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遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う

「遊行七恵の日々是遊行」の姉妹編です。
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伊予へ行った

2017-04-24 22:20:19 | 旅行
金、土曜と伊予の建築巡りツアーに参加したが、折角だからとわたしは木曜から単身伊予入りした。
大阪から松山入りするのに色々ルートがあるが、わたしにはどうも飛行機以外はムリだと思われた。
遠距離バス、新幹線で岡山まで乗り特急しおかぜで松山入り、これらが代表的なところだが、時間のかかり具合を考えると苦しい。
同じ苦しいのなら飛行機の方がマシだと思い、木曜の早朝に伊丹に出た。

蛍池のホームでモノレールが手前の駅を出て、最初に姿を見せるのをチラ見する、それがとても好きな時間だ。
それを見損ねるとなんだか楽しくない。
空港に着いたが、南ウイングへ向かう道は工事中で一旦階下へ降りてから徒歩。
早朝で朝食をここで済ますつもりで来ているが、とにかく先に手荷物検査をクリアーしなくてはと、どこにもよらずに通過。
長いこと飛行機に乗ってなかったので色々忘れていることがあり、ちょっと損なことが続く。まあええわ。
ニシカワのピーナツクリームパンがあるのが嬉しい。このオリジナルクリームが本当に好き。

さて7:40の便で松山へ向かう。少し遅れて8:30過ぎに着いたが、空港に降り立ったとき、空港の建物の隣になにやら工場萌えな対象の建造物がある。テイジンらしい。
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空港のロビーにはこんなステンドグラスも。
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飛行機の発着にあわせてくれてるのかバスに待たずに乗る。
460円で市内のいちばん繁華な大街道まで。
わたしの宿は見えている。車窓から見えた気になる建物もチェックしにいくために先に宿に荷をおいて、元来た道を戻る。先に進めば道後温泉へつく。

てくてくてくてく…
伊予鉄に乗るのも楽しいが、路上観察するにはまず自分で歩いてナンボなのでテクテクテクテク…

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県庁も萬翠荘も翌日以降に皆さんと一緒に訪ねるので単独では見学しない。
とりあえず伊予銀行本店。

ここは1952年10月10日に竣工。
花瓶の彫刻がなかなか素敵。
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地下道で伊予銀、市役所などがつながっている。あとは松山市駅への道がある。
ふと見れば駅前の高島屋の屋上には立派な大観覧車。うおおおおおっまだ現役がおったー!!!!!
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さてわたくしはお堀端を歩きましてやね、公園へ入りまして、椿をみたり桜を見たりしてから愛媛県立美術館へ。

柱の装飾が可愛い。


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ここの杉浦非水コレクションが細見美術館に来ていて、細見コレクションがこちらで始まるのだった。
特別展は名嘉睦念の版画、これは東大阪からの巡回。
わたしは常設展示を拝見。

モネ、セザ、ドニらの洋画に新収蔵の柳瀬正夢、真鍋博の作品に、福田平八郎の特集。
いずれもとても興味深く見た。
例によって感想は個々に別途挙げてゆく。←いつのことやねん。

お城遠望


県庁ちらり。


河東碧梧桐の句碑「桜活けた 花屑の中の中から一枝拾う」


電車に乗り一日券を買うて大街道へ。
かど屋に入る。鯛飯で有名なところ。
お造りのタイを卵と醤油ダレに絡めてごはんにかける。ええお米。おいしかったわ。

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そこから少しその通りをゆくと、東雲学園というええ学校の門をみる。




斜め上には校舎ものぞく。ええ建物のはずでこの正門は1928年のもの。
この道をまっすぐ行くとお城へのケーブル乗り場に着くらしい。

少し離れて、秋山兄弟生誕地にゆくと、武道場があった。これは今世紀に入ってからの復元ものだが、立派な建物。




街で見かけたクラシックカー


さてわたしはいよいよ坂の上の雲ミュージアムへ。
ここは萬翠荘の手前にあるそうで、わたしはてっきり前述の東雲学園がそれかと思ったのよ。

萬翠荘へは随分前に来ている。そのときはこのミュージアムはなかった。
一目でわかるように安藤忠雄の設計。


思えば司馬遼太郎関連文学館は安藤の設計で占められている。
東大阪の記念館、姫路文学館(ここは「播磨灘物語」)、そしてこの坂の上の雲ミュージアム。
ほかに司馬サンの文学館があるかどうかちょっと知らないが、いずれもみんな安藤忠雄の仕事。

結局ここで二時間以上いることになり、しかも司馬文学に触れたときに起こるいつもの反応が出てしまった。
つまり溺れてしまうのだ。
キャラへの愛情が強くなり過ぎ、文体に影響され、物語に入れ込みすぎて、現実へ帰るのが難しくなる。
本当に苦しい。

今こうして例によって、えーかげんな文体で綴るこの感想だが、ここへ戻るまでにかなりの時間がかかったのだ。
だが、物語とキャラたちへの愛情はいまだ消えず、ラストシーンを既に知っているだけにいよいよ切なさは増し増してゆき、ただただつらい。

建物の構造はたいへん興味深いもので、中心になる階段がものすごい。
空中通路というのも納得な代物で、支柱がない。わたしには不思議な構造だった。

せつなさに胸をかまれながら一旦宿へ。

萬翠荘遠望


荷解きをして道後温泉へ入る支度をして伊予鉄の路面電車を待つ。
いいよねー。ここは5分に一本なのでストレスフリー。
気持ちよく乗り降りする。


道後温泉に来るのは二度め。前回は社内旅行、その前は入浴もせずにからくり時計を見ただけでタイムアウト。
ただしそのときは県庁、萬翠荘をはじめ宇和島、大洲、内子、別子へも足をのばしている。2002年の話。社内旅行はただ単に入浴したくらいしか記憶がない。

路面電車いろいろ






さて駅に着きましたが、からくり時計がある方ではなく、向かって左手へ歩き出す。
セキ美術館へゆくのだ。

セキ美術館の題字は加山又造。
ここは近現代日本画・洋画とロダンの素描などのコレクションで有名なところ。
建物の構造はちょっとややこしいが、そのおかげで次の室へ向かうときに意識が刷新される。よいことだ。
ここでは相当にわたし好みの作品があった。
きれいな花の絵などの洋画、花鳥風月と美人画、それからヴォラール依頼によるロダンのラフタッチな裸婦たち。

機嫌よく表に出てからは「にぎたつの道」をゆく。にぎたつとはまた万葉集なところやなと思いつつ、道後温泉の椿の湯の前へ。
立派な新館ですわ。
そして道後温泉に来たもう一つの大目的を果たそう。
山口晃画伯の仕事がここにようけあるそうな。それを見て回るのだ。
早速道後温泉本館裏手の「要電柱」を発見。
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とても町にマッチしている。
見晴らし小屋もすばらしい。
いいなあ。
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ホテルもめぐる。たいていは複製画をロビーに展示しているのだが、それを見て回るのも楽しい。
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そろそろ暗くなってきたのでいよいよ入浴しよう。
しかしあまりに空腹ではかえって目を回すので、近くで軽く唐揚げなどたべてからいよいよ券売場へ。

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今回は「霊の湯 個室コース」1550円を予定していたが、今ちょっと込んでるという。
それなら大広間でええかなと思ったが、五分だけ待ってと言われ、手持ちぶたさんしつつ周囲のサギのオブジェを見て回ったり色々するうちに、ようやく呼び出される。
「たまにはと 贅沢なれど 個室かな」
くだらん句を吐きながらスタッフに導かれて三階の個室へ向かう。
あれだ、階段がせまいせまい。
ここの構造は「坊ちゃん」の頃とあんまり変わらないわけだよ。
スタッフは区域ごとに担当が変わる。
これはかつてのシャープの亀山工場、NTT堂島ネットワークセンターなどの様子を思い出す。
それでわたしは5号室へ。向かいはいわゆる「坊ちゃんの間」。
浴衣は先に選ばせてくれるのだが、ピンクと白のしましまよりサギ柄の方が好ましいのでそっち。

霊の湯は「たまのゆ」というて、これがまた不思議な建物構造のために、地下へ降りるような感じで向かう。
わたし一人貸し切りですがなw
みかんせっけんとか椿シャンプー(これは資生堂のな)を使い、すっかりスッキリしたところへ母娘さんがこられ、歓談する。
お湯はぬるぬる・身はつるつる。
キモチエエのう。

出てから誘われて神の湯へも行く。ああ、ここか。ようやく思い出した。タイル絵が懐かしい。こっちはよく混んでいた。
お湯はさらさら。

時間は80分と決められているので、さっさと上がって我が5号室へ戻り、坊ちゃん団子と「女の持ってくる天目茶碗」に入ったお茶を飲んだりして、ややくつろぐ。
着替えてからは向かいの坊ちゃんの間を見学したり、天皇、皇族の方々専用の又新殿の見学をした。
このあたり、撮影禁止である。
欄間は櫛目状の格の高いもので、襖絵はサギとシメトリとかいう鳥、引き手は向かいサギ。奥の天皇の御座は折上格天井、手前は格天井と差異をみせる。
手あぶりをみると菊の透かしが入り、葉は16枚。

思い出して山口晃画伯の作品を訪ねて回る。

夜のからくり時計




道後温泉駅









面白く眺めてからエエ心持ちで夜の道後温泉を出て、また伊予鉄で宿へ戻り、この日はタイだしのラーメンを食べて早寝した。

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