コロラド州より、小さな町の小さな物語

コロラドの魅力は小さな町にありました。人気の田舎町への小さな旅と、日々の暮らしのレポートです。

紅葉を探しにビクターへ

2010-09-29 09:29:53 | 旅行

山は黄金色


今年の夏休みは暑かった。 そして長かった。
でも、長いわりには何もしなかったような気がする。 何もしなかった証拠に、私のブログはまだヘチマだ。
先週、Victorを訪れた。コロラドは9月中旬頃からアスペンの葉が黄金色に変わる。今年はまだ暑いので紅葉はまだかな?と思ったが、ひょっとしたら、、、と期待しながら、山道を走った。




まだ100%の紅葉ではないけれど、アスペンの葉は秋の色に変わっていた。


山の中はもう秋だった。夏が長かっただけに、もうすぐ涼しくなるのかと思うとうれしい気分だ。(でも、コロラドの秋は短いから、すぐ雪が降るかも。)
紅葉を楽しんでいたら、突然あらわれた哀れな山。 山肌がすっかり削り取られ、段々になっている。 木も草もないので、すごく人工的にみえた。せっかく美しい山々がつらなっているのに、自然をこんな景色に変えてしまっていいのか? あー、もったいない。 このあたりは今でもSurface Miningといって山の表面を削り取り、金を採取している。



一瞬、ここはアリゾナか?と思った。 松の木もアスペンの木も草さえもない裸の山。



カジノの町クリップルクリークからビクターまで車で15分。





Victorは探鉱のまち。 いまは錆びれてしまっているが、1900初期は、人口1万2000人のを擁するコロラドで5番目に大きな町だったらしい。1899年の大火でビクターの町はほぼ全焼したが、なんと一夜のうちに(!)現在残っているブロックの建物が建設されたという。 当時はサロンが48件、教会が6件、医者20名、弁護士15名、労働組合も12あったというから、この町はFortune(幸運)を探しに来た大勢の人でにぎわっていたのだろう。




ギャンブルとサロンを併設したFortune Clubは金鉱ブーム時代、最も賑わった社交場。




ビジネス地区と書かれたサインがむなしい。お店やホテルは無人化してFor Saleのサインがでているし、町を歩いている人の姿も少ない。


VictorとCripple Creekはどちらも探鉱町として栄えたが、ゴールドラッシュブームが終ったあとCripple Creekは生き残りをかけてカジノの町と変貌した。Cripple Creekへはデンバーやコロラドスプリングスからギャンブル客を乗せたバスが運行していて、それなりに賑わっているが、Victorはどうやら時代の波に取り残されてしまったようだ。
景色はきれいだし、町はVictor(勝利者)で縁起のいい名前なのに、誰かこの町に投資する人はいないのかしら? 来年の秋もこの町がここに存在していますように。




アンティークショップの隣に置いてあったボロ車。 いや、これもアンティーク、売り物かも。


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シルバートンのアースハウス

2010-06-28 11:29:49 | 旅行
シルバートンのEarth House




シルバートンで見つけた地球にやさしいアースハウス。 住んでいるのはどんな人? 



シルバートンに行ったら、確かめたいことが2つあった。
ひとつは、以前にこのブログに書いた“シルバートンのあぶないお兄さん”が経営していたコーヒーショップ。Mobius Cycles and Café からMobius Caféに名前が変わっていただけで、健在だった。お店の雰囲気もほぼ同じ。 アイロンホースレースがあった日は、お店の前に長い列ができていた。 お店に人があふれるのは、バイクレースの日と7月4日の独立記念日のパレードがあるときくらい。 レースの翌日は、お客は私たちだった。




Mobius Cafe. デュランゴにすんでいた3年前、週末になるとコーヒーを飲みにこの店にやったきた。




シルバートンのファンキーなコーヒーショップ、アバランチ(雪崩)。 



もうひとつ確かめたかったのは、メインストリートのGreen Streetの一番奥にひっそりと建つアースハウス。 家の半分が地面に埋もれているような建て方で、GoogleでEarth Houseで検索すると、似たような家があったので、アースハウスと呼んでいいのだと思う。

3年前にこの家を見つけた。 屋根に瓦がなくて、竪穴式の家を土でおおって隠しているような感じだ。 遠巻きに覗いてみたが人が住んでいる気配がなく、建設途中なのか、完成しているのか分からなかった。今回見に行くと、外見は全く変わらなかったが、「通り抜け禁止」のサインが建てられていたので、誰かが住んでいるのだろう。 ジロジロ見た挙句、無断で家の写真を撮るのは失礼かな?と思いつつ、やはり人がいる気配がなかったので、パチリと撮ってしまった。




2007年10月に撮った写真。




こちらは2010年5月撮影。 外観は同じだが、木が少し大きくなって「通り抜け禁止」のサインが立っていた。 


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ユレイ ②温泉でホッ。

2010-06-16 06:23:46 | 旅行
ユレイは穏やか。




手で掘ったか? と思うようなトンネル。


アイロンホースレースが終わったあと、すぐユレイに向かった。シルバートンでお昼を食べるにはあまりに混みすぎているし、デュランゴも人がいっぱい。ユレイなら静かに過ごせそう。 シルバートンからユレイまでは車で一時間もかからない。 崖っぷちのクネクネ道だが、もう何度も運転している。 レース直後で疲れている夫に代わって私が運転したが、もううるさいこと、うるさいこと。 もっとスピードを落とせとか、崖は見るなとか、センターの黄色い線に沿って走れとか。。。
夫を隣に乗せて運転するのは嫌だ!という妻がたくさんいるのを、世の夫はご存知だろうか?



Snow Shed。 雪で道路がふさがれてしまわないように、雪崩の起こりやすい場所にはSnow Shedがつけられている。


私はムッとしながらも前だけ見て走った。 大きなカーブが近づくと、道路が前方でプッツリ切れているように見える。 崖が気になる。 大きなトラックが落ちてないだろうか? 崖下を覗きたいという気持ちを抑えてはいるが、車が勝手に崖のほうへ寄っていく。 

このシルバートン、ユレイ間の道路はミリオンダラーハイウェイと呼ばれ、すばらしい景色が続く。 建設には莫大なお金が投資され、高度な技術でもって完成されたとパンフレットに書いてあった。 でも、なぜガードレールが付いていないのか。 街灯もないから夜は絶対に運転したくない。




1888年に建てられた裁判所。 


ユレイに着くと、メキシカンレストランに直行。 ここのレストランの天井が面白い。 天井に一ドル札がいっぱい張り付いている。 どうして貼り付けたのかずっと謎だったが、今回はウエイトレスが実演してくれた。 
一ドル札にピンのついたおもりを突き刺し、天井に向かっておもいっきり投げる。
挑戦すること5回。やっとくっついた。



一瞬、天井にコウモリが張り付いているのかと思った。 実は一ドル札。





ユレイに来るのは、一年半ぶり。 古いビクトリア風の建物が並ぶ景色は変わらないが、Breweryが三軒オープンしていた。



ユレイでも美味しいビールが飲める。 ありがたや。


温泉でホッ。
この町はユレイと名がつく前は、ユーツインディアンの言葉で「Uncompahgre」(Hot Water Spring)と呼ばれていた。この地に湧き出る温水は聖なる神の水で、ユーツインディアンはこの湯で心も体も癒したとか。 Hot Springsは入場料10ドル。昼間は子供たちが泳ぎに来るので、静かとはいいがたいが、日が暮れると落ち着いた、いい雰囲気になる。 
 



ユレイに来たら、やっぱり温泉。 ぼ~っとしながら山々を眺める。



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デュランゴ ⑤アイロンホースが始まった。

2010-06-05 06:22:54 | 旅行
アイロンホースレースが始まった。



ダウンダウンにはIron Hose Classic の横断幕。

5月29日(土)。 いよいよレースが始まった。 蒸気機関車が勝つか、自転車に乗った人間が勝つか? このアイロンホースレースのために、トレーニングを積んだバイクライダーたちが、デュランゴの町にやってきた。
今年の市民ツアー参加者は1300名。 プロ、アマのレース参加者は800名。 よくもこれだけの人が、この小さなデュランゴの町に収まるものだと感心する。 
このレースのため、デュランゴ、シルバートンを結ぶHwy550は交通ストップとなるため、私と息子は朝7時にモーテルをでて、シルバートンへ向かう。



市民ツアーの参加者。 まだ余裕の顔だが、この先に長ーい上り坂が待っている。

早くも市民ツアーの早朝スタート組が走っている。 市民ツアーは蒸気機関車が出発する8時15分に、汽笛を合図にスタートするが、うんと時間をかけて走りたい人はもっと早くに出発する。

Hwy550は途中のスキーリゾートまでは片道2車線あるが、そのさきは片道1車線の細い道になる。おまけにずーっと上り坂。 車なら1時間で着くのに、なんで自転車で行こうとするのか。 自転車レースをしている人は、きっとアスファルトだけを見て必死にペダルを踏んでいるのだ。 車なら途中の景色も楽しめるし、息切れもしないのに。。。と、レースの意図をまったく理解していない私は、頭をひねる。(ひねるのは首だったっけ?)



峠の途中では救急車が待機。



やっとシルバートンにたどり着いた。

シルバートンで朝食を食べ、少し時間をつぶしているとウワァーという歓声が聞こえた。 もう、プロのレーサーがはいってきた。1位の人に続いて、2位、3位と次々フルスピードで走ってくる。 引き締まった体にフィットしたバイクシャツ。 さすが鍛えた体はかっこいい。 そのうち、プロ、アマレーサーに混じって、とんでもなく早く出発した市民ツアー参加者たちもゴールしてきた。 道路わきでライダーたちを迎える私たちは、前日もらった大きなベルをガランガランと鳴らし、「ようやった。」と、選手たちの健闘をたたえた。



シルバートンのメインストリートを疾走するレーサーたち。ゴールまであと300メートル。



ベルを鳴らすこと1時間あまり。 夫はまだ来ない。 手が疲れた。


今年のプロ1位は、ユタ州からやってきたBurke Swindlehurで2時間12分15秒でゴール。 55歳のプロNed Overendは2分14分44秒で7位だった。 Ned Overendは25年前、主人がデュランゴに住んでいた時、すでにプロだった。 こんなに長く現役で走っているなんて、すごい。 ちなみに65歳以上のカテゴリーでは、23人のレーサーたちが参加。 最年長は77歳のWalt Axthelmさんで3時間29分50秒でゴールした。 このタイム、私のハズバンドのタイムとあまりかわらない。。。

さて、我が夫は11時半に無事ゴールした。 しばらく休憩していると、ボーッ、ボーッという汽笛の音がシルバートンの町に響いた。 駅のほうへ歩いていくと、蒸気機関車が12時きっかりに到着。 「おー。勝った、勝った!」

レース参加のあとは、また自転車でデュランゴまで走って帰る強者もいるそうだが、ほとんどの人は迎えの車か蒸気機関車に乗って帰る。 なんともエネルギーあふれる一日だった。





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デュランゴ ④アイロンホースレース

2010-05-23 00:53:31 | 旅行
蒸気機関車と競争!! 




市民レースは、蒸気機関車の駅の裏にあるマクドナルドから出発。


毎年、5月末のメモリアルウィークエンドになると、多くのロードバイクレーサーたちが、デュランゴに向かう。 何をしに行くのかというと、狭軌鉄道が走るデュランゴ~シルバートン間を、自転車と蒸気機関車とどっちが早いか、競争するのだという。

「何と馬鹿げたことを。。。」と、言ってはいけない。 Iron Horse Bicycle Classicは、全米でも有名な由緒ある(?)自転車レースなのだそうだ。
1972年にこのレースが始まって、今年で39回目。 アメリカ各地からプロ、アマの選手がやってくるし、外国からの参加者もいる。
我が夫もレースに参加しようと数ヶ月前に登録を試みたが、すでに定員いっぱい。 仕方なく今年は一般市民対象のCitizen Tourに参加することになった。




ゴールはあの山の向こう側。 550号線沿いにあるPinkerton Hot Springsの源泉。1920年代、このあたりに温泉リゾートがあった。


Citizen Tourといっても、走るコースはプロと同じ。自転車に乗れるからといって誰でも走れるコースではない。 デュランゴからシルバートンまで80キロ。 ロードレースで80キロの距離を走るのは長くないだろうけれど、コロラドのレースは高所を走るし、とにかく空気が薄い!!!  出発地点のデュランゴは標高2018メートル、ゴールのシルバートンは標高2890メートル、途中通過する峠の道Coal Bank Hill Passは、標高3300メートル。 しかも道路わきをみると目がくらむような断崖絶壁でクネクネと上り坂が続く。




標高1000フィート(3100メートル)のサイン。 まだまだ上り坂は’つづく。





急カーブを曲がりきれなかったトラックが横転し、積んでいたりんごをがけ下にばらまいた。 りんごを拾っている人がいる。


1960年代の終わり頃、Jim Mayerは狭軌鉄道の蒸気機関車のブレーキ係りとして働いていた。 彼の家は線路沿いにあって、Jimは蒸気機関車が家のそばを通ると汽笛を鳴らした。この汽笛の音を合図に弟のTomは自転車に飛び乗り、蒸気機関車と自転車とどちらのほうが早くシルバートンに着くか、競争したのだそうだ。
そして1972年、36人のライダーがIron Horse(蒸気機関車)に挑戦した。それから毎年、参加者は増えていき、今や、このレースのために2500人のバイクライダーたちが集まってくるようになった。



ゴールのシルバートン。 プロは2時間15分ほどでゴールするが、市民ツアーの人たちは3時間半から6時間かけてゴールする。ゴールしない人もいる。 


デュランゴは人口1万5000人の本当に小さな町。当然、レースの前日はモーテルは満室。 レストランにも行列ができる。 ダウンタウンも人がいっぱいで、すごくにぎやかになる。 

今年のIron Horse Classic Raceは5月29日。
プロ、アマのレースはデュランゴ高校隣のレクセンターからスタートする。
シチズンツアーはプロ、アマのレーサーたちより少し離れて、ダウンタウンの狭軌鉄道駅の裏側のマクドナルドからスタート。 ボッボッーという蒸気機関車の汽笛の音を合図に出発する。 



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