E-P1 + Zuiko Digital 70-300 mm/F4-5.6
昨日、歌人の穂村弘さんの『ぼくの宝物絵本』という講演会へ参加しました。中身は穂村さんの好きな絵本についてののお話で、男女比は脅威の3:87!ここまでアウェーな講演会は久しぶりです。まあ、その中で私物の絵本自慢と物欲大王的なお話をする穂村さんもすごかったですけど(笑)ちなみに内容は「自分がどういった絵本に惹かれるか」という内容で、美術論でもなければ社会論でもない、でも知的で楽しいお話でした。穂村さんは画家(デザイナー)でも研究者(専門家)でもないですが、ある種の本質を見ている点に素直に関心しました。あと、買った絵本のお値段を覚えてるところも(笑)
その中の質疑で、「いつから絵本をひねた視点で見るようになったんですか?」という趣旨の質問に対して、「自分ではひねた視点で見てるつもりはなくて、これが自分にとって普通の感覚」という趣旨の答えをされていました。たぶん、実際そうなんでしょうね。感性が鋭い(独創的)というのはすなわち人とは異なる感じ方をしてしまうということですから。要は世間からいうと空気が読めない人。『絵本はかわいく楽しいものだ』、という空気に対して『ある種伝えるべきもの(教訓)から逸脱した表現』に着目してしまうと、絵本が好きな人からいうと空気が読めないことになってしまう。そうなると1)空気を読んで回りに合わせる、2)自分の感性で武装する、というどちらかを選択する必要が出てきます。そんでもって穂村さんは2)を選んでいる、と。そもそも穂村さんは同じ理由で若いころに『短歌』という武器で武装した人らしいですから(妻の受け売り)。そんな生き方が出来るから、歌人なんだろうなと感心しました。