おざわようこの後遺症と伴走する日々のつぶやき-多剤併用大量処方された向精神薬の山から再生しつつあるひとの視座から-

大学時代の難治性うつ病診断から這い上がり、減薬に取り組み、元気になろうとしつつあるひと(硝子の??30代)のつぶやきです

消費者向けの広告と政治プロパガンダと心理学-私たちが直面していることについて考える⑪-

2024-02-08 05:42:00 | 日記
過去から学ぶことが、私たちの文明が未来に向かって確実に生き残るための唯一の方法である、と私は、思う。

しかし、残念ながら、現実と向き合うことは、自然にできるものでも自動的にできるものでもないようである。

紀元前2世紀~5世紀あたりに集成されたタルムードの格言は、現在(2023年)の人間の心理における多くの問題点を、

「私たちは、物事をありのままに見ているのではなく、あるがままに見ている」

と簡潔にまとめている。

また、アインシュタインは、
狂気を

「同じことを繰り返し行い、違う結果を予期すること」
と定義した。

愚かなことに、過去の文明はすべて、急速な成長を遂げては突如崩壊するという同じ衰退のサイクルを辿ってきた。

当時、彼ら/彼女らが犯した悲劇的な過ちは、今、私たちが犯している過ちと酷似してはいないだろうか。

ところで、広告とは、人々に、もともと欲しかったわけでもなく、必要であったわけでもないものを買わせる技法である。

政治広告は、国民に考え方を売り込み、国民のことをあまり思っていない政治家を支持するように仕向ける技法なのかもしれない。

広告は、ある面では芸術でもあるが、他の面では、心理学の応用である。

扁桃体が司る無意識の感情を操作するために、
大脳皮質による意識的で理性のある思考プロセスを回避することによって、広告は、機能する。

19世紀後半、心理学理論(精神分析学、行動主義、社会心理学)の急増が、そうした理論の消費財売り込みへの利用に繋がった。

さらに、残念なことに、この数十年、心理学は、政治の無責任な言い分を売り込むことにも利用されてきたのである。

エドワード・バーネイズは「PR(広報活動)の父」として知られている。
彼が「PR」という言葉を作ったのは、
それまで使われていた「プロパガンダ」よりもずっと洗練された響きが在ったからだ。

ジークムント・フロイトの甥であるバーネイズは、精神分析学、行動主義、集団心理学に由来するテクニックを組み合わせ、企業の経営状態を改善して大成功を収めた。

彼の基本的な着眼点は、
「集団心理のメカニズムと動機を理解すれば、大衆に気づかれずに、自分たちの意志にしたがって大衆を管理し、統制することが出来るのではないか」
というものである。

これが「同意の操縦」によって、消費者の行動に働きかける、というバーネイズ独自の専門技術に繋がったのである。

確かに、バーネイズは、ファッション、食品、石けん、タバコ、書籍など数多くの消費財の大衆消費者向けのマーケティングのパイオニアだった。

また、バーネイズは、有名人やオピニオンリーダーによる製品の推奨というコンセプトを考案した。

「意識的な協力の有無にかかわらず、リーダー達に影響を与えることができれば、彼ら/彼女らが感化する集団にも自ずと影響を及ぼすことができる」とバーネイズは述べている。

ちなみに、バーネイズとP・T・バーナムは似たような考え方の持ち主で、2人とも「簡単に騙されるカモはいくらでもいる」と考えていた。
そして2人ともそう信じていた結果裕福になったのだが、この思考の構造は多国籍企業にしても、大物の政治関係者にしても同じであろう。

バーネイズとほぼ同じ頃、
ジョン・ワトソンも心理学理論を広告という金貨に変え、思わぬ大成功を収めた。

ワトソンの立身出世物語はまさにアメリカだからこそ実現した。

貧しいながらも大きな希望を持った少年は、優れた教育を受け、アメリカで最も有名な心理学者にまでのぼりつめたが、
その後、すべてを投げ打ち、新たに急成長を遂げる広告業界に入り会長として富を築いた。

ワトソンは、パブロフの研究である犬の条件づけを人間に拡大して解釈し、自覚した意識を回避して、潜在意識に働きかける手法によって、人間の行動に大きな影響を及ぼせることに気づいた。

ワトソンは、この方法を「行動主義」と呼んだ。

それは、行動主義が意識の複雑さや人間の心に関心を向けず、また、評価もしないからである。

ワトソンは、行動をコントロールする自分の手法を用いて、人々に商品の購入を促した。

例えば、「コーヒーブレイク」というものを考案して、マックスウェル・ハウスのコーヒーを売り込んだのも、ワトソンである。

ワトソンは、行動心理学と現代広告の両方の父として、大衆消費主義に科学的な方法を取り入れたのである。

消費者向けの広告用に開発された手法は、
政治プロパガンダというさらに汚れた世界でも、きわめて大きな効果を発揮した。

ヒトラーの代弁者であったヨーセフ・ゲッペルスは、
心理学で学位を取得したことはなかったものの、学位を取得する以上に、注意深く、そして深く心理学に基づいた消費者向けの広告用に開発された手法を研究し、政治プロパガンダに転用する方法を考えていたのである。

そのことを、バーネイズは、こう嘆いている。

「ゲッペルスは、私の著書『Crystallizing Public Opinion(世論の結晶化)』を根拠として活用し、ドイツにいるユダヤ人に対して破壊的な活動を行った。
それを知って、私は衝撃を受けた」と。

ここまで、読んで下さり、ありがとうございます。

明日(2/9)から、不定期更新となります( ^_^)

よろしくお願いいたします(*^^*)

日記の続きは、今日の続き(政治広告の部分)から再開したいなあ、と思います。

消費者向けの広告用に開発された手法が、政治プロパガンダにどう利用されてきて、今はどうなのか、また、暗く、暑苦しい考察をしてみたいと思いますので、また、そのときも読んでやってくださると嬉しいです( ^_^)

明日(2/9)から、数日間、長年、私の足元(私の病気に起因すること)を見るように不条理かつ不合理な言動と要求をしてきた知人との関係をうまく(穏便に)整理する予定です。
なんだか緊張します^_^;

でも、ここ半年、皆さまのブログを拝読したり、私なんかも毎日投稿してみたり、さらに皆さまに読んでいただいたりして、
さまざまな世界に触れ、 またそのおかげで自分のことばで「また」語れるようになってきたように思います。

そのような自信を持ちながら、少しでも自分の周りの世界を自分で自分により良いものにし、伏せていた目線を上に向けて、
そして自分の人生のベクトルを上に向けていきたいなあ、と思います。

いつもありがとうございます( ^_^)
これからもよろしくお願いいたします(*^^*)

今日も寒いですね。
寒暖差に気をつけながら、元気に過ごしたいですね。

今日も頑張りすぎず、頑張りたいですね。

では、また、次回。