マスクのまま他人のわかれ見ていたり 寺山修司
…などの句について、今週の週刊俳句(53号)に書きました。
寺山の句はやっぱり昔から好きで(しんじさんに書き手の原風景が分かる、と言われた)いつかはなんか書いてみたいと思っていたけれど、実際に書いてみると、いろいろな人(もちろん寺山本人を含め)によって築きあげられた寺山のイメージと戦っている感じになってきて、そこにくるみとられまいと必死にもがいてはみたものの、どこまでうまくいってるかはちょっと自分にも判然としない。
徒手空拳の若さ、青春性や、ふるさと、母に対する屈折した思いなどは、僕が書くまでもなく寺山の句には見え見えであろう。「密室」というキーワードを用いてスパッと切って見せた高柳克弘氏の評論「目つむりて」(「凛然たる青春」所収)はうまいこと言ったもんだよなあ、と今更ながらしみじみしてしまう。
しかし、冒頭の句の「マスクのまま」という暗い目をした言葉に言及できたところが自分の手柄かなあ、と思ってはいる。興味のある方はぜひお読みになってください。
×××
昨日はその週刊俳句のオフ会。
火星の人、火星の人、と会う人々に言われる(院での専門が火星なもので)。
ありがたい賞品(第二回週刊俳句賞)と、ありがたい言葉(主に火星がらみ)をたくさんもらった。ありがとうございました!
…などの句について、今週の週刊俳句(53号)に書きました。
寺山の句はやっぱり昔から好きで(しんじさんに書き手の原風景が分かる、と言われた)いつかはなんか書いてみたいと思っていたけれど、実際に書いてみると、いろいろな人(もちろん寺山本人を含め)によって築きあげられた寺山のイメージと戦っている感じになってきて、そこにくるみとられまいと必死にもがいてはみたものの、どこまでうまくいってるかはちょっと自分にも判然としない。
徒手空拳の若さ、青春性や、ふるさと、母に対する屈折した思いなどは、僕が書くまでもなく寺山の句には見え見えであろう。「密室」というキーワードを用いてスパッと切って見せた高柳克弘氏の評論「目つむりて」(「凛然たる青春」所収)はうまいこと言ったもんだよなあ、と今更ながらしみじみしてしまう。
しかし、冒頭の句の「マスクのまま」という暗い目をした言葉に言及できたところが自分の手柄かなあ、と思ってはいる。興味のある方はぜひお読みになってください。
×××
昨日はその週刊俳句のオフ会。
火星の人、火星の人、と会う人々に言われる(院での専門が火星なもので)。
ありがたい賞品(第二回週刊俳句賞)と、ありがたい言葉(主に火星がらみ)をたくさんもらった。ありがとうございました!
五十嵐秀彦です。
週刊俳句に発表の「両手をひろげて~『花粉航海』を読む」を、大変興味深く拝読しました。
抒情詩の性格を強く内包する寺山俳句を抒情面から鑑賞するという正面からの取組は、すばらしいと思いました。
近頃、まとまった寺山俳句論がなかっただけに、意味ある論考です。
特に、《世界が「われ」との関係から再発見されているのではなく、「われ」が世界との関係から再発見されている》とは、鋭い指摘です。
論末に拙論に触れていただき、ありがとうございました。
ご覧になってくださって、ありがとうございます。このようなコメントをくださったことも、大変励みになります。
秀彦さまの寺山修司俳句論を拝読して、論考の鋭さ(その多くは手法と分析方法の選択の鋭さ)に感激しました。正直、かなり説得された部分が多かったのですが、僕は僕で考えを書いてみたかったので、生意気にもあのような形で引用させていただくことになってしまいました。ご容赦願います。
寺山俳句については、読みやすいのに書きづらい、という典型みたいなもの、という認識があったので、とにかく書いてみたものの、何を言えているのか、という点に大きく不安を感じていました。
ですので、本当に励みになるコメントをいただきまして、うれしかったです。今後とも、よろしくお願いします。