青い空を見ていたら
浮かんだ 青い公衆電話
ずっと昔のこと。
冬の夜
シャンプーで濡れた髪のまま
コイン握り締めてドアを開けると
濡れた髪は凍ったように
すぐにシャリシャリと音を立てたよ。
小走りで五分
駅の公衆電話。
聴かれたくない話じゃなくても
家の居間の電話では話したくなかった。
せめて玄関に電話があったならと
今時 考えられないような
可愛らしい望み。
いつもコインを入れるとき
深呼吸してた気がするんだ。
3分間が過ぎてコインが落ちる前に
音が鳴ったよね?確か。
慌ててコイン入れて また話して
何枚のコインで
彼と話したんだろう。
でも終わるときの「さよなら」は
曇った電話ボックスのガラスに書いただけ
声には出来なかった。
私はいつも言わなきゃいけないことを
声には出来なくて
いつも紙とペンが必要になるんだ。
今もあまり変わらないな。
あの電話ボックスの公衆電話が
青かった気がするのは
わたしの記憶違いかな・・・。