おざわようこの後遺症と伴走する日々のつぶやき-多剤併用大量処方された向精神薬の山から再生しつつあるひとの視座から-

大学時代の難治性うつ病診断から這い上がり、減薬に取り組み、元気になろうとしつつあるひと(硝子の??30代)のつぶやきです

果たしてヘビが最初の薬物の密売者か?-私たちは過去から学べるか⑧-

2023-12-21 05:52:31 | 日記
「何よりも害をなすなかれ」
(ヒポクラテス)

考古学や人類学で示された証拠によれば、人類ひいては人類が登場する以前から動物たちもまた、薬物による興奮状態を経験している。

生物の歴史という視点から言えば、薬物中毒は種の違いを超えて生じる弱みであり、人間が作り出したものではない。

例えば、私たち霊長類の祖先も、自然というバーテンダーが出すアルコールを好んで飲んでいた。

誰にも食べられずに地面に落ちた果物は発酵してアルコールを醸成し、それにより果物そのものよりも、高いカロリーと心地よい陶酔感を摂取する者に与えたからだ。

野生のベルベットモンキーのアルコール摂取パターンは、人間と非常によく似ている。
若いベルベットモンキーは、大人のベルベットモンキーよりも酔うことが多く、飲み方を学習していないので、若いベルベットモンキーにはアルコール中毒も多いという。
(大人のベルベットモンキーの場合も、まったく飲まない/飲めない者、付き合い程度にたしなむ者、大量に飲む者、アルコール中毒者に分類した場合、ほぼ人間の大人と変わらないのだが......。)

ここに、まず、
「オーバードーズは現代の若者たちの不安や不満の表れ」だ、と、いった考えを前面に出す専門家を疑うひとつ目の理由がある。
確かに、そういった側面場合もあるが、それには適切な場で、適切な治療が必要なわけであり、衝動的、刹那的かつ群れて薬物による興奮状態を貪るなど、人間の不安や不満の表れではなく、私たち霊長類の祖先たちの行為だとも言える。

世界で1番良く知られた、男女であるアダムとイブに、神が禁断の果実を食べないように命じたのは、まさかそれが地面に落ちていた果実だったからであろうか?

仮に、彼/彼女らが、発効してアルコールが醸成された落ちた果実の虜になることを恐れたりしたのであるならば、最初に薬物の密売者となったのはヘビだということになってしまう。

しかし、その(妙な)心配は杞憂に終わる。

植物が寄生虫や若芽を食べる動物から身を守るために出す様々な自然由来の精神作用物質を、野生動物も乱用している。

そして私たち霊長類の祖先や私たち人間もそれを真似てそうした物質を好むようになったのである。

例えば、アヘンの材料はケシ、マリファナは大麻、コカインはコカ、サイロシビンはキノコ、ニコチンはタバコ、カフェインはコーヒーである。
アラビアチャノキにはアンフェタミンに似た興奮物質が含まれる。
馬は、ロコ草が好きだし、猫はイヌハッカ、ジャガーは精神作用のある熱帯性のツタ、ワラビーはケシ、豚はカンナビノイドを含むトリュフ、このシーズンで言うとトナカイはキノコ......きりがないのでこのあたりにするが、自然はかつてからまるで、ある側面では、精神作用薬を各種取り揃え他ドラッグストアであり、動物たちは(常連)客である。

ここで、また
「オーバードーズは現代の若者たちの不安や不満の表れ」だ、と、いった考えを前面に出す専門家を疑うふたつ目の理由がある。
先にも述べたように確かにそのような側面はあるが、人間には動物と異なり、「教育」(とそれに付随して身につく「先人から積み重ねてきた知識」)いうものがある。
人間は、教育により、危険≒乱用や中毒を回避出来、正しい使用方法を知り、行うことが出来るから、である。

社会には時として、本当の問題の解決や幸福や健康にとって本質的でないことを守ろうとし、それらに対する私たちの能力を過小評価する議論も確かに在る。
そのような議論もひとつの意見である。

しかし、私たち人間には、その議論に潜む詭弁に気づいたり、過去から学んだり、危機にそのつど、うまく対策を講じ、危機を跳ね返してきた長い歴史がある。

私たち人間には、危機に対して、耐え忍ぶだけではなく、しなやかに、したたかに、そしてとても効果的に対処する強さを、裡に秘めていると、私は思う。

そして、私たち人間は、危機は対処でき克服できる、と私は、信じている。

ここまで、読んでくださり、ありがとうございます。

本当に病に苦しむときに備えて、人間は自然の薬物をもとに創意工夫を凝らし、シナプスにおける100以上の神経伝達物質を解明しようと努力してきました。

確かに、現在その努力は光の側面だけでなく、さまざまな利害が絡み合い、様々な薬の過剰処方や診断インフレといった新たな影の側面ももたらすようになってしまいました。

次回から少し、現在と先に描いた時代のあいだの薬物と人間の歴史を描いてみようと思います。

長い歴史をある視点からでも見つめ直すことによって、今、在る問題を見つめ直し、解決のよすがになることがあると、私は思うのです。

朝から、重いし、まわりくどくなってしまいました。

しかし、やはりニュースを見ると、「どうして......?」と思います。
「どうして......?」の先を、偏りまくった見方と、独善的な意見と、足りない考えて描いてみたいと思います。
私は、
「見た目は大人、頭脳は子ども」
ですから、正直な意見かもしれません^_^;
(→開き直り。
ちなみに名探偵コナンくんは
「見た目は子ども、頭脳は大人」です......。)
今日も体調管理に気を付けたいですね。
今日も頑張りすぎず、頑張りたいですね。
では、また、次回。


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