おざわようこの後遺症と伴走する日々のつぶやき-多剤併用大量処方された向精神薬の山から再生しつつあるひとの視座から-

大学時代の難治性うつ病診断から這い上がり、減薬に取り組み、元気になろうとしつつあるひと(硝子の??30代)のつぶやきです

トマス・マルサスの「人口論」を見つめ直すとき-私たちが直面していることについて考えるⅢ③-

2024-03-31 06:37:55 | 日記
過去2世紀の間に、世界人口が爆発的に増えることが出来た唯一の理由は、新たなテクノロジーにより、化石燃料の発見と採取が大幅に進んだからである。

石油生産量と人口の変化を示したグラフは、ほぼぴったりと重なる。

支出に見合う価値が化石燃料と同じようにあって、現在と同様の密度の世界人口を支え続けられるエネルギー源は、今、他にはない。

化石燃料は、何百万年という間に、地中で押しつぶされた何兆もの有機体から生まれるが、今、私たちは、石炭、石油、天然ガスをそれらが補充されるスピードの十万倍早さで消費している。

しかし、私たちが、はなはだ、無計画に無駄遣いしているものが、限りある資源であると言うことは、疑う余地がないのである。

無駄遣い出来るような安価な燃料が無くなったとき、地球の人口は、ハクスリーが著書『素晴らしい新世界』で設定した、およそ20億人に落ち着くことになってしまうのだろうか。

もちろん、私たちは、資源保護と持続可能な代替エネルギー源の促進について真剣に考え、私たちひとりひとりがこの貴重な必需品を節約しながら大切に使い、将来の世代に渡すように努力すべきであろう。

しかし、そのような努力だけでは、急速な資源の枯渇には対応出来ないであろう。

急速な資源の枯渇だけではない、取り返しのつかない地球温暖化、絶え間なく続く戦争、大量の移民、広範に広がる感染症の頻繁、度重なる飢饉が、私たちや将来世代を脅かすであろうことは明白である。

しかし、私たちは、これらの脅威をあまり起こすことなく、または、これらの脅威をなんとか、躱しながら、世界人口は増え続けることが出来るという、願望的思考を持っている。

人口抑制は、政治的公正の観点において、最も不適切な話題となっているようである。

たとえ、人口過剰が、今、世界において事実上すべての壊滅的な問題の原因であったとしても、それをメディア、政治的議論、学者の発表において議論したり取り上げたりすることは、ほぼ絶対的と言えるほどタブーになっている。

実際に、最近の戦争や難民危機、飢饉、感染爆発の原因の分析は、
ほぼ常に、政治的・経済的・個人的原因のみに注目が置かれており、人口過剰という切実な根本的な原因には、ほとんど触れられていない。

皆、人口抑制が暗示する恐ろしい含意や連想(→例えば、優生学、ヒトラー、生殖に対する制限、家族主義の破壊、宗教的信念との矛盾など)のせいで、人口抑制の話題自体から逃げているのである。

今、私たちは、問題本体ではなく、そのような「含意や連想」の方が恐ろしいために、皆で、人口抑制や人口爆発について話すことも、考えることすらも恐れている。

しかし、もっと恐ろしいことは、そうして逃げていることによって、引き起こされる事態ではないだろうか。

2世紀ほど前に、トマス・マルサスは、
「人口の力は、人間が生存するための糧を生産する地球の力より限りなく大きい」
ということを、初めて明らかにした。

マルサスは、人口学に関する深い洞察を持ち、人口は幾何級数的に急速に増加する傾向がある一方、食糧は算術数的に、ゆっくりとしか増加しないと論じた。

つまり、私たちは、人口爆発により、長い目で見れば、決して勝つことの出来ない食料供給との戦いに身を置くことになるのである。

マルサスは、人口抑制を意識しないかぎり、繰り返し起きる飢饉や、戦争、疫病、自然災害という惨事を経て、人口は自動的に抑制されることになる、と、示唆している。

チャールズ・ダーウィンもアルフレッド・ラッセル・ウォーレスも、生物間の競争を経て起きる自然選択が進化につながるという発見は、マルサスの著書を読んだことがきっかけだと、考えていたようである。

人口は常にどこでも食料供給を上回る傾向にあるため、結局は生存に最も適した変異を持つ者が生存競争に勝つのである。

また、マルサスは、心理学的洞察も持ち合わせ、人間の弱い理性は、それよりもずっと強力な生殖本能に対して、ほとんど影響を与えないと論じ、知恵と自制心がなければ、将来に、貧困と悪徳が発生する、と、予測した。

人類の人口は、1万年に農業革命が始まった頃はわずか500万人ほどだった。

その後マルサスが唱えたような目まぐるしい速度の人口増加が起き、キリスト誕生時には3億人まで増え、1800年には10
億人、現在では80億人、2050年には100億人、2100年には少なくとも110億人に達しそうである。

マルサスの予測に拠れば、テクノロジーによる成功の後に起きる人口爆発によって報われるのは、ごく少数の人々にすぎない。

大人数の人々にとって、人口爆発は、大きな問題を生み出す。

紀元前1万年より前、500万人の狩猟採取民は、今よりも
良いものを食べ、身長が高く、自由で平等であり、余暇の時間があったようである。

キリスト誕生時に、自給自足の農業をかろうじて営んでいた3億人のうちの大多数よりも、幸せだったのかもしれない。

確かにテクノロジーで生み出される物ははるかに多くなり、それによって人口も増えたが、私たちは、「以前よりも、健康であり、幸せであるか??」という問いにはっきりと「Yes!」といえるのか、疑問である。

確かに、人間が持つ繁殖力の高い生殖戦略は、1万年前に人類が直面した環境には完全に適合していた。

1万年前は、人口が少なく、人類は孤立した状態で、重大な絶滅のリスクにさらされていたからである。

しかし、現在は状況が違うのである。

かつての人口不足の世界では優れた戦略も、現在の世界には適合しない戦略なのである。

人口に関する外的現実が劇的に変化してきたにもかかわらず、私たちの本能はきわめてゆっくりとしか変化していない。

また、文化的信念の変化も、切迫した環境の危機が進むスピードより、ずっとずっと遅いのである。

日々、ニュースで見る新たな大惨事は、実は、根本的な原因のひとつは同じであるように思う。

大惨事の背景には、ただ、
「あまりにも少ない資源を、あまりにも多すぎる人々が、追い求めて」いる現実があるのである。

マルサスの予測からすれば、革命、内戦、移民、干ばつ、飢饉......などは必然的に起きているのかもしれない。

もう一度、マルサスの予測を見つめ直す時期に、私たちは、来ているのかも、しれない。

ここまで、読んで下さり、ありがとうございます。

政府の少子高齢化対策があまり、本気に見えず(その場しのぎに見えてしまい)、いろいろ読んで考えてみたいなあ、と思い、今日は、マルサスの「人口論」あたりにしてみました^_^;

難しい問題ですね.....描いていて全然まだ先が見えません^_^;

こんな探しながら考えながら描いている文章ですが、読んでいただけると嬉しいです(*^^*)

今日も、頑張りすぎず、頑張りたいですね。

では、また、次回。


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