10日ぐらい前に「左翼統一戦線のために」というエントリーに 「書評日記 パペッティア通信」さんから「<統一戦線>の美麗字句 左派で湧きおこる「社共共闘」に笑う」というTBをいただきました。このブログで「左翼統一戦線」とか「社共共闘」で盛り上がっていたときだったので、「茶々を入れられた」と思ってしまったのですが、よくよく読んでみると非常に興味深い事が書いてありました。
>てか、どうして提携しようとする「相手側」の都合というものを
>この人たち、誰も考えようとしないのだろうか。(パペッティア通信より)
これはその通りなんですね。共産、社民、新社会の各党が全国レベルで共闘関係を結べないのは、それぞれの「都合」というものが大きく関わっている。例えば、新社会党の現在の委員長って小森龍邦という人らしいんだけど、これは新社会党と日本共産党が協力関係を結ぶ上でのネックになると思うんですね。新社会党は総選挙では独自の候補者を擁立する力はないんだけど、全国規模では社民党と協力し、小選挙区では社民がいないところでは日本共産党の候補への投票を呼びかけていました。だけど、共産・新社は正式な共闘関係には立っていない。なぜなのか?ぜんぜん理解できませんよね。新社会党のHPで同党の綱領を読むと、新社会党は社民党よりも日本共産党に近い方針を持った政党であることが分かるんですが、実際の選挙協力は社民党なんです。しかも、その協力例は「兵庫一区」のみ。この選挙区では、社民・新社会の共同候補が健闘したわけですが、日本共産党は独自候補を擁立しています。やはり、協力関係に立てないのは組織上の問題としか思えませんね。
>だいたいだね。
>そもそも統一戦線、人民戦線なんてのは、「小さい左」が「大きな右」をのっとるための運動論でしょうが。「小さな左」は、「主張が同じ」をテコに、さんざん「大きな右」をふりまわして、その基盤を浸食してきた。(パペッティア通信より)
この前提に立つならば、左翼共闘は共産党が中心になれば可能になるということですね。今や社民党なんて「ごく小さな右」ですから。最近の国政選挙の得票を見ると
日本共産党 約500万票
社会民主党 約350万票
と勢力がある程度、“拮抗”しているように見えますが、党員数で見ると
日本共産党 約40万人(増加傾向)
社会民主党 約 3万人(減少傾向)
新社会党 不明 (恐らく数千人程度)
なんです。「左翼共闘」といったって、党員数の上では圧倒的に共産党が多い。共産党員:社民党員≒13:1という関係です。組織的な共同をやったら社民党なんて共産党に飲み込まれてしまう。新社会党にしても同様なんじゃないでしょうか。
日本共産党の党員数は、少ないように見えますが、そんなことはない。今回のドイツの総選挙で勝利した「左翼党」だってPDS(6~7万人)、WASG(元社民党左派の新党・7~8千人)、ドイツ共産党(5~6千人)で合計してもせいぜい8万人ぐらいしか党員がいない。ちなみに、日本の公明党も約40万人の党員を擁しています。
あと、共産党には「民青」という組織もあって、これだけでも2万人位の若年層を集めている。民青だけでも社民党に匹敵するくらいの構成員がいるんです。
だから、政治的組織力でいったら共産党陣営の圧勝というのが現状。これに対して弱小の社民党がどう対応するのか?これが今の情勢だと思います。ですから、共産党としては、地方や国会での共闘、平和運動での協力を通じて交流を図り、社民党の側から「選挙協力しましょう」といいやすいような環境を作る以外に「左翼統一戦線」を構築する方法がないように思います。
------------------------------
共産党と社民党の力関係ってこんなに開きがあるんだ、
と思ったらクリック!⇒
>てか、どうして提携しようとする「相手側」の都合というものを
>この人たち、誰も考えようとしないのだろうか。(パペッティア通信より)
これはその通りなんですね。共産、社民、新社会の各党が全国レベルで共闘関係を結べないのは、それぞれの「都合」というものが大きく関わっている。例えば、新社会党の現在の委員長って小森龍邦という人らしいんだけど、これは新社会党と日本共産党が協力関係を結ぶ上でのネックになると思うんですね。新社会党は総選挙では独自の候補者を擁立する力はないんだけど、全国規模では社民党と協力し、小選挙区では社民がいないところでは日本共産党の候補への投票を呼びかけていました。だけど、共産・新社は正式な共闘関係には立っていない。なぜなのか?ぜんぜん理解できませんよね。新社会党のHPで同党の綱領を読むと、新社会党は社民党よりも日本共産党に近い方針を持った政党であることが分かるんですが、実際の選挙協力は社民党なんです。しかも、その協力例は「兵庫一区」のみ。この選挙区では、社民・新社会の共同候補が健闘したわけですが、日本共産党は独自候補を擁立しています。やはり、協力関係に立てないのは組織上の問題としか思えませんね。
>だいたいだね。
>そもそも統一戦線、人民戦線なんてのは、「小さい左」が「大きな右」をのっとるための運動論でしょうが。「小さな左」は、「主張が同じ」をテコに、さんざん「大きな右」をふりまわして、その基盤を浸食してきた。(パペッティア通信より)
この前提に立つならば、左翼共闘は共産党が中心になれば可能になるということですね。今や社民党なんて「ごく小さな右」ですから。最近の国政選挙の得票を見ると
日本共産党 約500万票
社会民主党 約350万票
と勢力がある程度、“拮抗”しているように見えますが、党員数で見ると
日本共産党 約40万人(増加傾向)
社会民主党 約 3万人(減少傾向)
新社会党 不明 (恐らく数千人程度)
なんです。「左翼共闘」といったって、党員数の上では圧倒的に共産党が多い。共産党員:社民党員≒13:1という関係です。組織的な共同をやったら社民党なんて共産党に飲み込まれてしまう。新社会党にしても同様なんじゃないでしょうか。
日本共産党の党員数は、少ないように見えますが、そんなことはない。今回のドイツの総選挙で勝利した「左翼党」だってPDS(6~7万人)、WASG(元社民党左派の新党・7~8千人)、ドイツ共産党(5~6千人)で合計してもせいぜい8万人ぐらいしか党員がいない。ちなみに、日本の公明党も約40万人の党員を擁しています。
あと、共産党には「民青」という組織もあって、これだけでも2万人位の若年層を集めている。民青だけでも社民党に匹敵するくらいの構成員がいるんです。
だから、政治的組織力でいったら共産党陣営の圧勝というのが現状。これに対して弱小の社民党がどう対応するのか?これが今の情勢だと思います。ですから、共産党としては、地方や国会での共闘、平和運動での協力を通じて交流を図り、社民党の側から「選挙協力しましょう」といいやすいような環境を作る以外に「左翼統一戦線」を構築する方法がないように思います。
------------------------------
共産党と社民党の力関係ってこんなに開きがあるんだ、
と思ったらクリック!⇒
僕が最大の問題だと感じるのは、指導部の選び方です。
指導部は大会で選ばれる訳ですが、それを選ぶ大会代議員の選出過程は、自らが批判する「小選挙区制」の論理に似ています。
上級機関に行くほど、「少数意見」(大体が指導部に「従順」ではない人たちの意見)が切り捨てられ、その結果が大会での「全会一致」です。
僕は「民主集中制」に反対するものではありません。みんなで決めたことをみんなでやるのは、民主主義の基本だと思うからです。
しかし「共産党流民主集中制」は、結果的に少数意見を排除するという、共産党自信がもっとも嫌うはずのことを許しているのです。
それが、この組織の活力を削ぐ原因になっているのです。
この欠点を克服するには、今僕たちがまさに利用しているネットを利用し、横のつながりを広げることでしょう。
そして指導部が形だけは口にする、「内『外』の意見をよく聞いて」を実践させることでしょう。
またご意見ください。
これはありますね。セクショナリズムといって、既存の組織の枠に囚われてしまう。
話に聞いただけで詳しくは知らないのですが、ワールド・ピースナウでは社民系の人たちが、民青など共産党系の人たちを排除したがるそうです。そういう「排除の論理」も「組織が個人の結集を阻害している」要因の一つになっているのでは?
>「世界社会フォーラム」
共産党をやっていて、なおかつ「社会フォーラム」に参加している人もいますよ。天木直人みたいに「既存のものはダメで、新しいモメンタムが必要」と言っているだけでは、「個」の連帯は生まれないと思います。古いもののうちに新しいものを見つけてこそ、運動に前進があるんじゃないか。「フォーラム」といったって、そこに参加する人たちが「ピースボートはダメ」「民青はダメ」と若い人たち同士でお互いに非難し合ってても、フォーラムの意味がない。それぞれの違いを認めた上で、一致点を探していく以外にない。。。
まとまらない文章で済みません。
今のところはこんな考えです。
蔵信さんの言うとおり、日本では「左翼」「左派」の定義が曖昧ですよね。
共産党ですら右派政党と見る人もいますし。。。おかしいのは、「北方領土問題」を見ると、日本共産党がいちばん右派的なところです。共産党は「千島列島全島返還」を主張していますから。「右翼」が「北方領土返還・4島を返せ」「共産党は売国」と街宣車で言ってるのを見て、共産党の人は「お前らこそ売国」と思ってるわけですからね。
>ソ連や中国という共産主義を名乗る国家がいずれも軍事大国であるという事実からして
「左翼」の主張はそんな単純なものではないと思いますよ。現状として「軍隊」を持つべきでないと主張しているだけで、場合によっては持つべきだと主張していると思います。
僕は、今の右翼が主張するように「北」や中国の“驚異”に対抗するために、自衛隊を国軍化し増強すべきであるという議論には賛成できませんが。
「組織の必要性」に異存はありません。しかし、「既存の」組織をまったく否定するつもりもありませんが、これらの組織が個人の結集を阻害していることはないか、と考えてみた時、僕は「そんなことはない」と言わざるを得ません。
「新しいワインは新しい皮袋に入れよ」という言葉がありますが、「あたらしい考え」を受け入れることができない組織に未来はないと思います。
現時点で有効なのは「フォーラム」だと思います(「世界社会フォーラム」などの)。日本ではまだ可能性の領域を出ていません。これを本格的に軌道に乗せることが必要だと思いますが、どうでしょう?
>その時は相手にしてもらえなかった
ごめんなさい・・。考えてから書き込みする方なので、時間が経つうちに書きそびれてしまいました・・・。返事は2-3日後になることが多いので、、、。返事がなければ今回みたいに催促してください(汗)。
>個人の結集を目指す方が近道
はっきり言って、その通りですね。yoshiさんのいう通りです。でも、結集した「個人」がどの様に、活動するのかを考えたときに、「組織」というものが必要になってくるのは否定できないことなのでは?
特に、考え方がある程度まで一致する人たちが「連帯」して国の政治に自分たちの要求を反映させるためには、「政党」という組織を持つことが絶対に必要です。“絶対に”です。「個の連帯」だけでは公明党や自民党には勝てませんよ。
僕は、「個」の連帯も、「組織」の連帯も両方とも必要だと思います。
「個」の集合体が「組織」なので、「組織」の連帯が現時点でむずかしい以上、「個」の連帯と、それに加えてそれぞれの「組織」が「個」の連帯をもとに、組織自身を大きくしていく以外に事態を打開する道はありません。
いつもありがとうございます。
>小森氏から栗原君子氏に交代
なるほど。知りませんでした。
小森氏だと「解同」の元委員長ということで、共産党とはソリが合わなかったのかなあと勝手に思っていました。
日本の左翼の基準はちょっと厳しすぎませんか?
例えば自衛隊・天皇を認めたらもう左派じゃないとか。
最も本当の意味での共産主義的、あるいは社会民主主義的な北欧各国には国王もいれば国軍もあり、それどころか徴兵制だってあります。
小泉以前の自民党だって世界基準で見れば、どっちかっていうと左翼になる部分もありますよ。
ソ連や中国という共産主義を名乗る国家がいずれも軍事大国であるという事実からして、私は左翼が軍隊を否定する理屈がわかりません。
何をもってして自衛隊を認めないことが左翼の条件とするのか理解に苦しむのですが…。
既存政党・組織としての「左派」とか「左翼」とかの共同を「夢見る」よりも、個人の結集を目指す方が近道なんじゃないかというのが、僕の考えです。
新社委員長ですが、今年の大会で
小森氏から栗原君子氏に交代しました。