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源義経黄金伝説■第38回★

2013年09月17日 | 源義経黄金伝説
源義経黄金伝説■第38回★
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
Manga Agency山田企画事務所
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下野(しもつけ)国足利荘御矢山(みさやま)武神を祭る
御矢山神社の山々が揺れ動いているのだ。

やがて円形武技場の周りに、人の波が現れている。
結縁衆が、武技所のまわりと取り囲んでいる。

「よいか、頼朝様、我が手には、結縁衆がついておる。ご存じ
のとうり、京都王朝が成立する以前の日本全国におかれた方々
だ。その方々との縁も、この西行はもっておる。いかがかな。
ここは、この西行を、京都へすんなりと行かしていただけぬか」

西行が、流鏑馬の終わった武技場の中心で、頼朝に向かい叫んでいた。

「西行め、この仏敵め」
土段上にいる文覚が、叫んでいた。

西行が答える。

「文覚殿、よいか、平泉は仏教王朝ぞ、その仏教平和王国を、
この頼朝殿はつぶそうとして追われる。その考えを吹き込み
しは、広元殿か、あるいは、おぬし文覚殿か」

再び、競技場、土壇の武士の動きが激しくなった。家人、郎党
を呼び寄せ、戦支度を始めているのだ。一部は馬の止まりに走り
初めている。

この騒ぎに再び、あの声が朗と響いた。

「今は神聖なる祭りの時、場所でございます。双方とも武器をしまいな
さいませ。
ここでの戦さは不要、無用でございます。我々坂東武者は、日本の政治
(まつりごと)を正さんがため、挙兵し、平家を滅ばしました。

我々、これから日本の政を正しくおこさんが者たちが、商売や
芸事を生業とする民と戦うが、意味あることか、お考えなされ
ませ。我々、坂東が武者は、すべての民のため、正当なる政治
を行わんがため、打ち働かましょう。

今周りを取り囲みし方々も聞かれませ。
我らは、まっとうなる政治を打ち立てましょうぞ。
周りにおられる方々も、安んじて生活できる、たつきを与えましょう」

北条政子であった。

それを受け、流鏑馬道で、西行に向け、弓をひいていた頼朝が
弓を手からはずし、大声で叫んだ。

「よいか、皆のかたがた、聞いてくだされ。本年の御矢山御祭りは、この西行殿と頼朝の流鏑馬射合をもって終わりといたす。皆には元鎮守府将軍
藤原秀郷流の武芸を見ていただいた。これをもって領地への土産話とされよ」

あたりは、承服できない武士たちがいる。

再び、頼朝が告げた。
「よいか、領地に引き上げられよ。今ここで刃傷沙汰に及ぶは
我が鎌倉に、弓を引いたとみなす」

少しつつ、武技場から人の波が引いていく。

続く2012改訂
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