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『消費税の大ウソ』-消費税上げなくていいんです-客観的でわかりやすい豊富な資料でウソを暴く

2012-03-31 00:58:05 | 世の中の状況について

   【2012年3月30日】

 『消費増税法案』が閣議決定されたと、夕刊で報じられた。テレビで、この件についてのコメントを求められた人の声が2通り報じられた。
 
 1つは、正直な見解で、要は『賃金が上がらないのに、これ以上負担が増えてはたまらない。』、『商売が成り立っていかない。』というもの。

 もう一つは、何とも《お人好し》というか《物わかりがいい》というか、日本人の《美徳》ともいえるモノで、『社会保障を維持していくためには、この際消費税増税もしかたないのでは。』という感想である。

 消費税が上がって得をする人などいないはずなのに、なぜ皆、正直に『消費税を上げてもらっては困る。そんなこと許さない!』と叫ばないのだろうか。
 2つめのコメントをいう人が、『自分はともかく、世の中全体のことを考えたら』とか『子どもの世代を考えると』とか口にするのを客観的な立場の意見だ、と捉えられると、始末が悪いというか、歯がゆい思いがする。

 『自己の立場だけでなく、相手の立場も考えて』行動したり、意見を言ったりすることは、大切なことだと思う。
 今回の震災のあと、外国人から見て《驚き》と受け取られた、《決してパニックにならない秩序を持った冷静な行動》は、確かに今の日本の国民の美徳だと思う。
 
 しかし、その行動や意見の前提となっている《事実》がゆがめられていたらどうなるのか。《しかたがない》と思っている《事実》が《大ウソ》だったら、どうなるのか。

 消費税増税を巡る論議の中で、この《大ウソ》がまかり通っているから、どうにもいたたまれないのだ。

 『社会の真実』を正しくとらえるには、それなりの知識もいるし時間も必要だ。個々人が、それを正しくとらえる努力も必要だが、仕事と生活に追われ、自分の時間もまともにとれない状況では、難しいというものだ。
 だから、マスコミの果たす役割は大きいといえるが、そのマスコミのこの間の《ていたらく》ぶりはひどすぎる。

 『消費税』の問題も『TPP』の『原発』も《右へならえ》である。野田総理大臣がどんなバカなことを言っても、それに批判のメスを入れようとはしない。(個々の記者は、そう考えても、どこかで潰されるのだろうが。

 何が『原発問題の終息宣言』だ。何をもって『TPPのどこが日本に活力を与える』といえるかだ。何でまた『日本国民に説明する前に、世界に消費増税の公約』をするのかだ。
 何もかもむちゃくちゃなのに、大手マスコミはけんか両成敗どころか、中身も示さず、《なあなあ》ですませ、その間にこっそり大企業の思惑を忍び込ませている。

   ○      ○      ○

 上の紹介の本は、消費税に関して、《どんな立場に立っても増税の根拠が全くない》ことを明らかにしている。

 『全体を考えないでその場限りの判断するのでなく、長期的にみて、あるいは、個々の利害を離れて、大きな視野に立って』、政策は決定されるべきなのに、野田総理はそのフリをするだけで、内実は全くのペテンである。
 さもなくば、以前にも言ったように、日本の今の首相はとんでもない大バカである。

 政界には、真実にそっぽを向きながら、政略のために《口先だけの消費税増税反対》を唱える輩もいるからややこしい。

 著者が『はしがき』にも書いてあるように、『消費税が上がると生活が厳しくなるからいやだけれども震災復興のために消費税増税はしかたない、福祉を充実させるためには消費税を上げるしかない、そう思っているみなさんにこそ、ぜひ読んでもらいたいと思っています。』と。
 

 わたしも全くそのように思います。



 

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