G7広島サミットが間もなく開幕するのでというわけでもないが、こちらの本を読んだ。首相在任期間は憲政史上最長の8年7カ月。第一次安倍内閣は2006年9月の発足だから、本書では過去15年以上の政治、経済、外交の主要な出来事を振り返りつつ、その時々の課題と政府の判断の理由を時の最高責任者から聞き取る形となる。 . . . 本文を読む
今月は、原発反対運動の先駆的存在だった高木仁三郎の全集から数冊に目をとおした。 原子力資料室を1975年に創設し、市民科学者を地で行った高木は惜しくも2000年に60歳あまりで亡くなっている。しかし、その間、全集で10巻を越える著作を残し、反原発運動の先頭に立って活動し、原発の危険性と廃止を訴え続けて世界からも認められた人だ。1970年代に書かれた「プルトニウムの恐怖」や癌に侵され死期が近づいた1999年に書かれた「市民科学者として生きる」は、いずれも現在まで岩波新書で版を重ねている。 (残念ながら私は高木氏のことを3.11が起こるまでろくに知らなかった。) . . . 本文を読む
例年より随分早い梅雨明け、その後の猛暑。しかし、節電の効果のせいか、なぜか夜は昨年ほど暑くはない。 震災から4ヶ月が経ち、被災地の復興と福島原発の安定化はいずれも長期戦だし、その間にも放射能汚染された福島産の肉牛が広範囲に流通したことがわかり、消費者は食の不安に怯える。 メルトダウンはおろか、メルトスルーした可能性も指摘される中、本当にどれだけの量の放射能がばら撒かれ、農業や漁業への影響はどこまで深刻なのか判然としない。 避難区域外で高い放射線量とともに暮らさざるを得ない人々は、累積放射能の影響に不安の毎日を送っている。 . . . 本文を読む
GWも終わりに近づいた6日、菅首相が(突然?)静岡県御前崎市の浜岡原発の点検中の3号炉のみならず、運転中の4,5号炉も休止を中部電力に要請した。いまやチェルノブイリを越える放射線を出したといわれる福島第一原発の事故を受けて遅すぎるという声もあるが、東海地震の震源の真上にあるといわれる浜岡であり、識者から危険性が指摘され続けていたので、その行動は高く評価したい。唐突だという地元の声もあるようだが、脱原発への一歩としてこのアクションなのであれば、これをきっかけにメディアや世論を導いていく転換点とすることも可能だろう。単なる一時的な政治的パフォーマンスに終わらないように祈りたい。 . . . 本文を読む
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