千葉市内花見川区の小学校に通う次男の学校で、夏休み明けに行われる除草作業。
※この除草作業を子供達にさせないために私が取った行動に関しては以下を参照下さい。
【千葉市立小学校の除草作業中止に至るまで】
http://blog.goo.ne.jp/yukatweet/e/0ce9cd71030a8151bbc42b22049856da
今日はその後、教育委員会の「学校での屋内活動は安全」との見解にどうしても納得がいかず
その見解の一つの柱となっている千葉大学の久下教授にお送りしたメールと
それに対する久下教授からの返信要約について、私の言葉でご紹介致します。
※ご参照ください↓
【千葉市教育委員会の放射能汚染に対する安全基準】
http://blog.goo.ne.jp/yukatweet/e/4694338083ea3947003137406bc8ba94
まず、久下教授の千葉市ホームページに書かれている見解はこちらです。
http://www.city.chiba.jp/kankyo/kankyohozen/kankyokisei/air_houshasensokutei.html
(抜粋)
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3 測定結果
の範囲でした。
※ この測定結果については、放射線の専門家からコメントをいただいております。
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このことについて私は大きな疑問を感じました。
一つは私が個人所有のガイガーカウンターで息子の通う学校近くの芝地で
0.36マイクロシーベルト毎時を計測していたこと。
そして二つめは学校での計測が、たったの1か所、しかも
「周囲1m以内に木、建築物等がない場所」
さらには
高さが「0.5 m、1 m」
で計測されていたからです。
子供が除草する際には、もちろん周りに木や建物はあるだろうし、
子どもが息をする高さは0.5mよりも低くなるでしょう。
さらにその場所の放射線量測定もしていないのです!
こんな状況下で子供に除草をさせるとは、全くもって安全とは思えませんでした。
そのことを訴えても教育委員会は「ご理解下さい」との返事のみでした。
そこで久下先生ご自身にメールでの質問をお送りしたことが
久下先生からご返信を頂く始めのきっかけとなりました。
これから先生と私のメールのやりとりの中で私が理解した久下先生の見解を
私の言葉でご紹介いたしますが、まず何よりはじめに久下先生に
一人の全く放射能に関して素人である母の疑問に幾度にもわたって
丁寧なご返信を頂きましたことを感謝致します。
久下先生のご意向で、私と先生とのメール全文をそのまま公開することは致しません。
現在先生の元には多くの質問メールが寄せられており、またネットでの公開は
真意が伝わらない恐れもあることからメール全文の公開は控えてほしいとのことでした。
そしてもし私が先生の見解を理解しているのであれば、私の言葉で先生の見解を
周りの人へ伝えて頂ければ、とのことでした。
このブログを見る皆さんの中には、久下先生は専門家でないと仰る方もいることでしょうし
また千葉市が先生の見解を元に安全だと言い続け、現在一切の放射能汚染への対応を
停止していることから、久下先生への怒りがある方もいらっしゃるでしょう。
これから記載する内容に異論を唱える方も当然いらっしゃると思います。
私も全ての先生の見解を支持は出来ません。
ここからは個々で判断して頂きたいと思います。
①私から先生へ最初の質問
「久下先生ご本人は除草作業も外遊びと同じように心配するほどではないと思われるのか
あるいは
千葉市の6月に行われた放射線量の測定結果は
「周囲1m以内に木、建築物等がない場所」で さらには「1m、50cm」の測定であることから
ご自身のHP上にある「心配 するほどではない」という 範疇を超えていると思われるかを教えて下さい。
②先生からの返信要点
・内部被ばくについて
草を食べるわけではないので、草木そのものから体内に入ることない。
土埃を吸引することが心配であれば、マスクをする、
作業後はよく手を 洗い、うがいをする、風呂に入って体をよく洗う、
衣服はこまめに洗濯 をする、など日常生活の中の注意事項を確実に実行すれば良い。
・現在被爆の危険性があるのは放射性セシウムについて
ナトリウム やカリウムと化学的性質が似ており、汗や尿から排出されるため
体を動かして汗をかく、栄養のバ ランスをとる、なども重要。
よって逆に外で遊ぶと危ないからと、エアコンの効いた部屋に
終日閉じこめておく ほうが逆効果。
・結論
親が神経質になると、逆に子供の精神状態を不安定するので
注意を払いながらも、親子で一緒に草刈りをして汗をかくのが子供の成長のためでは。
③私から先生へ
私の計測した千葉市内のある公園内、草上の放射線量の数値は0.36マイクロシーベルト毎時でした。
同じ公園内でわずか3m離れた何もない砂利の地表は0.17マイクロシーベルトでおよそ二倍の値となりました。
先生の仰られるとおり、たとえ0.36という数値を子供が除草する目の前の草が示しても、
それを抜いただけでは、そして手もしっかり洗い、マスクもすれば健康に対する被害 はほとんどないのでしょう。
ただ、子供は草むしり以外で既に空間線量による外部被ばくを24時間受け続け、
さらには食べ物や、外遊びの際の土埃から内部被ばくを受け続けています。
もうこれ以上の被爆は母として少したりともさせたくない、これが正直な気持ちです。
久下先生と同じように母の不安や心配が子供のストレスとなり
逆に悪影響となると仰る専門家の方がいらっしゃるのも存じ上げております。
今回の放射能汚染に対しての保護者の対応は十人十色で、 全く気にされない方もいらっしゃれば
私のように外遊びもプールも体育も通常どおりさせているけれども、除草だけは怖いと思う人もいるでしょうし
テレビで放映されているように、全ての屋外活動を遮断されている方まで
保護者一人一人が独自の判断で子供を育てています。
逆に今は少しでも「放射能汚染が心配で」と口にすると 即「神経質な親」あるいは
「モンスターペアレンツ」ときめつけられてしまうようで
何となく戦時下の戒厳令でも敷かれているかのような怖さも感じています。
④先生からの返信要点
・(芝地での空間線量が)砂利の上の値0.17マイクロシーベルト毎時に対して2倍程度というのはありうる。
茂みは縦方向に厚みがあるため、それだけ多くの物質を吸蔵し、
1層だけの砂利の地面より放射線量は高めに検出される。
線量率を下げるには、やはり除草が効果的。
除草すると根っこにあるものも、雨に打たれて流出しやすくなる。
⑤私から先生へ再度の質問
実は前回の公園というのは、息子の通う花見川区内の小学校から徒歩2、3分のところに ある公園です。
あまりに学校から近い場所で、しかも息子が外遊びの場所として
毎日のように外遊びに使用している公園でしたので、
私も数値が間違いであってほしいいと何度も測 り直しました。
もちろん測定器は個人使用のものですので、県や市が計測に使われるような精密機械とは異なる値が出るかもしれません。
こうした伏線があるなか、今一度先生にお伺いします。
それでも学校の除草は子どもにさせて良いものでしょうか。
前回のメールでも申し上げましたが、母としては、もう子供への被爆は十分なのです。
外遊びもプールも体育の授業も受けさせています。
でもなぜ他の場所より、より高濃度の放射線量が検出されやすい草まで子供達に抜かせなくてはいけないのでしょうか。
先生のご見解は、子供のしつけのために除草をさせた方が良いということにお変りはありませんか・・?
⑥先生から返信要点
・人間のあらゆる行為はメリットとリスクの天秤。
リスクを0にすることはできない。 放射線被爆のリスクも同様。
また今回の原発事故に限らず、あらゆるところに被爆の恐れはあり
医療被曝も飛行機に乗っても被爆はする。
被爆を避けるために飛行機に乗らないかどうかは、結局飛行機を利用す るメリットと
その結果生じる被爆のリスクの天秤で、 たいていの人は利用のメリットをとる。
医療被曝はもっと大きな数値だが、病気を治すためということで、これもメリットをとっている。
・親子で草刈りをするのは親子のふれあいのメリット。
一方、毎時0.36μSvの環境で3時間作業は、約1μSvの被爆というリスク。
しかし1μSvのリスクでも、メリットが小さければとれないと いう考えもある。
これは強制できるものではない。 個々人で判断していただくしかない。
以上が私と久下教授とのメール内やりとりになります。
この後は、先生の見解を私と同じように悩む母達にご紹介したいので、
メール全文の公開をお願いしましたが冒頭でご紹介したようなご返信を頂き、
今回は残念ですが上記のみでのご紹介と致します。
よって、上記部分では伝えきれない先生の思いもあることでしょうし
私の至らなさで先生の見解に届かない部分もあるかもしれません。
これ以上の先生のご見解を伺いたい方は、ご自身で直接先生にご連絡を取られて下さい。
※ 先生ご自身はこれ以上の質問殺到を当然憂慮されています。
しかしながら、千葉市のHPに見解を掲載されるというのは
それだけの覚悟があってのこととも思います。
私個人としては、先生の見解全てを受け容れることは出来ません。
ただ、頂いた最後のメールの最終部分は、仰るとおりだと思います。
今回の放射能汚染については、保護者内でも見解がわかれます。
個々人で判断して動いていくしかありません。
行政へ何かを求めたり、訴えたりするにしても、個人が立ち上がって行くしかないのではないでしょうか。
そしてもう一つ。「強制できるものではない」という先生の見解は重要です。
教育委員会がいくら安全と言おうが、このメリット、デメリットをどう取るかは個人によります。
市役所や教育委員会、さらには学校であっても「強制」できるものではないというのが
先生の見解であると考えます。
強制できないのなら、危険だと親が判断するものに、子供を参加させなくてもいいわけですし
自治体側もその自由を当然認めるべきです。
給食、プール、除草、その他全てにおいて、参加を強制したり、圧力をかけたり
さらには子どもや保護者に対しての暴言は許されるものではありません。
また私個人として、現在の放射線量が安全か危険かは専門家でも意見がわかれることから
子供の安全と健康のためには、もっとも安全な政策を取ることが当然と思っています。
今後も千葉市、教育委員会に対して、子供達の健康と安全の確保と
そのために行われる自由な選択を求めていきたいと思います。