今宮祐貴 〜活動日記passion 〜

相模原市議会議員 passion for the best

やまなみ〜介護〜

2018-10-27 21:42:10 | 紹介
 相模原市の人口は推計によれば、2019年の723,056人をピークに減少に転じ、2065年には536,958人まで減少し、現状の3/4程度になり、2065年の高齢化率は41.2%(全国38.4%)になるとのことです。

 高齢化率とは65歳以上の方が人口に占める割合で、本市でも、ほぼ全国水準と足並みをそろえて上昇しています。昭和25年には5%(全国)です。下図参照(内閣府平成29年度版高齢社会白書より)

 

 さて、高齢化と聞いて思い浮かぶのは“介護”ですが、先日、「全国商工新聞」の8面に載っていた、山形県最上町のNPO法人グループホームやまなみの記事が目にとまりました。

 NPO法人グループホームやまなみは、地域密着で質の高いケアをし、行政からも信頼され、地域でかけがえのない役割を果たしているとのことです。理事長の大場武男理事長の、「小規模かつ家庭的で、いつでも、誰もがお金の心配なく質の高いケアが受けられ、一人の人間として『長生きして良かった』と感じることができる施設をつくりたかった」という一文を見て、ハッとさせられました。更に、「職員がどんなに愛情を注ぎ、努力をしても家族の笑顔にはかないません。家族がいつでも訪ねてこられるホームはならなければならず、地域密着が欠かせません」と強調されています。祖母を介護をし、その後、施設にお願いした経験がある私としてはとても感銘を受けました。

 

 ところで、厚生労働省「介護給付費実態調査月報」、総務省「人口推計月報 平成29年6月」によると、要介護者の発生率は「80〜84歳」で28.2%、「85歳以上」ではなんと60%になっています。

 私の祖母は80歳の時に脳梗塞と心筋梗塞発症し、認知症を患い要介護になりました。私自身、はじめての“介護体験”でもあり、いつもは一人でなんでもテキパキとこなしていた祖母が、一人では歩くことも、排泄することもできなくなるのを一刻一刻とみていて辛いものがありました。私の祖母は途中から83歳で亡くなるまで特養に入ることができましたが、1000人待ちの特養もあります。

 本紙の中で、介護の現場での深刻な問題も語られています。「施設運営上の最大の悩みは、職員の質の確保と小規模ゆえの経営の不安定さです」、「現状の職員待遇では、なかなかスタッフも集まらない」、「あと、月に10万円の賃金引き上げが必要(介護報酬改善の必要)」、など切実なものばかりです。更に、本紙の中で、最上町のウエルネスプラザ総括管理監の伊藤勝さんは、「『介護の社会化』を実現するはずだった介護保険。施行から18年たった今でも、家族の介護と経済的負担は重く、低所得、低年金の高齢者の行き場がなくなっています」と、利用者側の大変な現状も指摘されています。

 介護の問題とひとえに言っても、その問題は、利用者やその家族、そこで働く人まで様々です。65歳以上の方が支払う介護保険料は2000年と比較して、2倍にもなり、更には政府は後期高齢者の病院での窓口負担を2倍にしようとしています。10年間で105万人を超える介護離職の問題もあります。介護分野の有効求人倍率は全産業の2.2倍にあたる3.02倍。安倍総理は総裁選の所見の中で、雇用の改善を実現したと嘯いていますが、介護、建設、農水産業など低賃金で、作業がきつい職場で深刻な人で不足が生じていているというのが実情です。やまなみのような施設が増え、現状の課題がクリアされることを望みます。そのためには、福祉を切り捨てする政治から、命と暮らしをまもる政治への転換が必要です。