
E-P1 + Lumix G 20mm/F1.7
松本市美術館で開催中の『スタジオジブリ・レイアウト展』に行ってきました。写真は松本市美術館のランチで食べた子羊の白ワイン煮込み。それにしても、人が多いのはわかっていたので、開催から1ヶ月ほどずらして朝から行ったのに人だらけ(笑)
レイアウトというのはアニメーション制作においてラフ画を元に画面の構成、構図、動きなどを決定するための設計図です。そのため、監督もしくは演出家が書くため、監督/演出家が伝えたい生の情報を見る事が出来る、というのが今回の企画の売りです。
でまあ、最初にナウシカのレイアウトから始まるわけですが、これが非常にすごい!もうこれだけでお腹いっぱいです。当時、宮崎監督が風と光、そして大胆な構図を使っていかにして動きと奥行きを表現しようとしていたかが良くわかります。宮崎監督は意図的に(?)建物の形やサイズ関係を崩す事で事前な遠近感(認知的な遠近感)を演出しているのは有名な話ですが、ナウシカではそれに加えて前後の位置関係を意識した構図を多様しています。このため、絵(静止画)を見ているはずなのに、非常にダイナミックで動きがあるものになっています。これは限られた作画枚数の中で最大限動きのある表現をするための苦肉の策なのかもしれませんが、このおかげであの非常にダイナミックで動きのある映像が出来ているということが良くわかりした。これを見ていると、『動き』という面に限ればナウシカを超える作品がなかなか出てこないのは、皮肉にもCG等によって『動き』を表現しやすくなったからかなと感じました。制約によって芸術が生まれる、ってやつなんでしょうね。
もう一つ印象的だったのは、他の監督が『物』を描くために『形』を描写しているのに対し、宮崎監督は『物』ではなく『光』をとらえて絵を書いているという点です。このため、細部の書き込みという点では宮崎監督は少ない訳ですが、絵の中の表情は非常に豊かな物になっています。ぶっちゃけレイアウトと映像を比較すると、書き込みが少ないレイアウトの方が表情豊かに感じるくらいです。それこそ印象派という表現が最適かなと思います。この辺も宮崎作品が我々の心をがっちりつかんで離さないマジックなんだと思います。日本人は印象派が好きですからね(笑)
正直なところ、ジブリを呼べば人が集まるだろう、的な展示だと思っていましたが、良い意味で裏切られました。それこそ見て回るのに4時間ほどかかってしまったくらい!見て損はない企画展です。このような作品(作品になる前の物ですが)を見せられると、写真の限界を突きつけられるようで、一種の悔しさも同時に感じてしまいますが(笑)