カトリック横浜教区 梅村司教様宛の「通知書」について
皆さまは横浜教区の清水教会の「取り壊し」をめぐって、5年位前から信徒と司教との間で問題が起きていることは、すでにいろいろなメディアを通じて、ご存じのことと思います。
2020年(今年) 4月23日、清水教会の保存を願う有志の一人と代理弁護士2名が梅村司教様宛に、内容証明付きの「通知書」を送りました。
この通知書(文末に全文掲載)は、聖堂保存か取り壊しかをめぐり、信徒間司教、司祭と忌憚なく話し合う機会を求めたものです。しかし回答期限の5月15日が過ぎても、司教側からは何の返答もありませんでした。
この事態を受け、清水教会のその有志は、この教区側の対応について皆様にお知らせし注意を喚起し、今後の推移を共に見守って頂きたいと願います。
横浜教区梅村司教に手紙を出した人に代わり、私が主催しているブログにその記事を掲載したいと思います。私自身が、清水の美しい<歴史的価値の高い聖堂>の保存を強く願うものの一人です。
上左の写真は聖堂内部の脇祭壇 上右の写真は中央部分
下記、清水教会の「聖堂を残そう」有志の一人が、司教様に出した記事をお読みください。
信徒の〇〇です。上記ご紹介の通り、私は弁護士の助言を戴いて、以下に添付した通りの「通知書」を横浜教区梅村司教様に、内容証明付きで送付しました。しかし、今までの数々の嘆願書、質問状、お願い状などと同様に、今回も期限までに何の応答もなく「またか…」と言う想いです。
受洗依頼60年、私は司教・司祭はキリストの代理人、聖書に書かれた「羊の良き牧者」だと言うことを一度も疑ったことはありませんでした。が今は裏切られた気持ちです。問題は単純で、司教様が「司教顧問会(教区の神父)には誰も聖堂を保存したい人はいない」と私たちに言うだけで、「なぜ取り壊したいか」の説明がないまま、信徒に取り壊しの方針を植え付けようとしていることです。現状は、司教・司祭の権威主義に影響されたために、信徒間の対話が行われない。話し合えば解決することなのに、話し合いがなされないため、こじれてしまっています。
司教・司祭はこの状態がわかっているのに、なぜ手を差し伸べようとしてくれないのか。責任ある立場の人の誠意ある対応とは、到底思えません。もはや私〇〇個人の胸にしまっておくべきではなく、「ウヤムヤに」すべきことではないと思い、教会内外の心ある人々に聞いて頂きたい…と思うに至りました。
とは言え、私は主観的な正義感と義憤に駆られて、闇雲に教会の権威ある牧者を一般社会に向けて告発しようとするものでは決してありません。この度の清水教会の保存をめぐって教会の中で起きている問題は、司教・司祭の権威主義が、信徒間の対話を妨げていることからきています。
教会を愛する私の良心は一方では、こんな教会の恥を世間にさらすには忍びない、できれば公にしたくはないという思いで一ぱいです。しかし他方では、その教会を愛する思いが、結果的に教会の浄化を妨げ、教会が社会からの信頼と尊敬を失い、まじめに取り合われる価値のない<時代遅れの遺物>のように切り捨てられる結果を招くことにも耐えられません。
一昨年、清水教会の保存を願う信徒や、保存を願う嘆願書に署名された7,800名の市民の切なる声に耳を傾けず、ひたすら対話を拒否して、司教主導で決定しようとすることは、見過ごすことはできません。
教会を愛する信徒の一人として、このままではいけないと言う想いに駆られ、不本意ながらあえて声を上げる決心をしました。
このブログの場で、問題を広く世に問い、貴重な聖堂の保存に向けて心ある信徒・市民の世論を喚起したいと願うものです。
まずは問題の「通知書」(下記)をお読み下さい。 清水教会信徒の〇〇
左上の写真は祭壇の下(」中央に船の錨) 右は、聖堂後方:彫刻のある小部屋
〒231-8652 横浜市中区山手町44
カトリック横浜司教 梅村昌弘司教様
通知書
十 主の平和
当職は〇〇氏(以下は「通知人」と言います)の代理人として、カトリック横浜教区梅村昌弘司教様に対し、以下の通りご通知いたします。
さて通知人はかねてより、清水教会の存続を願っているところ、すでに複数回にわたり申し入れた通り、この聖堂を存続するのか、取り壊すのかと言う問題(以下「本問題」と言います)を根本から話し合うため、信徒の開かれた集まりがもたれることを望んでおられます。
この点、2020年2月23日の清水教会の信徒大会においても、複数の信徒から本問題について質問・言及がなされましたが、司会進行役は全く問題としてとりあげようとせずに強引に大会を閉会してしまいました。また、信徒の一人から主任神父に対しても、本問題について話し合いのため、信徒の集まりを持つよう依頼をしましたが、断られました。
本問題に関してはすでに、2018年12月17日の司教諮問会で、今後は補完性の原理・原則をもって教区が主導権をもって解決にあたるとの決議がなされ、2019年1月29日付決定通知が送付されたことは承知しております。しかしながら、過去に清水教会の信徒間で、聖堂を「なぜ保存したいのか」その場合の「各々の問題点」「費用の比較」等、費用負担をすべき信徒として、確実になされるべき、ごく基本的な議論すらなされておりません。
かかる状況の中で、教区から一方的に、補完性の原理・原則をもって本問題の解決については教区が判断し(教区の改修費等を実質的に負担することとなる清水教会の)信徒の意向が反映されないと言うのでは、信徒に不信感が生じるのもやむを得ないものと考えます。
本来、補完性の原理・原則は、小教区の信徒がなすべき決定を促し、もしくはフォローするために働くべきものであって、上記のように基本的な議論すらなされないまま、<清水教会では解決できない課題であるとか、力不足により責務や機能を果たせない>などと結論づけられ、議論することすら許されないというのは、信徒として大変遺憾で心苦しいものがあります。
このまま、信徒と牧者との対話もなく、また信徒たちが話し合うことも禁じられたまま、本問題の解決が図られれば、結論がどうあれ、教会の中で十分な対話がつくされていなかったという事実が、信徒同士の不信感や不和につながるのではないか、懸念されるところです。
つきましては、梅村司教様におかれましては、改めて、信徒の集まりの実現にぜひともご協力をお願い致します。どのような結論になろうとも将来、信徒同士が不信感を持ち合うような関係は避けるべきであり、どうか、信徒たちが自由に話し合い、また、主任神父と心を開いて話し合う場を設定して下さるようお願い致します。
時期につきましては、世間的な情勢もありますので、ミサが通常に行われるようになり次第、早期にお願いできればと存じます。
なお本件に関するご回答につきましては2020年5月15日(金)までに、〇〇氏本人に対して下さいますようお願い致します。以上のとおりご通知致します。
令和2年4月23日
〒424-☓☓静岡市☓☓☓ 電話:054-☓☓ FAX:054-☓☓ 通知人 〇 〇
〒424-☓☓ 静岡市☓~☓ ☓☓ビル☓階
静岡☓☓法律事務所 電話:054-☓☓-☓☓ FAX: 同 左
通知人代理弁護士 〇〇 〇 同 上 弁護士 〇〇 〇
左上は、聖堂内:天井と照明 右上は、聖堂の後側(赤い屋根が美しい)
以上の件、如何 思われますでしょうか?
長崎・五島の世界遺産にも比肩、本県ではたった1つ残っている「木造檜造りゴシック建築」の清水教会は、多くの信徒や市民に長く愛されてきた貴重な遺産です。先の世界大戦で奇跡的に空爆と艦砲射撃から護られ、多くの負傷者の避難所になったこの聖堂は、現在も子供たちの平和教育のために現存する数少ない教材として「平和資料センター」、教育界から「保存」が望まれています。
この聖堂が、密室の中で知らぬ間に闇に葬る決定がなされ、問答無用で取り壊されることがないように、注視し、護り、その保存を実現させて頂きたく、皆さまにもお願い致します。 ブログ管理者:小畑雪江