裏やまちゃんchronicle

日常も非日常もまだまだ続きます。

2005/05/01(日)ブリジストン美術館

2005年05月04日 | irregular diary
東京駅八重洲中央口を背に空を見上げれば、曇天模様だった。
信号を渡れば、連休で込み合っていた駅前が嘘のように人通りが少なくなる。
少し肌寒い。薄手のカーディガンを羽織る。
今からブリジストン美術館に行くのだ。
基本的に美術館へは、独りで行く。
誰かと行く時は、前後に独りで行く。
油絵は学生の頃に少し描いた事があるが、自分は絵の事などこれっぽっちもわからない。
好きか嫌いか、が判断材料の全てになってしまう。
月並みな事に、
“印象派”から“フォービズム”が好きだ。
ピカソ、ゴッホ、ゴーガン、シャガール、マティス、デュフィ、ロートレック・・・(順不同)
そしてモネの睡蓮は、純粋に美しいと思う。
睡蓮そのものよりも、水面に映る空模様に魅かれる。
(今回も、展示されていた睡蓮のポストカードを1枚、購入した。)
ただし、ルノワールには全く興味がない。
むしろ好きではない。あの肉肉しい感じが嫌いだ。
そんなとりとめのない事を考えながら、のんびり歩くこと5分程度でブリジストン美術館に着いた。
“印象派と20世紀の巨匠たちーモネ、ルノワールからピカソまで”
大人1枚と、音声ガイド1,300を払い、荷物をロッカーに入れエレベーターで2Fに昇る。
想像以上に空いていた。
同じものを上野で行えば、とてもこうは行かないだろう。
だから自分は、西新宿の損保ジャパン(旧東郷青児)美術館ともども好きなのだ。
今回の1番の目当ては、マティス版画集“ジャズ”
それから、猫の絵が素敵な、いつ見ても新鮮な藤田嗣治である。
日本では余りメジャーではないが、デュフィの“競馬場”“オーケストラ”も見る事が出来た。
・・・ここまでは、予定通りのreactionなのである。
実は今回1番良かったのは、ジョルジュ・ルオーの“郊外のキリスト”だったのだ。
ルオー=宗教画、という図式が既に自分の頭には出来上がっているので、全く興味がなかったのだが、何故だろう、この絵を見た途端、動けなくなってしまった。
油彩縦書きのカンバスに、極端な遠近法で描かれている低所得者の住む街角。
夜空には少し歪んだ満月が描かれ、その下に大人1人と子供2人の姿が描かれている。
音声ガイドによると、この3人は一見親子に見えるがそうではなく、地に降り立ったキリストとこの地に住む豊かではない子供達が描かれているとの事である。
ともすれば資本主義まみれになってしまいがちな自分を、本来の居場所を忘れないようにするためにも。
良く見える場所に飾ろうと、ポストカードを前述のモネの睡蓮とともに購入した。
美術館で絵を見る以上に、美術館から外に出た直後の、心元ない感じが好きだ。
非現実と現実のマーブル模様が、やがて現実に溶け合う。
パンフレットを見ると、2005/7/10までとある。
アノヒトと行きたいな・・・無理だな。
腕時計に目をやれば、次の予定までまだ間がある。
八重洲ブックセンターに行こうかな・・・。
ゆっくりと、東京駅の方向に歩き出した。

“印象派と20世紀の巨匠たちーモネ、ルノアールからピカソまで”
ブリジストン美術館 2005/7/10(日)まで。



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