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「はやぶさ、そうまでして君は」 -素晴らしい感動の物語- (川口淳一郎著 宝島社)

2011-01-09 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
年末年始の読書のハイライトはなんと言っても、年末24日に出版されたばかりのこの本だった。「はやぶさ」ミッションの責任者による、世界初の「小惑星サンプルリターン」プロジェクトのドキュメントは、このプロジェクトの全貌を教えてくれると同時に、なによりも深い感動で心を打つ。「はやぶさ」がオーストラリアの夜空で、輝く火の玉となって大気圏で燃え尽きた映像の背後には、7年にわたる様々な困難を伴った「はやぶさ」運行の日々と、プロジェクトの発案から数えればなんと25年もの歳月があり、この果敢なプログラムが、日本の宇宙開発の歴史において独自の重要な位置を占めていたことがわかる。「はやぶさ」の成功により、少なくとも宇宙開発のこの分野においては、日本が信じられないことながらNASAを凌駕する飛躍を遂げたことがわかる。 . . . 本文を読む
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「CO2温暖化説は捏造」の衝撃度

2010-10-17 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
CO2=地球温暖化というほぼ定着したと思われた常識に従って、エコだ、エコだと脱化石燃料に励んできたこの10年は一体なんだったのだろう。 昨年秋に、IPCCの地球温暖化データに改竄があったという報道はわずかに聞いていたが、まさか、こんな意図的な歪曲、杜撰なデータ処理があったのかと、この本(「二酸化炭素温暖化説の崩壊」広瀬隆著(集英社新書))を読んで呆然とさせられた。 . . . 本文を読む
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朝鮮戦争(The Coldest Winter) D. ハルバースタム著

2010-01-24 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
2007年に自動車事故で惜しくも亡くなったハルバースタムの遺作である。 「朝鮮戦争」は、アメリカのみならず世界にとって“The Forgotten War”であると、著者自身が序文で触れている。 映像ジャーナリズムが世界を支配し始めた60年代に、世界中の注目と非難を浴びたベトナム戦争とは違い、まだ東西冷戦の初期に起こった「朝鮮戦争」は、金日成軍が1950年6月、突如として38度線を突破し、怒涛のごとく南に攻めてきて始まった。 不意をつかれた韓国・アメリカ軍は後退を重ね、8月には釜山から日本海に蹴落とされる危機に瀕したが、洛東江の戦いと呼ばれる釜山防衛戦で何とか踏みとどまり、9月15日、マッカーサーの伝説的な奇襲攻撃、仁川上陸作戦の成功で10月にソウルを奪回し、クリスマスまでには、戦争は終わると将軍は豪語していた。  しかし、、、 . . . 本文を読む
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「改革はどこへ行った?-民主党政権にチャンスはあるか」竹中平蔵著

2009-12-27 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
2010年度予算は、すったもんだの末、なんとか滑り込みで年内に政府案がまとまった。税収が、年初予想の46兆円から37兆円に10兆円近く落ち込み、民主党マニフェスト政策の実現は、子供手当てなどの一部に極力絞って、国債の発行をなんとか44兆円に抑えた苦しい予算策定だった。 一般会計の規模としては、88兆円から92兆円へと膨らんだことを、ばら撒きと取る向きもあるが、財政規律を守るべく、暫定税率の廃止や高速道路の無料化、後期高齢者医療制度の撤回などを見送るギリギリの選択だったと評価するのが妥当ではないだろうか。 . . . 本文を読む
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亡国予算 -闇に消えた「特別会計- 北沢栄著(実業の日本社)

2009-08-10 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
8月30日の衆院選まであと3週間。 民主、自民のマニフェストの中身がメディアでも取り上げられているが、民主党の高速道路無料化や月2万6千円の子供手当てを、ばら撒きと批判する自民代議士が多い。 だが、財源の裏づけがないといわれる前に、この国の肥大した官僚政治には膨大な無駄があるということを、多くの市民が感じているのではないだろうか。それでなくても、この10年間に世帯年収が100万円も減り、重税感に喘いでいる国民は、年金の財源として消費税の引き上げをお願いするという自民党より、まずは無駄を徹底的になくして財源を見つけ出す、という民主の声に耳を傾けている。 . . . 本文を読む
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D.ハルバースタム: 覇者の驕り(“The Reckoning”)

2009-03-10 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
2月のアメリカの自動車販売は、前年同月に較べ41%下落、年換算では900万台まで落ち込んだ。 GMは前年比マイナス53%、フォードも49%の落ち込みで、日本車も軒並み35~40%の減少となり、これで15ヶ月連続前年同月を下回った。 年販900万台とは、1981年12月以来の低水準で、当時は第二次石油ショックをきっかけに3年間続いた深刻な自動車不況の渦中であった。 現在も、シティグループやAIGなどのアメリカの最大手金融機関が政府の必死の救済策で辛うじて生き延びている状況であり、ダウ平均も6000ドル台まで下落。2月の失業率は8.5%まで上昇し、不況は現在進行形で深刻の度合いを増している。このままでは、GM、クライスラーが膝を屈するのは時間の問題とも思われる. . . . 本文を読む
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「金融大崩壊」(水野和夫著 NHK新書)

2008-12-28 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
未曾有の経済危機に世界が突入しつつある中、「ウォール街の終焉」だとか、「強欲資本主義の破滅」といった派手なタイトルのついた新刊が書店には目白押しだ。そうした本の中には、マスメディアを毎日のように埋め尽くす情報以上には特段の分析や洞察もなく、後知恵で金融資本主義をこき下ろす内容のものも多いことだろう。そんな中で、前著「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」で、その精緻な経済分析と歴史的な洞察によって、見事にグローバル資本主義の本質を解き明かしてみせた水野和夫氏の新著は、新書でありながら、先の見えない現在の曖昧模糊とした視界に光を射してくれる。 . . . 本文を読む
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GM vs. ポルシェに見る、アメリカとドイツの経営思想の違い (ヴィーデキングの著作を読む)

2008-11-29 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
2週間前に取り上げたGMの先行きは暗い。下院の公聴会で即決の支持は得られず、政府支援の行方は12月の再度のヒアリングに持ち越された。ワシントンに参集したビッグ3首脳の高額の報酬や、プライベートジェットの使用が槍玉に上がり、企業の再生のために更なる抜本的な改革案を求められた。識者のコメントや世論調査でも、ビッグ3の救済には否定的な意見のほうが多いようだ。 . . . 本文を読む
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「ソロスの警告」は現実となった

2008-11-02 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
大変興味深い本だ。 今年4月に書かれた時点で、アメリカの住宅バルブの崩壊だけでなく、正に半年後に迫っていたより大きな「スーパーバブル」の崩壊も予告していたのだから。また、レーガン政権以降の市場万能主義、複雑のデリバティブなどを駆使した金融資本主義の終焉を「ひとつの時代の終わり」と先見してもいる。 . . . 本文を読む
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勝間和代の「日本を変えよう」

2008-10-09 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
「年収を10倍にする云々」の手の本は苦手だが、今回のタイトルに少し興味を持って、この女性ベストセラー作家の著書を初めて買いました。 外資系優良企業を経て、独立できた勝ち組のワーキングマザーの人生指南が、やる気があり「勉強もできる」の若い女性読者に支持されている感じですが、今回は、タイトルが示すごとくテーマが広がって、少子化対策や男女協同参画社会、ワーキングプアの問題などにも話が及び、本人のスーダン支援のNPO活動なども出てきて、アマゾンの読者書評では、政界進出の布石か、という穿ったコメントも出ています。  . . . 本文を読む
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サブプライム、グリーンスパン、資本の反革命から大前研一まで、最近の経済

2008-01-26 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
このところ世間を揺さぶっている話題は、世界同時株安だ。アメリカのサブプライムローンの破綻懸念から、先週から今週にかけて、シティ、メリルといった大証券会社が1兆円を超える損失を出し、NYダウの下げが止まらず株価の下落は欧州やアジアの市場に波及した。正月明けから下落を続けた日経平均もついに12000円台まで下げている。 FRBの1%の緊急利下げ誘導や、ブッシュ政府の大型財政出動の発表にも、ウオール街の . . . 本文を読む
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「マイ・ドリーム」 バラク・オバマ自伝

2008-01-03 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
「合衆国の再生」でオバマという人に俄然興味を覚え、本屋で平積みになっている彼の「自伝」への誘惑に抗しきれず年末年始の読書はこの本となった。 この「自伝」は、1995年、著者がまだ33歳か34歳で、イリノイ州の州議会議員になる前に書かれた。 . . . 本文を読む
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「反転 ‐ 闇社会の守護神と言われて」

2007-08-01 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
世には、「ヤメ検弁護士」と呼ばれる人たちがいるらしい。 検察官を辞めて、被疑者の弁護の側に回った転向者達のことだ。 官僚の天下りとは少し違うが、検事時代の人脈や検察への顔が重視されて儲かるという点では、同類かもしれない。 元東京地検特捜部の辣腕検事といわれた田中森一は、87年に20年近い検事のキャリアを捨て、大阪経済研究所という弁護士事務所を開業した。 ちょうどバブルに上り詰める浮かれた日本経済の . . . 本文を読む
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A Braze - The story of Chernobyl (検証チェルノブイリ 刻一刻)

2007-02-26 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
なぜ今頃チェルノブイリと思われるだろうか。しかし、地球温暖化の問題はどどのつまり燃料やエネルギーの問題に行き着く。 「日本は相変わらず原発推進をしているが、何十いや何百世代も末まで残る汚染物質に責任が取れない以上、原発は続けられない」とあるドイツ人が私に言った。日本はポスト化石燃料をどうしようとしているのか。 原発の現在はどうなっているのか、その疑問が私を原発関係の書籍に向かわせた。 . . . 本文を読む
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アメリカの終わり  フランシス・フクヤマ著

2007-02-07 | 読書(政治、経済、社会, 科学)
サダムフセインの処刑後、イラクでは連日自爆テロが絶えず、つい先日も100人を越える死者を出したテロがバグダッドで起こった。 スンニ派やアルカイダ系の過激派によるといわれるテロは激しさを増し、治安は悪化するばかりだ。 中間選挙で敗北し、有権者の信頼を失ったブッシュ大統領は、数万人の米兵の増派を発表したが、実現したとしてもイラクの治安が回復するとは思いがたい。 イラク統治は、開戦時の思惑とは全く逆に、混迷を深めつつある。 . . . 本文を読む
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