最近の新聞報道によると、文部科学省は2006年度から2007年度にかけて、学習指導要領の改訂作業を行うという。
1998年に告示され、2002年度から施行された現行の学習指導要領には、外国人児童生徒への言及がまったくなされていない。僅かに、総則(小学校・中学校)の「指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」のなかに、「海外から帰国した児童/生徒などについては、学校生活への適応を図るとともに、外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うこと」(『小学校学習指導要領』5頁、『中学校学習指導要領』6頁)との一節があり、「海外から帰国した児童/生徒など」の「など」に「外国人児童」が含まれるという。
『小学校学習指導要領解説 総則編』を読むと、上記項目の解説として、3頁にわたる記述(106~108頁)があり、初めて「外国人児童」という言葉が現れる。ただし、ほぼ一貫して、「海外から帰国した児童」とセットで用いられてる。すなわち、「海外から帰国した児童や外国人の児童」について、「児童が自信や誇りをもって学校生活において自己実現を図ること」、日本語の習得や教科の指導における配慮が必要なこと、「外国での貴重な生活経験」を生かすこと、そして、他の児童が異文化を理解し共に生きていこうとする姿勢を育てることなどが述べられている。
公立学校で学ぶ帰国児童生徒の数は約1万人であるが、外国人児童生徒は約7万人(「日本語指導が必要」な児童生徒は約2万人)である。そもそも帰国児童生徒と外国人児童生徒の間には日本語学習など共通の課題もあるが、アイデンティティの問題など異なる課題もある。従って、外国人児童生徒を「海外から帰国した児童生徒など」の「など」に含め、帰国児童生徒と同様に、しかも副次的なものとして位置づけるのは無理があろう。この問題は、昨年11月に三重県四日市市で開かれた外国人集住都市会議でも議論された。
今後の改訂作業の動向に注目していきたい。
1998年に告示され、2002年度から施行された現行の学習指導要領には、外国人児童生徒への言及がまったくなされていない。僅かに、総則(小学校・中学校)の「指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」のなかに、「海外から帰国した児童/生徒などについては、学校生活への適応を図るとともに、外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うこと」(『小学校学習指導要領』5頁、『中学校学習指導要領』6頁)との一節があり、「海外から帰国した児童/生徒など」の「など」に「外国人児童」が含まれるという。
『小学校学習指導要領解説 総則編』を読むと、上記項目の解説として、3頁にわたる記述(106~108頁)があり、初めて「外国人児童」という言葉が現れる。ただし、ほぼ一貫して、「海外から帰国した児童」とセットで用いられてる。すなわち、「海外から帰国した児童や外国人の児童」について、「児童が自信や誇りをもって学校生活において自己実現を図ること」、日本語の習得や教科の指導における配慮が必要なこと、「外国での貴重な生活経験」を生かすこと、そして、他の児童が異文化を理解し共に生きていこうとする姿勢を育てることなどが述べられている。
公立学校で学ぶ帰国児童生徒の数は約1万人であるが、外国人児童生徒は約7万人(「日本語指導が必要」な児童生徒は約2万人)である。そもそも帰国児童生徒と外国人児童生徒の間には日本語学習など共通の課題もあるが、アイデンティティの問題など異なる課題もある。従って、外国人児童生徒を「海外から帰国した児童生徒など」の「など」に含め、帰国児童生徒と同様に、しかも副次的なものとして位置づけるのは無理があろう。この問題は、昨年11月に三重県四日市市で開かれた外国人集住都市会議でも議論された。
今後の改訂作業の動向に注目していきたい。