コロラド州より、小さな町の小さな物語

コロラドの魅力は小さな町にありました。人気の田舎町への小さな旅と、日々の暮らしのレポートです。

コロラドスプリングス  オリンピックトレーニングセンター

2009-11-25 13:24:30 | 旅行
オリンピックトレーニングセンター







質問その1.米国オリンピック委員会の本部はどこにあるでしょう。
A.フロリダ  B.ニューヨーク  C.ロサンゼルス  D.コロラド

正解は、D.コロラドです。

では、質問2.コロラドのどこにあるでしょう。
A.デンバー  B.ボルダー  C.コロラドスプリングス  D.アスペン

正解は、C.コロラドスプリングス

コロラドスプリングス市という中規模の都市は日本ではあまり知られていない。
コロラド州というと、マラソン選手が高地トレーニングするボルダーとか、スキーリゾートのアスペンが有名。 年齢がばれるのを覚悟で「ジョンデンバーのデンバーがあるコロラド」などと言う人もいる。

米国オリンピック委員会の本部は、コロラドスプリングス市にある。 コロラドスプリングスは人口約36万人。 コロラド州のなかでは、デンバーに次ぐ中堅都市だ。 町の中心近くにオリンピック委員会の本部があり、オリンピックトレーニングセンターも併設されていて、観光客もよく訪れる。 施設の敷地内にレジデンスハウスもあって、ここで全米から集まった多くのアスリートたちが練習に励んでいる。




ガイドツアーに参加すれば、トレーニング施設の内部を見学できる。


さて、私の自慢話は「息子がオリンピックトレーニングセンターのスイミングプールで、毎日泳いでいる」 ことだ。 この話をするとたいていの友達は、
「えっ、オリンピックの水泳選手?」とびっくりする。 この反応が親としてはくすぐったく、快感なのだ。
でも、すぐに本当のことを告白しなくてはいけない。
「いやー、実は、息子が所属するスイミングクラブが練習用にプールを借りているだけで。。。」

しかし、オリンピックトレーニングセンターで泳げるなんて、なんてラッキーな子供たちなんだろう。 これぞ地元のスイミングクラブの特権ではないか。 このプールでオリンピックの水泳選手や、かの有名なマイケルフェリップスだって泳いでいるのだ。 ああ、光栄、光栄。





" TAKE A MARK " ちょ、ちょっと待って。 息子はどこ?  スイムキャップをかぶってゴーグルをつければ、みんな同じ顔。


息子も最初は、「マイケルフェリップスがジャグジーにいた」 とか 「マイケルのお母さんを見た」 とか興奮していたが、最近はあまり有り難がらない。 なぜかというと、いろいろ約束事があって、まずマイケルフェリップスを見てはいけない。(目をそらせということか。) 話しかけてはいけない。 写真、握手など求めては絶対にいけない。 これは好奇心旺盛な子供にとっては、結構辛いことだ。
ある時、マイケルフェリップスが泳ぎに来るからと、プールにいた子供たちは突然追い出された。 着替えもせずに、ぬれたスイミングスーツの上からTシャツとズボンをはき、逃げるようにロッカールームから出て行ったらしい。 
またある時は、マイケルフェリップスがまだ泳いでいるからと、会議室で待機させられた。 結局、この日は泳げずに、2時間会議室にいただけで帰ってきた。





各国の国旗がずらりと並ぶ。 日の丸よ、風になびけ。 待つこと5分。 神風が吹いて、日本の国旗がひらりとひるがえった。 



でも、こういうことばかりではない。
今年の夏、息子が興奮した様子で帰ってきた。
「お母さん。 今日ね、ぼく専用レーンで泳いだよ。」
「すごい、オリンピックトレーニングセンターで泳ぐだけでもすごいのに、専用のレーンがあったの。 レーンを独り占めなんて、すごいねーーー。」
「うん、コーチが隣のレーンが空いているから、そっちで泳げって。」
息子は夏からシニアのチームに移ったばかりで、きっとダントツに遅かったのだろう。 で、たまたま隣のレーンが空いていたので、そっちに隔離されたのだ。 でも、そんなこと言えない。

「それでね、僕の隣のレーンで誰が泳いでいたと思う? Aaron Peirsolが泳いでいたんだよ!」
「Aarrr???」
「知らないの? お母さん。」
「し、知っている。 その人オリンピックにでてた、、、」 どうしよう。 誰だ、そのAaaなんとかは。 
「メドレーリレーでマイケルフェリップスと一緒に泳いだでしょ。」息子がたたみかけるように言う。
「あー、はい。 金メダルとったもんね。 でも、個人では北島に負けたのよね。」
「お母さん! Aaron Peirsolは背泳ぎ!」

しっかりしなくてはいけない。 わたしはスイマーの母なのだ。 息子は才能と根性が認められて、オリンピックを目指す日が来るかもしれない。 ここでは私も水泳に理解があることをアピールしておかなくてはいけない。

「ねぇねぇ、その人、オリンピック選手だから体格いいんでしょ。 背は高いの。 顔は? ハンサム?  泳いでいる姿なんて、そりゃもう格好いいんでしょうね。」
わたしは声のトーンをあげた。 しかし、息子はすっかり冷めたようだ。
「ううん、彼は野獣みたい。」

そうか、野獣の背泳ぎか。。。






うぅー、頭に槍が。 どこから見ても、頭に槍が突き刺さったようにしか見えないオブジェ。


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ストロベリースプリングス  野趣味と素朴さではここが一番

2009-11-11 15:26:46 | 旅行
野趣味と素朴さではここが一番の温泉





とにかく静か。 自然に囲まれてお湯につかっていると、心までほぐれていく。



スチームボートスプリングスの近くに、とっても閑寂な温泉があると聞いた。
Strawberry Park Springs=いちご公園温泉。 なんてかわいい名前なんだろう。 Old Town Hot Springsのウォータースライドが大好きな息子は、スチームボートスプリングスにいたいと言うが、私はもっと侘び寂びの効いた(?)素朴な温泉につかりたかった。

モーテルのフロントで行き方を聞くと、意外と近い。 ストロベリースプリングスはスチームボートスプリングスから車で20分ほどだという。 地図ももらえたので、道に迷うことなくたどり着けた。
ゲートを通ってすぐのところに受付があり、入浴料 (Adults $10; Teens $5; Kids $3 )を支払う。 温泉はすぐ左下に見えた。





売店やロッカールームはない。 必要な物は袋に入れて持っていく。 ペットボトルもお忘れなく。


うーん、なかなかいい感じ。 森林のなかに小川が流れ、川の数ヶ所を囲うように小岩が積まれている。 川のうしろはなだらかな丘。 焼け跡のように見える山肌から温泉が湧き出ている。そして、流れ出たお湯は山肌をつたい、小川へ注ぎ込んでいる。
浴場の近くに、小さな山小屋があった。 中はカーテンで仕切られていて、ここが脱衣場だ。 


さて、どこから入ろうか?
石段のあるところから川へ入ろうとすると、お湯が熱い。 よくみると湧き出た熱湯の注ぎ口が、ちょうど石段の横にあった。 お湯加減は川の入り口付近は熱く、川の中央にすすむにつれぬるくなる。
なるべく熱くないところから、恐るおそる入水。 足を踏み入れると、川底は砂だった。 温泉とか露天風呂といっても、コンクリートで固められたプールに慣れていたせいか、砂の感触が意外だった。




岩を積んで仕切ってある浴場。 お湯は自然からの恵み。 川底は砂。 場所により微妙に温度が違う。


そういえば素足で川の中へ入るなんて、小学校以来かもしれない。 子供の頃、裸足で川に入って遊んでいたら、何かニュルとした物を踏んで、ギョッとしたことがあった。 昔は、みんな靴を脱いで水遊びをした。 いまの子供はウォーターシューズなんてものを履くんだよなぁ、、、といろいろ考えていると、川のほうに出て行った息子が「うわっ」と声をあげた。 きっとなにが踏んだのだろう。 
おまけに、息子は水面に浮かんでいる虫の死骸を怖がっている。 「あっちへ行け」と手で虫の死骸を押し流している。 なんという軟弱者。 いや、彼は都会っ子なのだ。 いや、待て。 コロラドの都会っ子なんて聞いたことがない。


2時間くらい、ゆっくりくつろいだ。 青い空、空気がおいしい。
冬はどんな感じだろう。 湯気のなかから冬景色をみたいものだ。





シャワーはないが、トイレは新しい建物で、広くて清潔だった。


Strawberry Park Springsはスチームボートスプリングスから7マイル(約11キロ)。 ダウンタウンの3rd.Streetから北に入り、すぐのFish Creek Fall Rd. を右にまがる。 そしてAmethyst Dr. を左にはいり、ずっと進むと Country Rd.36につきあたる。 Country 36を左にはいり、さらに進んで行き止まりになったところがストロベリースプリングスの駐車場だ。
最初の4マイルは舗装された道路だが、残り3マイルは舗装されていないデコボコ道だ。 モーテルのフロントのおばさんが「デコボコ道にはいったとたん、道を間違えたと思って引き返す人が多いのよ。 絶対にUターンしてはダメよ。 前に進むのよ。」と教えてくれた。

11月から5月は四輪駆動の車か、タイヤのチェーンが必要。



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スチームボートスプリングス  家族で楽しめる温泉プール

2009-11-08 03:12:25 | 旅行
家族で楽しめる温泉プール





ウォータスライドはチューブになっていて、中は真っ暗。 相当こわいらしい。 1回1ドル。 1日すべりり放題券は、12ドル。


コロラドにはColorado Springsのように「スプリングス」という文字がつく地名が多い。
地図を広げ、ざっと見ただけでもColorado Springs, Manitou Springs, Idaho Springs, Glenwood Springs, Pagosa Springs, Elk Springs, Hot Sulphur Springsなどがある。 もっと小さな町も含めれば、相当な数のナントカ スプリングスという地名があるのではないかと思う。
Springsとは泉水、地中から湧き出る水のこと。 だから湧き水が熱ければ Hot Springs=温泉になる。

Steamboat Springs(スチームボートスプリングス市)も温泉で有名な町だ。 人気の温泉は、ダウンタウンの入り口にある ”Old Town Hot Springs”。  エクササイズルームも併設されていて、朝早くから夜遅くまでオープンしている。
本格的に泳げる25ヤードのプール、子供たちに人気の70メートルのウォータースライド、温水の中からよじ登れるクライミングウォール、カスタムメイドの大人専用のスパプールなど、たっぷりあるスペースと、手入れが行き届いた庭園が魅力だ。 お湯の温度も熱からず、ぬるからず、何もせずにボーッとつかっているだけでも数時間は過ごせてしまう。 どちらかと言うと、静かな温泉というよりは、リラックスしたい大人と、水遊びをしたい子供が一緒にゆっくり過ごせる施設という感じだ。




昔ながらの面影を残すラビットイヤー モーテル。 うさぎさんの耳が目印。 宿泊者はモーテルの受付で温泉の割引券が買える。 Old Town Hot Springsは道をはさんでこのモーテルの向かい側。 



スチームボートは蒸気船のこと。 1800年初期、毛皮を目的にこの地にやってきたフランス人の猟師たちは、シュッシュッという音とともに、白い蒸気が定期的に立ち上がるのを見た。 彼らは長旅の末、Yampa川を行き来する蒸気船を発見したのだと思った。 しかしそこには蒸気船はなく、かわりに地下深くから圧縮された水蒸気と温水が、定期的に噴き出しているのを発見したという。
Steamboat Springsという地名はこのエピソードからつけられた名前だ。

実際、Steamboat Springsには150箇所もの源泉が点在しているそうだ。 Old town Hot Springsの源泉にあたるHeart Springsは1874年、ヨーロッパからの開拓者、James Crawfordによって発見された。 とは言っても白人たちが入植する前はこの地にはインディアンが住んでいた。 彼らもまた、温泉が湧き出る土地の所有権をめぐって、部族間で何世紀も争い続けていたという。 特に宿敵でもあったユーツ族とアラパホ族は、身体も精神も癒すと信じられていた聖なる源泉、Heart Springsの所有権をめぐって、壮絶な戦いをしたと伝えられている。




メインストリートを歩いていて出会ったオブジェ。 デンバーから約3時間、Hwy40がそのままダウンタウンのメインストリート、Lincon Av.になる。

スチームボートスプリングスはアウトドアスポーツを好む人にとっては、パラダイスのようなところだ。 Yampa川ではカヤック、フィッシング、ラフティングが楽しめるし、マウンテンバイクのトレイルも素晴らしい。 冬はスキーに来る人も多い。
  


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