝負に勝つとか、そんな夢を見ることさえ難しい気がする。
二年前にオープンしたHeritage Center。 探鉱ブーム時代の町の様子や歴史を紹介している。 展示は充実しているが、建物の入り口がこわい
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