多文化共生のすすめ

Toward a Multicultural Japan

磐田市多文化交流センター

2006年04月03日 | Weblog
静岡県磐田市で、3月27日(月)に磐田市多文化交流センター完成記念式典が開かれた。

磐田市の外国人登録者は約9000人(うち7000人がブラジル人)で、人口(17万5千人)の5%を超える。磐田市は、2004年4月に多文化交流子育て支援センターを、市内中心部と市内一の外国人集住地域である東新町県営住宅の集会所の2箇所に設置していたが、今回、東新町住宅のすぐ脇に、2階建てのセンターを新築し、拠点を一本化した。

新年度は、月曜から金曜までの午前に親子遊び、午後に小学生の学習サポート(水曜は中学生)を行い、日曜の午前にポルトガル語講座、午後に日本語講座を開設する。さらに相談・情報提供(日曜午後にポルトガル語通訳)も行う予定である。

印象的だったのは、記念式典に大勢の子どもたちが参加し、大変にぎやかだったことである。スタッフの話では、何よりも子どもたちが自分たちの居場所ができることを心待ちにしていたという。また、私は、昨年3月にもセンターのスタッフとお会いしているが、皆、大変な情熱の持ち主で、市民のソフトと行政のハードがうまくかみあって、今回のセンターが誕生したといえよう。

磐田市は、全国に先駆けて、2005年4月に共生社会推進課に「多文化共生係」を設置している。また、2005年8月には多文化共生社会推進協議会が発足し、自治会、国際交流協会、商工会議所、企業、教育機関、外国人住民がメンバーとなり、地域、労働、教育の3部会に分かれ、協議を行ってきた。センター完成記念式典が行われた日の午前には、「磐田市における多文化共生社会実現に向けての提言」を市長に提出している。また、新年度から、市内の無認可保育園に対し、健康診断費や耐震工事費などを補助する制度を始める予定で、対象にはブラジル人など外国人向けの保育園も含まれるという。

磐田市は、外国人集住都市会議の設立当初からのメンバーである。多文化共生の取り組みは2003年度に始まったばかりで、お隣の浜松市に隠れて目立たないが、今、大変勢いのある都市である(多文化共生の取り組みが始まった経緯は、『自治体国際化フォーラム』2005年6月号掲載の「多文化共生への第一歩」参照)。