オリンピックトレーニングセンター
質問その1.米国オリンピック委員会の本部はどこにあるでしょう。
A.フロリダ B.ニューヨーク C.ロサンゼルス D.コロラド
正解は、D.コロラドです。
では、質問2.コロラドのどこにあるでしょう。
A.デンバー B.ボルダー C.コロラドスプリングス D.アスペン
正解は、C.コロラドスプリングス
コロラドスプリングス市という中規模の都市は日本ではあまり知られていない。
コロラド州というと、マラソン選手が高地トレーニングするボルダーとか、スキーリゾートのアスペンが有名。 年齢がばれるのを覚悟で「ジョンデンバーのデンバーがあるコロラド」などと言う人もいる。
米国オリンピック委員会の本部は、コロラドスプリングス市にある。 コロラドスプリングスは人口約36万人。 コロラド州のなかでは、デンバーに次ぐ中堅都市だ。 町の中心近くにオリンピック委員会の本部があり、オリンピックトレーニングセンターも併設されていて、観光客もよく訪れる。 施設の敷地内にレジデンスハウスもあって、ここで全米から集まった多くのアスリートたちが練習に励んでいる。
ガイドツアーに参加すれば、トレーニング施設の内部を見学できる。
さて、私の自慢話は「息子がオリンピックトレーニングセンターのスイミングプールで、毎日泳いでいる」 ことだ。 この話をするとたいていの友達は、
「えっ、オリンピックの水泳選手?」とびっくりする。 この反応が親としてはくすぐったく、快感なのだ。
でも、すぐに本当のことを告白しなくてはいけない。
「いやー、実は、息子が所属するスイミングクラブが練習用にプールを借りているだけで。。。」
しかし、オリンピックトレーニングセンターで泳げるなんて、なんてラッキーな子供たちなんだろう。 これぞ地元のスイミングクラブの特権ではないか。 このプールでオリンピックの水泳選手や、かの有名なマイケルフェリップスだって泳いでいるのだ。 ああ、光栄、光栄。
" TAKE A MARK " ちょ、ちょっと待って。 息子はどこ? スイムキャップをかぶってゴーグルをつければ、みんな同じ顔。
息子も最初は、「マイケルフェリップスがジャグジーにいた」 とか 「マイケルのお母さんを見た」 とか興奮していたが、最近はあまり有り難がらない。 なぜかというと、いろいろ約束事があって、まずマイケルフェリップスを見てはいけない。(目をそらせということか。) 話しかけてはいけない。 写真、握手など求めては絶対にいけない。 これは好奇心旺盛な子供にとっては、結構辛いことだ。
ある時、マイケルフェリップスが泳ぎに来るからと、プールにいた子供たちは突然追い出された。 着替えもせずに、ぬれたスイミングスーツの上からTシャツとズボンをはき、逃げるようにロッカールームから出て行ったらしい。
またある時は、マイケルフェリップスがまだ泳いでいるからと、会議室で待機させられた。 結局、この日は泳げずに、2時間会議室にいただけで帰ってきた。
各国の国旗がずらりと並ぶ。 日の丸よ、風になびけ。 待つこと5分。 神風が吹いて、日本の国旗がひらりとひるがえった。
でも、こういうことばかりではない。
今年の夏、息子が興奮した様子で帰ってきた。
「お母さん。 今日ね、ぼく専用レーンで泳いだよ。」
「すごい、オリンピックトレーニングセンターで泳ぐだけでもすごいのに、専用のレーンがあったの。 レーンを独り占めなんて、すごいねーーー。」
「うん、コーチが隣のレーンが空いているから、そっちで泳げって。」
息子は夏からシニアのチームに移ったばかりで、きっとダントツに遅かったのだろう。 で、たまたま隣のレーンが空いていたので、そっちに隔離されたのだ。 でも、そんなこと言えない。
「それでね、僕の隣のレーンで誰が泳いでいたと思う? Aaron Peirsolが泳いでいたんだよ!」
「Aarrr???」
「知らないの? お母さん。」
「し、知っている。 その人オリンピックにでてた、、、」 どうしよう。 誰だ、そのAaaなんとかは。
「メドレーリレーでマイケルフェリップスと一緒に泳いだでしょ。」息子がたたみかけるように言う。
「あー、はい。 金メダルとったもんね。 でも、個人では北島に負けたのよね。」
「お母さん! Aaron Peirsolは背泳ぎ!」
しっかりしなくてはいけない。 わたしはスイマーの母なのだ。 息子は才能と根性が認められて、オリンピックを目指す日が来るかもしれない。 ここでは私も水泳に理解があることをアピールしておかなくてはいけない。
「ねぇねぇ、その人、オリンピック選手だから体格いいんでしょ。 背は高いの。 顔は? ハンサム? 泳いでいる姿なんて、そりゃもう格好いいんでしょうね。」
わたしは声のトーンをあげた。 しかし、息子はすっかり冷めたようだ。
「ううん、彼は野獣みたい。」
そうか、野獣の背泳ぎか。。。
うぅー、頭に槍が。 どこから見ても、頭に槍が突き刺さったようにしか見えないオブジェ。
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質問その1.米国オリンピック委員会の本部はどこにあるでしょう。
A.フロリダ B.ニューヨーク C.ロサンゼルス D.コロラド
正解は、D.コロラドです。
では、質問2.コロラドのどこにあるでしょう。
A.デンバー B.ボルダー C.コロラドスプリングス D.アスペン
正解は、C.コロラドスプリングス
コロラドスプリングス市という中規模の都市は日本ではあまり知られていない。
コロラド州というと、マラソン選手が高地トレーニングするボルダーとか、スキーリゾートのアスペンが有名。 年齢がばれるのを覚悟で「ジョンデンバーのデンバーがあるコロラド」などと言う人もいる。
米国オリンピック委員会の本部は、コロラドスプリングス市にある。 コロラドスプリングスは人口約36万人。 コロラド州のなかでは、デンバーに次ぐ中堅都市だ。 町の中心近くにオリンピック委員会の本部があり、オリンピックトレーニングセンターも併設されていて、観光客もよく訪れる。 施設の敷地内にレジデンスハウスもあって、ここで全米から集まった多くのアスリートたちが練習に励んでいる。
ガイドツアーに参加すれば、トレーニング施設の内部を見学できる。
さて、私の自慢話は「息子がオリンピックトレーニングセンターのスイミングプールで、毎日泳いでいる」 ことだ。 この話をするとたいていの友達は、
「えっ、オリンピックの水泳選手?」とびっくりする。 この反応が親としてはくすぐったく、快感なのだ。
でも、すぐに本当のことを告白しなくてはいけない。
「いやー、実は、息子が所属するスイミングクラブが練習用にプールを借りているだけで。。。」
しかし、オリンピックトレーニングセンターで泳げるなんて、なんてラッキーな子供たちなんだろう。 これぞ地元のスイミングクラブの特権ではないか。 このプールでオリンピックの水泳選手や、かの有名なマイケルフェリップスだって泳いでいるのだ。 ああ、光栄、光栄。
" TAKE A MARK " ちょ、ちょっと待って。 息子はどこ? スイムキャップをかぶってゴーグルをつければ、みんな同じ顔。
息子も最初は、「マイケルフェリップスがジャグジーにいた」 とか 「マイケルのお母さんを見た」 とか興奮していたが、最近はあまり有り難がらない。 なぜかというと、いろいろ約束事があって、まずマイケルフェリップスを見てはいけない。(目をそらせということか。) 話しかけてはいけない。 写真、握手など求めては絶対にいけない。 これは好奇心旺盛な子供にとっては、結構辛いことだ。
ある時、マイケルフェリップスが泳ぎに来るからと、プールにいた子供たちは突然追い出された。 着替えもせずに、ぬれたスイミングスーツの上からTシャツとズボンをはき、逃げるようにロッカールームから出て行ったらしい。
またある時は、マイケルフェリップスがまだ泳いでいるからと、会議室で待機させられた。 結局、この日は泳げずに、2時間会議室にいただけで帰ってきた。
各国の国旗がずらりと並ぶ。 日の丸よ、風になびけ。 待つこと5分。 神風が吹いて、日本の国旗がひらりとひるがえった。
でも、こういうことばかりではない。
今年の夏、息子が興奮した様子で帰ってきた。
「お母さん。 今日ね、ぼく専用レーンで泳いだよ。」
「すごい、オリンピックトレーニングセンターで泳ぐだけでもすごいのに、専用のレーンがあったの。 レーンを独り占めなんて、すごいねーーー。」
「うん、コーチが隣のレーンが空いているから、そっちで泳げって。」
息子は夏からシニアのチームに移ったばかりで、きっとダントツに遅かったのだろう。 で、たまたま隣のレーンが空いていたので、そっちに隔離されたのだ。 でも、そんなこと言えない。
「それでね、僕の隣のレーンで誰が泳いでいたと思う? Aaron Peirsolが泳いでいたんだよ!」
「Aarrr???」
「知らないの? お母さん。」
「し、知っている。 その人オリンピックにでてた、、、」 どうしよう。 誰だ、そのAaaなんとかは。
「メドレーリレーでマイケルフェリップスと一緒に泳いだでしょ。」息子がたたみかけるように言う。
「あー、はい。 金メダルとったもんね。 でも、個人では北島に負けたのよね。」
「お母さん! Aaron Peirsolは背泳ぎ!」
しっかりしなくてはいけない。 わたしはスイマーの母なのだ。 息子は才能と根性が認められて、オリンピックを目指す日が来るかもしれない。 ここでは私も水泳に理解があることをアピールしておかなくてはいけない。
「ねぇねぇ、その人、オリンピック選手だから体格いいんでしょ。 背は高いの。 顔は? ハンサム? 泳いでいる姿なんて、そりゃもう格好いいんでしょうね。」
わたしは声のトーンをあげた。 しかし、息子はすっかり冷めたようだ。
「ううん、彼は野獣みたい。」
そうか、野獣の背泳ぎか。。。
うぅー、頭に槍が。 どこから見ても、頭に槍が突き刺さったようにしか見えないオブジェ。
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