「未解決の謎か」ある秋の宵、ミス・マープルの家に集った客が口にした言葉がきっかけで、
<火曜の夜クラブ>が結成された。
毎週火曜日の夜、ひとりが知っている謎を提示し、ほかの面々が推理を披露するのだ。
凶器なき不可解な殺人「アシュタルテの祠」、動機と機会の奇妙な交錯「動機対機会」など
傑作ぞろいの13編。
ミステリの女王クリスティの生んだ名探偵として、
いまなお世代を越えて愛される名探偵の短編集、新訳でリニューアル!
以上、内容紹介はアマゾンよりお借りしました。
ミスマープルシリーズは何冊か昔読んだきりで
もっぱらTVドラマで楽しむばかりでしたが、この13の物語は期待に違わずおもしろかったです。
毎日、朝の家事をおえて一息ついてからのお楽しみ^^、一日一話・・・
いっそ百話ほど続いてくれないだろうか・・と思いながらの二週間。
イギリスで刊行されたのが1930年前後、ということはざっと90年前!
意表をつくトリックや鮮やかな推理に当時の人々はさぞや驚いたことでしょうね。
後の長編の元になるものもたくさん見受けられて、ああ~このトリックは
あの本に使われたものだ!という発見もなかなか楽しいものです。
ミスマープルが住むセントメアリーミード村
大きな事件もない至って平凡な田舎町ですが、
そこに住む村人達の日常を観察するマープルの目は鋭く、洞察力に
長けています。
難事件に見えたものでも、村の些細な出来事にあてはめてみては
スルスルとひも解いていくマープル。
実に賢いおばあちゃまです。
そして、隠していても全て見透かされているようで恐い存在でもあります。
「人間なんて、みんな似たり寄ったりなんです。
ただ、おそらくはさいわいなことに、それに気づかないだけなんですよ」
いや~名言ですな(笑)
みんなでいろいろ推理した最後に、一番こういった謎解きに不向きであろう
マープルが、誰も解けなかった真相をバーン!と明かすところは
とても気持ちいいです。
まあ~水戸黄門のアレですね、この印籠が目に入らぬかってやつ!?
最後から二つ目の「バンガローの事件」
美貌自慢の女優さんが披露した謎ですが、この女優さん、
美しいだけの頭がからっぽ風な描かれ方をしているんですね。
いやいや女優さんだけにわざとバカっぽい演技をしているんじゃないか・・と私は睨んでいたんですが
マープルによって、というかクリスティによって、美貌だけのバカ女っぷりが
暴露されるお話になっています。
それと同時にマープルの賢さ、辛辣さ、たくさんの優しさも披露されるという
アクロバティックな一遍だと感じました。
東京創元社の創元推理文庫は大好きなシリーズですが
なにせ字が小さい!!
なんとかなりませんかね^^
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