ー9月3日ー
台風9号が去った次の日、近場の途或山で「ミヤマウズラ」を探した。
「ミヤマウズラ」は、そこそこいろんなところで見れるのだけれど、
途或お山のは、ちょっと他とは違うと聞いた。
近頃少しだけ忙しくしていて、思ったようには山歩きが出来てない。
週末には、猛烈な台風10号が襲来するとのことで、急だったが、
午前中の西新で案件を済ませて、今から行けるかもと14時過ぎから出かけた。
途或山に着いて登りはじめると、昨日の台風の結果、
登山路はとっても荒れていた。
そして、何度か沢筋に分け入って探していると!
突然それは現れた!
うーん!素晴らしい!
こんな大群生は今まで見たことも聞いたこともない!
これまで、「ミヤマウズラ」をこんなに見つめたことはなかった!
全部で30本ほどが立ち上がっていた。
誰もいない、夕闇が迫りはじめた山の中で
ヤブ蚊の襲来を受けはしたが、
そんなの全く気にもならず、
一心不乱にカメラを向け続けた!
そんな時、ふと昔読んだ本のタイトルが頭をよぎった。
多分高校生の時だったと思うが、それは「人しれず微笑まん」。
60年安保反対闘争の中で亡くなった樺美智子さんの遺稿集だ。
少しませ気味の高校生だった私は、何故か三一新書のこの本を読んだ。
この本で何を感じ何を考え、その後の生き方にどう繋がったかは定かではないが、
ただ、「人しれず微笑まん」の言葉は、私の心の底に強く残っていた。
樺美智子さんの「墓誌」には、この詩が刻まれているという。
「最後に」
誰かが私を笑っている
向うでも こっちでも
私をあざ笑っている
でもかまわないさ
私は自分の道を行く
笑っている連中もやはり
各々の道を行くだろう
よく云うじゃないか
「最後に笑うものが
最もよく笑うものだ」と
でも私は
いつまでも笑わないだろう
いつまでも笑えないだろう
それでいいのだ
ただ許されるものなら
最後に
人知れずほほえみたいものだ
1956年 美智子作
この途或山の「ミヤマウズラ」は、まさに「人しれず微笑まん」だった!
下山しながら、「最後に、人しれず微笑みたいものだ」と、そんなことを思っていた。
帰りには、暗い登山路に静かに日が差し込んできた。
福岡では、今からが台風10号の最接近時間で、ちょっとだけ心配!
覚悟を決めて、ただただ静かにひっそりと耐え忍ぼう!
株もいっぱいで、そのどれも素晴らしい花付き、
人知れず微笑まれたことは容易に想像できます。
私たちは二人とも凄い!の一言の後、思わず笑みが出てしまいました。
いいものを見せていただきました。
台風10号、強烈でしたね!
私のところは、紅梅の木が倒されました。
いつもきれいに花を咲かせてましたが、残念です。
へこさんのところは、被害がありませんでしたか?
ミヤマさん、これくらい集合すると見応えがありました。