司法書士伊藤弥生の好好学習天天向上

日々の司法書士業務に関してあれこれ備忘録など。

利益相反取引に該当する場合の議事録の記名押印について(取締役会非設置会社等)

2021-06-03 11:19:40 | 不動産登記

不動産登記においてその取引が利益相反に該当する場合、利益相反取引の承認を受けなければならず、その書面も申請書類(第三者の承諾を証する情報)として添付する必要がありますが、今回はその承認機関が株式会社の取締役会非設置会社や有限会社の場合で、株主総会となる場合について纏めておこうと思います。

利益相反取引の当事者となる株主である取締役は、株主総会で議決権を行使することは出来ます。また特別の利害関係を有する者が株主総会の議長となることも出来ます。

株主総会議事録には作成者が記名押印する必要がありますが、議事録作成者以外の出席取締役、監査役については記名押印は不要で、更に議事録作成者以外の出席取締役、監査役について印鑑証明書も不要です。

要するに議事録作成者の記名押印だけあればよく、議事録作成者の印鑑証明書(通常は会社の実印と印鑑証明書)があればよいということです。

もし議事録作成者以外の出席取締役も記名押印していたら、その人の実印と印鑑証明書も必要になるということでしょうか??

 


株式会社の補欠監査役の任期

2021-06-02 09:55:15 | 商業法人登記

株式会社の監査役の任期は、「選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとする(会社法336条1項)。」と定められています。

任期については、公開会社ではない会社は定款で10年まで伸長可能ですが、取締役と違い短縮することは出来ません。

さて、ある監査役が任期途中で退任し、その後任として選任された監査役の任期はどうなるのか。

①補欠として選任されたこと ②定款で任期を前任者の残存期間と定めていること

この2点の条件を満たしていれば補欠監査役として、前任者が本来退任すべき時期に退任することになりますが、そうでなければ原則通り4年の任期となります。

監査役が任期途中で辞任等により退任し、後任者が選任されたとしても後任者の任期が当然に補欠規定を適用されるわけではないので注意が必要です。