司法書士伊藤弥生の好好学習天天向上

日々の司法書士業務に関してあれこれ備忘録など。

法人が登記申請人になる場合の注意点

2024-01-17 11:04:28 | 不動産登記

法人が不動産登記の申請人(権利者、義務者)になる場合、会社法人等番号を提供すれば当該法人の登記事項証明書は添付しなくてもよいという取扱は、数年前から運用されているところです(印鑑証明書も同様)。

ところが不動産登記を申請中に、当該法人が法人の登記記録について何か登記申請をしている場合には、法務局側で法人の登記内容を確認出来なくなるので、法人登記が完了するまで、不動産登記手続きが進まない事態が発生するわけです。そのような場合には、会社法人等番号を提供せず、3カ月以内の当該法人の登記事項証明書を添付すれば、法人登記完了を待たずスムースに手続きが進みます。

事前に知らせてくれればいいのですが、そうでない場合の方が多いでしょう。決済が絡まないケースはまだいいですが、絡むケースではその辺りもこちらからしっかり確認する必要があります。特に代表者の変更となれば、取下げの対象になってしまいまので、注意が必要です。その場合には、新代表者の名前で登記の委任状を貰うべきでしょう。


(根)抵当権設定契約書を抹消登記の登記原因証明情報とする場合

2024-01-12 10:29:44 | 不動産登記

(根)抵当権の抹消登記をする際に、設定契約証書を登記原因証明情報とすることも可能です。

登記識別情報通知が発行されなかった登記済証時代のものであれば、法務局の登記済の印鑑が押印され受付番号も特定されているので、設定契約書に「年月日、本契約は解除した。(根)抵当権者の表示、印鑑」の旨が記載されていれば、登記原因証明情報として使用できます。

これに対し登記原因証明情報通知が発行されている場合には、法務局の登記済の印鑑が押印されていないので、受付番号もわかりません。その場合には「本証書に基づく(根)抵当権設定契約(令和〇年〇月〇日〇〇地方法務局受付〇号登記済)は、令和〇年〇月〇日解除した。(根)抵当権者の表示、印鑑」のように受付番号が記載されたものであれば、登記原因証明情報として使用できます。受付番号で特定されていないものは、登記原因証明情報の適格性を欠いてしまうので、別途司法書士の方で、「年月日〇〇地方法務局受付〇号登記済」といった旨の記載をする必要があります。また受付番号で特定するのではなく、不動産の乙区順位番号で特定することも可能です。


分筆登記前の売買契約

2024-01-11 09:54:55 | 不動産登記

土地を分筆する前の売買契約も有効な契約として成立します。

契約書には「〇〇市〇〇1-2の一部、宅地、100㎡(分筆予定の地積を記載)」のように記載されているかと思いますが、この状態で登記手続きは出来ませんので、売買の登記は分筆登記が終わってからになります。

そこで分筆登記前の日付を売買の日付と出来るかどうかですが、これも問題ありませんので、分筆登記前の日付で売買の日付とすることは可能です。