エーザイが、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」に続き、2024年にも別の(作用の)仕組みの新薬候補の治験をはじめる、とのこと。複数の分子(因子)が関連し合っているとはいえ、仮に多剤が前提の治療になるとしたら、副作用やそもそも多剤を用いる負担にも目を向けるべきだ、と、私は思う。
以下は別の場で現場というかある製薬会社の開発チームの方から、いいねと言っていただけた7/9の日記の一部です。
ー歴史は繰り返す、のか……??-
「最近、エーザイとバイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の普及期における課題が普及期における抗うつ剤等の向精神病薬の課題と構造的に似ているように感じた。3点挙げてみると
第1に、根治に繋がる薬ではないところ。向精神病薬の場合は完治ではなく、寛解を目指すようなところだ。
第2に、「適切な診断と治療」を行える専門医の不足と偏在だ。
かつてからだが、外科医療のように眼の前に明白なレントゲン写真やデータの示せない分野であり、またそれだけに確たる判断がしづらい分野の属性かもしれない。しかし、これまでのDSMの歴史をみても、はっきりとみようとして、ロボトミーや電気けいれん療法に頼ろうとした歴史をみても、そして、結局多剤処方になりがちな現在を見ても専門医の不足と偏在が透けて視えるだろう。
第3に、病気自体は勿論であるが、副作用に対するケアの環境不足だ。今回なら、レカネマブを選ぶのかリリーの「ドナネマブ」を選ぶのかによって、作用は勿論、副作用についてかなり異なるが、悩む患者に寄り添える環境があり、「患者のQOL」が保たれるのかという点だ。どの病気でもそうだが、特に可視化が難しい認知症やうつはケア環境も可視化しづらいことには重ねて留意したい。
今回は(も?)財政や保険制度の問題、そして、細かい病院データは省いた。」
ここまで読んでくださりありがとうございます。今日だけの分も少し描いてみたいかな。