5月26日から28日にかけて、ブラジルのルーラ大統領が来日した。日本のメディアにはあまり取り上げられなかったが、26日に開かれた小泉首相との首脳会談では、国連安保理改革や資源エネルギー分野の経済協力の推進について協議が行われると同時に、27万人を超える在日ブラジル人の教育や社会保障の問題について、「在日ブラジル人コミュニティに関する共同プログラム」の実施が合意された。ルラ大統領は、28日には名古屋を訪問し、全国のブラジル学校校長など、在日ブラジル人コミュニティとの対話も行い、在日ブラジル人の生活環境改善への努力を約束したという。
1990年の入管法改定以降、日系人を中心とするブラジル人労働者が東海地方を中心に急増し、教育、医療、就労など様々な課題が生じており、現在、日本の外国人労働者問題の焦点となっている。2002年5月に浜松市を中心にブラジル人労働者の多い自治体が結成した「外国人集住都市会議」は、浜松宣言(2002年)、14都市共同アピール(2003年)、豊田宣言(2004年)と毎年、日本政府へ外国人労働者受け入れの体制づくりを求める提言を発表している。外務省も、2001年2月以来、毎年、ブラジル人労働者の受け入れをテーマとするシンポジウムを開催してきた。そのほか、日本経団連も2004年に「外国人受け入れ問題に関する提言」を発表しており、ブラジル人労働者受け入れに関する提言は出尽くした感があり、あとは政治的決断を待つばかりの状況にあった。
今回の両国政府の合意は、そうした方向に踏み出す最初の一歩とみてよいだろう。2008年は、日本人のブラジル移住100周年の年であり、「日本ブラジル交流年」である。これから、2008年にかけて、在日ブラジル人コミュニティの存在に大きな注目が集まることが予想される。この数年が在日ブラジル人の生活環境改善の最大のチャンスといえる。そうした動きを、在日外国人全体の受け入れ体制整備につなげていくことが重要であろう。
1990年の入管法改定以降、日系人を中心とするブラジル人労働者が東海地方を中心に急増し、教育、医療、就労など様々な課題が生じており、現在、日本の外国人労働者問題の焦点となっている。2002年5月に浜松市を中心にブラジル人労働者の多い自治体が結成した「外国人集住都市会議」は、浜松宣言(2002年)、14都市共同アピール(2003年)、豊田宣言(2004年)と毎年、日本政府へ外国人労働者受け入れの体制づくりを求める提言を発表している。外務省も、2001年2月以来、毎年、ブラジル人労働者の受け入れをテーマとするシンポジウムを開催してきた。そのほか、日本経団連も2004年に「外国人受け入れ問題に関する提言」を発表しており、ブラジル人労働者受け入れに関する提言は出尽くした感があり、あとは政治的決断を待つばかりの状況にあった。
今回の両国政府の合意は、そうした方向に踏み出す最初の一歩とみてよいだろう。2008年は、日本人のブラジル移住100周年の年であり、「日本ブラジル交流年」である。これから、2008年にかけて、在日ブラジル人コミュニティの存在に大きな注目が集まることが予想される。この数年が在日ブラジル人の生活環境改善の最大のチャンスといえる。そうした動きを、在日外国人全体の受け入れ体制整備につなげていくことが重要であろう。