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夢王たちの饗宴ードラッグ戦争の痕でー■第3回 ●

2019年02月10日 | キング・オブ・ドリーム--ドラッグウォー
よく降りてこられました、ジェイ。 やっとあなたは下の世界へ辿りつかれたのです」  そいつには頭がなく円筒形の胴体から声が流れてくる。  
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夢王たちの饗宴ードラッグ戦争の痕でー■第3回 ●

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

 

第3回

キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■

■降下世界(多元夢世界のひとつ)■

 

 踊り場の様なのだが、それがとてつもなく広く続いているのだ。

 

もう、下へ降りるバーがなかった。

 彼は、降りてきた方を見上げてみた。

バーや踊り場が、じゃまになって上の「胎室」を隠してしまっている。

「胎室」は、この世界の住人が生れ落ちた場所のようだ。

 

 

彼は横にずっと移動する。仲間の死体が数多くころがっている。

 

何も存在するはずのない大空間に、巨大なモニターが出現し、

創造主の命令を表示する。

 

コード111 

下ノ世界二到着シタ個体ョリ、チューターヲ、用イ、教育ヲ開始セヨ″

 

「ジェイ」

 彼を呼ぶ声がする。

彼は今まで話をしたことがないので、単に音に反応したといった方がいいだろう。

 

ジェイは振り返った。

そこにはジェイが今まで見たことのない、

ジェイ達の体とは、まったく異なった姿形を持つ生物がいた。

 

 そいつがジェイに話しかけているのだ。ジェイは思わす、後ずさる。

 それにかまわず、銀色の三本足の、そいつは近づいてくる。

 

 「よく降りてこられました、ジェイ。

やっとあなたは下の世界へ辿りつかれたのです」

 そいつには頭がなく円筒形の胴体郎から声が流れてくる。

 

「お前は何だ」

 「これは失礼しました。私はチューター。あなたにチシキを与える

ものです。以後お見知りおき下さい」

 

 「そのチューターが、俺に何用があるというのだ」

 ジェイは自分自身が、言語を発している事にびっくりしていた。自ら

出す音が、体の中にも響いている。

 「本当の事を知ってほしいのです。あなたがおられるこの世界はタワーシップ

と呼ばれるものなのです」

 「タワーシップ?」

 ジェイは、わけのわからない事をしゃべるこの物体から逃れようとし

た。横に早く移動するのは初めての経験で苦痛だった。

「危ない」

 後ろから追ってくるそいつが叫んだ。

 

(続く)2016改訂●

キング・オブ・ドリーム-あるいは創造者の夢■

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

 


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