
監修:松田道生
書名:CD付き 知りたい鳥がすぐわかる!日本の野鳥図鑑
価格:2,100円(本体2,000円)
出版社:ナツメ社
今年1月、東京湾盤洲(ばんず)干潟周辺で鳥の観察を続けている田村満さんが写真集を出版されました。撮影地は盤洲干潟と富津の一帯で、当然ながらページの過半数が水鳥類。飛翔写真や採食行動を捉えたカットが多く、また、鳥以外の干潟の生物も収録されています。2007-2008年に越冬したシジュウカラガンも載っています。当地を訪れたことが無い方にもお勧めの1冊です。
田村満.2008.盤洲・富津干潟周辺の野鳥 田村満写真集.うらべ書房,木更津.
112ページ 2,100円
うらべ書房のサイト 写真集の画像あり
現在、出版社に在庫はなく、袖ヶ浦、木更津、君津市の取扱店と千葉県立中央博物館のミュージアムショップにあるそうです。事前に在庫の有無を確認した方が良いと思います。在庫が見つからない場合は、トップページ下段の「Mail」マークより箕輪宛に問い合わせください。
巣箱の活用について、各地の実践例をもとに書かれた本。いわゆる希少鳥類の保護活動だけでなく、キツツキ類やコウモリなども登場します。巣箱の誕生から、日本に持ち込まれ普及するまでの経緯、そこに関わる内田清之助や中西梧堂の話など、歴史的な面も分かりやすくまとめられています。小学生向けのため、文体も平易に書かれています。(ホンの少しだけお手伝いした事があり、協力者に名前を入れていただきました)
著者 : 国松俊英
出版 : くもん出版
発行年 : 2007年
定価 :1300円+税
昨年、著者ご本人から頂いた本です。東京でのカラスの生活、特に繁殖期の様子が書かれています。マイナスイメージで捉えられることが多いカラスたちが、都市の中で実際にどんな生活をしているのか、その一端を知ることができます。人との軋轢の中、最近よく行われる「巣落とし」とはどんなものなのか、しばしば報道されるカラス像の誤解とは何なのか、その詳細にも言及しています。
都市の調査ならではの苦労話もなかなか楽しいです。冒頭から苦労話で始まります。カラスに関わった経験がある人なら、その苦労を共有できるハズ(?)。
本書はカラスについて書かれたものですが、もう1つ、「松田さんはなぜカラスが好きなのか」という事も読み取ることができます。本当に好きか、お聞きした事はありませんが、特定の生物とこれだけディープに付き合えば、普通は好きになるでしょう。読者がカラスに対していらぬ誤解をしないよう、言葉1つにも気を配っている様子が伺えます。六義園周辺の地名が頻繁に登場するので、現地を訪れてみると一層理解しやすくなると思います。
著者 : 松田道生
出版 : 平凡社
発行年 : 2006年
2月中旬、都内で塚本洋三さんにお会いする機会がありました。15-16年前に一度お会いして、事務的なご挨拶をしただけなので、今回が初対面のようなものです。それから数日後、近著「東京湾にガンがいた頃-鳥・人・干潟 どこへ-」が送られてきました。素敵なサイン入りです。
本の舞台は1950年代から1960年代初頭までの新浜。タイトルの通り、東京湾奥部の干潟にマガンが定期的に渡来していた頃の話です。新浜グループのなんともおおらかな探鳥の様子、その後の自然環境の激変振りなどが、著者の思いと共に綴られています。たかだか50年前の事なのに、現状とのギャップの激しさに驚かされます。
東京湾にガンがいた頃 \1,890 (税込み)
著者 : 塚本洋三
出版 : 文一総合出版
発行年月 : 2006.11
塚本さんが主催するバード・フォト・アーカイブスのサイトもお薦めです。