草取りをした時にグキッと腰に痛みが走り、次の日の朝にギックリ腰で来院。
聞くと以前に病院で脊椎すべり症と診断されたことがあったとのこと。
すべり症が悪化したのかと心配していたので、それは心配しなくても大丈夫ですと治癒とは何かについて治療しながら話した。
玄関から入りベッドに移動するまでが腰をかばいながら屈んでやっと座った。
問診と痛む場所を確認して鍼をする。
痛む場所は左背骨の中心でこれは督脈上であり、若干左の腰も痛い(膀胱経上)にある。
なので選択肢は単純に考えると腎膀胱、肺大腸、心小腸、心包三焦、督脈がある。
この中のどこに気の虚または滞りがあるのか?
このときはシンプルに頭の膀胱経と督脈を触診し鍼をした。
膀胱経に3本、督脈に1本。このときは膀胱経の3本目の鍼と督脈の鍼に響きを感じたので(これは私の手に感じる)本人にこれが響いたでしょうと確認して、では立ち上がって下さいと動いてもらった。
すると、もう8割方痛みは取れている。
これでもう治療は終わり。後は全身に気が巡るまでそのまま鍼を刺したままにしておく。
その間に、今後どうすれば良いのか話をした。
この様に的確に鍼を刺す場所(経絡、経穴)を見つけて、響きを得れば、鍼は一瞬で痛みを軽減することができる。
こういう事が起こると鍼灸治療家の僕も患者さんも嬉しい事になる。
本当に魔法みたいだ。これが身体のの仕組みなんて面白い。しかも鍼灸理論としては古代から伝統医療として確立している。しかし、未だに科学的に説明出来ないのが面白い。
いつか解明されたら、鍼灸の治療の方法は劇的に変化するでしょう。
僕が26年前、鍼灸学校の学生だった頃に、何処かの高校生が先生に連れられて社会科見学の一環で鍼灸学校の授業を見学に来た事があった。
その時、鍼灸の授業をやっていた臨床家の先生が、学生に向かってこう言った。
鍼灸は最先端の医療ですと。
その高校の先生から生徒達は全く理解できずに苦笑していたが、僕は今それが明確に分かる。
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