『サッカーボールの音が聞こえる』 平山譲:著 新潮社:2010年
このブログで感想を書いた中で、一番引き込まれた本。久しぶりに、早く先を読みたいという気分になり、おまけに、喫茶店でも電車の中でも涙が出てきて対処に困るはめに。
タイトルのサッカーボールの音というのは、全盲の視覚障害者の競技であるブラインドサッカーで使うボールの音だ。ボールの中に鈴が入って音が出る特殊なボールを使い、そのボールが動いた時の音と、ゴール裏にいてゴールの位置や距離角度を知らせるコーラーの声を頼りに行うサッカーだ。もともとサッカーが好きだった男性が中途失明し、絶望の中から立ち上がろうとしたときにブラインドサッカーと出会い、大好きなサッカーへの想いと仲間との絆によって変わっていく過程を描いたノンフィクションだ。
主人公として描かれる石井宏幸氏は、中学時代に喘息で療養生活を余儀なくされ、19歳で白内障により右目失明、28歳で緑内障による失明と、何度も困難に直面することになる。絶望のあまり無気力になった日々も描かれるが、そこから立ち直っていく過程が丁寧に描かれている。本当に好きなことがあることの大切さ、焦らず見守り大事なところで支えてくれる家族、本人は気付かない彼の魅力に引きつけられている仲間、一つ一つは特別なことではないのかもしれないが、積み重ねられていくことですごい力になるんだなと素直に感動させられた。
現在、石井氏はブラインドサッカーの普及に尽力している。とにかく説明するより、一読をおすすめしたい本だ。
このブログで感想を書いた中で、一番引き込まれた本。久しぶりに、早く先を読みたいという気分になり、おまけに、喫茶店でも電車の中でも涙が出てきて対処に困るはめに。
タイトルのサッカーボールの音というのは、全盲の視覚障害者の競技であるブラインドサッカーで使うボールの音だ。ボールの中に鈴が入って音が出る特殊なボールを使い、そのボールが動いた時の音と、ゴール裏にいてゴールの位置や距離角度を知らせるコーラーの声を頼りに行うサッカーだ。もともとサッカーが好きだった男性が中途失明し、絶望の中から立ち上がろうとしたときにブラインドサッカーと出会い、大好きなサッカーへの想いと仲間との絆によって変わっていく過程を描いたノンフィクションだ。
主人公として描かれる石井宏幸氏は、中学時代に喘息で療養生活を余儀なくされ、19歳で白内障により右目失明、28歳で緑内障による失明と、何度も困難に直面することになる。絶望のあまり無気力になった日々も描かれるが、そこから立ち直っていく過程が丁寧に描かれている。本当に好きなことがあることの大切さ、焦らず見守り大事なところで支えてくれる家族、本人は気付かない彼の魅力に引きつけられている仲間、一つ一つは特別なことではないのかもしれないが、積み重ねられていくことですごい力になるんだなと素直に感動させられた。
現在、石井氏はブラインドサッカーの普及に尽力している。とにかく説明するより、一読をおすすめしたい本だ。