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私の本の空白は

2020-07-04 | 読む

 

気づいたら病院のベッドに横たわっていたわたし・三笠南。

目は覚めたけれど、自分の名前も年齢も、家族のこともわからない。

現実の生活環境にも、夫だという人にも違和感が拭えないまま、毎日が過ぎていく。

何のために嘘をつかれているの?過去に絶望がないことだけを祈るなか、

胸が痛くなるほどに好きだと思える人と出会う…。

何も思い出せないのに、自分の心だけは真実だった。

 

以上、内容紹介はアマゾンよりお借りしました。

 

近藤史恵さんのものは二冊目。

今回も読んで良かった~という読後感充実の一冊でした。

時々、読んで損した!残り少ない私の時間返してくれ!って言いたくなるものもありますもんね(笑)

 

よくある記憶喪失もので、内容紹介だけ読むと哀しい恋愛ものっぽいので

読み始めはなんだかなあ~と思ってましたが、全然違います。

 

 

 

以後、ネタバレありです。

 

最強とはいいませんが、かなり手ごわいサイコパスが登場。

母親さえコロリと騙され溺愛してしまいますが、逆に一番騙しやすい存在でもあるのが母親。

なにせ美しい男の子に弱いですもんね~女性は。

 

その名はハルヤ。

兄のシンヤを騙って女性をだますって一番やってはいけないやつです。

同類の女性も登場して、なかなか面白い展開となります。

 

記憶喪失のミナミさんが、すこしづつ記憶をもどしていく過程も

ゆっくりですがとろくもなく、そのあたり絶妙だと感じました。

 

認知症の義母がいいアクセント、っていうのも失礼か(笑)

義母の言動がキーポイントとなって少しずつ謎がゆるんでいくのも

上手いですね。

 

うちの母を見ていても、ほぼボケぼけなんですが時々「的を射た指摘」を

繰りだすことがあります^^

 

~優しさも冷たさも同じ箱に入っている。彼がどちらを取り出すかは寸前にならないと

わからない~

というような、ハルヤに対する印象の記述がありました。

 

うーん・・ハルヤ自身もわからないんじゃないかな。

それが一番恐いんですが。

 

 

 

 



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