4月30日に解散した会社について「2か月経過しているから、6月30日に清算結了したい」と問い合わせがありました。いや2か月経過していないんじゃないかと思い、確認してみました。
「株式会社の清算人が、その就職の日から2か月以内にする清算結了の登記申請は受理できない」という登記先例がありますので、解散し清算人が就任してから2か月経過していないと清算結了の登記は出来ませんが、その起算日等について確認したいと思います。
4月30日付で解散し清算人が就任していますので、翌日の5月1日から起算し、2か月の応当日は7月1日となります。応当日の前日である6月30日の24時をもって2か月の期間が満了となるため、最短で7月1日付の清算結了登記申請が可能となるわけです(民法140条から143条の期間計算の条文参照)。
しかしここで落とし穴がありました。
今年(令和4年)の4月30日は土曜日だったのです。清算期間の起算日に関する次の先例があります。
「商法(旧商法)421条第1項ただし書に規定する期間の起算日は、第1回の公告の日の翌日から起算するのが相当である」
つまり債権者に対する官報公告のことですが、となると公告日の翌日が起算日となります。
官報公告はお役所と同じく、土日、祝日年末年始はお休みです。
4月30日(土)はお休みで翌日の5月1日(日)もお休み。5月2日(月)が最短の公告日ですので、その翌日5月3日が起算日となり、2か月の期間の応当日は7月3日。応当日の前日7月2日(土)が期間満了日となりますので、最短で7月3日付清算結了の登記申請が可能となります。ちなみに民法142条により、応当日前日の期間満了日が、日曜または祝日にあたる時は、満了日が翌日になるので注意が必要です。
結果的に7月31日付で清算結了の登記をすることになったので、日付の問題は全くなくなったのですが、以前同じように清算結了の期間計算を間違い、補正をした苦い経験があります。税理士が入っていたわけではなく、日付を訂正しても特に問題にならなかったので良かったものの、細かいところですが、注意しなくてはいけないところです。