はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

ニホンマムシ

2020年08月15日 | 爬虫類・両生類のお話

 日本の代表的な毒ヘビ「ニホンマムシ」。

 マムシはアオダイショウやシマヘビなどに比べると、動きが遅いヘビです。

 人が近づいても、マムシはジィーッしていることが多いので、意外とマムシの存在に気づきません。

 アオダイショウや同じ毒ヘビのヤマカガシなどは、すぐに逃げ出すので、存在に気付く前に離れてくれることが多々あると思います。

 個人的な考えですが、マムシとしては、「静かにやり過ごそうとしている」のではないかなーっと思っています。

 

 動画でもニホンマムシについて、簡単ですが、紹介しているので、よろしければ、こちらもどうぞ。

森の知識はぐくMOVIE「ニホンマムシ」

 

 

 マムシは、周囲の色にとけ込むような色と模様なので、落ち葉が多い場所では、見つけにくい(>_<)。

 人が近づいても、素早く逃げない上、ジッとしていて、色と模様が周囲にとけこんで、見つけにくい

 結果、気づかないうちに「マムシと接近」というニアミスが起こり、咬まれる・・・という事例が多いのではないかと思います。

 捕まえようとして、咬まれる事例もありますが、一応、それは論外で(^_^;)・・・

 

 山菜やキノコを採ろうとした時。

 休憩しようと地面に手をついて、座ろうとした時。

 登ろうと岩の隙間に手を入れた時。

 など、地面に手を近づけたときに咬まれる事例が多いようです。

 

 他にも、素足+サンダルという状態で、茂みの中を歩いてガブッ、マムシの目の前を歩いたしまいガブッ、マムシを踏み付けてしまいガブッ、といった事例も。

 

 マムシに咬まれないための対策としては、

  ・長袖・長ズボン、手袋・靴下を着用し、素肌を露出しないこと。

  ・ハイカットの靴を履き、足下の咬まれる箇所を減らすこと。

  ・地面に手を近づけるときは、必ず周囲を確認すること。

  ・茂みなど視界の悪い場所を避けて歩くこと。

 

 なお、周囲にマムシがいないか、確認するときは、1m以上の棒などで地面を撫でるように、ゆっくりと振り回してください。

 上から叩き付けるように振り回すと、逆に、マムシを興奮させてしまいます。

 ヘビは地面を這う生き物なので、上からの攻撃には敏感です。

 なので、ヘビを見つけたら、1m以上の長い棒で、ヘビのお腹を優しくすくう様に押し出してあげると、あまり興奮させずに、ヘビを追い払うことができます。(というか、ヘビが自ら移動してくれます。)

 

 なぜ、棒の長さが1m以上なのか?

 ヘビの攻撃範囲は、体長の1/3~1/2と言われています。

 例えば、2mのハブなら攻撃範囲は約66cm~1m

 マムシの体長は最大で60cm程度なので、攻撃範囲は20~30cm。

 つまり、1m以上の長さの棒があれば、2m近くのヘビも十分に追い払うことが出来るからです。

 

 ちなみに、僕の師匠は、「マムシは、すれ違う直前に、一瞬、体を引くから、その音でわかる。」らしく、一緒に山へ行くと、よう捕まえていましたね・・・(^_^;)

 師匠の後ろを歩くとマムシを捕獲できないし、前を歩くと「見逃したな~」とからかわれる・・・そんな悔しい思い出が・・・(T_T)。

 あっ、でも、その音を意識しながら、毎日、山を登っていたら、分かる様になりましたよ(^o^)。

 今は、8割事務仕事なんで、その勘はほぼ失われつつありますが、調子が良いときは、その音を聞く(感じる?)ことが出来ます(^_^)v

 

 マムシの模様はくさり模様で、非常に特徴的です。

 この模様を見ると、何となく、ゾッとする方もいるんじゃないでしょうか?

 あと、お腹の模様も特徴的。(見たいからと言って、捕まえたりしないで下さいね。(^_^;))

Mamusi_hara

 マムシの特徴はクサリ型の模様に加え、しっぽが短いこと。

 まずは、くさりっぽい形した模様で、しっぽが短い感じのヘビと思ったら、直感的にマムシと覚えましょう。

 

 マムシの幼蛇も成蛇と似たような感じです。

 

 

 マムシのお顔はこんな感じ。

Mamushi_kao

 よ~く見ていただくと、目と鼻の間に、もう1つ穴があります。

 これが熱を感知する器官「ピット官」で、1秒間に千分の二~千分の三の温度差を見極めることが出来るそうです。

 

 そして、毒牙。

Mamusi_kiba02 

 大きな2本の前歯が毒牙です。

 この牙の中に毒腺があり、牙の先端に小さな穴があって、そこから毒が出てきます。

 牙に咬まれると、その穴から毒が注入される・・・ちょうど注射器のように毒が注入されます。

 注射器のように・・・といっても、牙の先端に穴があるわけではありません。

 人の指を牙に例えると、爪あたりの位置に穴があります。

 なので、マムシの牙をつっつくと、顔に向かって毒液が飛んできます・・・が、絶対にマネしないで下さい。

 

Mamusi_kiba01

 口の下側にある穴は、空気を吸うための管です。

 獲物を飲み込むときは、この管から空気を吸い込んでいます。

 

 マムシに咬まれると10~15分以内に痛みや腫れなどの症状が出てきますが、致死率は1%と非常に低いので、まずは、咬まれたら落ちつくこと

 これが1番大切です。

 興奮すると血流が早くなるので、毒の巡りも早まります。

 咬まれた箇所を心臓より高い位置にしたり、軽く縛る方法もあります。

 ただし、強く縛ると悪化する恐れもあるので、包帯など幅広いもので、軽く縛るようにします。

 毒を吸い出す「吸引器(ポイズンリムーバー)」があれば、それで毒液を吸い出します。

 絶対に、口で直接、毒液を吸い出すようなことはしないで下さい。二次感染につながる恐れがあります。

 あと、冷やす行為症状を悪化させるので、冷やさないで下さい

 咬まれたら、落ち着いて、すぐに病院へ搬送してください。

 「何もせず、落ち着いて、すぐに病院へ行く」が最大の処置とも言われています。

 

 処置も重要ですが、まずは咬まれないための対策と予防が一番重要です。

 そして、マムシを捕まえようとしないことです!

 

■関連記事■

 マムシ酒

 マムシのかば焼き

 

※2017年8月の記事を改編


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カシノナガキクイムシ サク... | トップ | ヤギ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

爬虫類・両生類のお話」カテゴリの最新記事