河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
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畑――ネギ

2022年10月03日 | 菜園日誌

スーパーで買ってきた青ネギ(葉葱)の根を切り取ってプランターに植えておくと、みるみる葉っぱが伸びてくる。
そのイメージがあるのか、ネギの種を植えてニ、三か月ほどで大きくなると思われがちだ。
ところがどっこい半年かかる。白ネギ(根深葱)にいたっては一年。
葉を食べる野菜としては栽培期間が長いので、露地植えの白ネギの農薬散布の平均は8~12回にもなる。
ドエッと驚くが、ご安心を。関西でよく食べられる青ネギは、ビニールハウスの中で防虫ネットをかぶせた水耕栽培なので農薬は0~1回。
家庭菜園では植える量が少ないし、良いところを選んで食べるので心配ない。
9月中旬に蒔いたネギはまだ8センチほど。あと一か月ほど育苗して10月下旬頃に畑に定植する。
食べることが出来るのは3月以降になる。

ネギの根の付け根の少し膨らんだ部分が茎(鱗茎)で成長点がある。成長した葱は鱗茎が大きいので、植えても成長が早い。球根を植えているようなものだ。
そう考えるとネギがユリ科とうのも納得できる。滋養強壮のスタミナ野菜のニンニクもユリ科だ。
当然ネギも栄養豊富。漢方では白い部分に弱い発汗作用があるので、頭痛、悪寒、冷えによる腹痛や下痢に用いる。
料理では薬味として使われることが多い。

漢方薬(煎じ薬)はいくつかの素材を調合して処方される。その一つひとつの素材を「薬味」という。たとえば、葛根湯は葛の根や生姜(ショウガ)など七つの薬味が使われている。
煎じ薬の中には苦いものもある。そんなとき医者が、「飲みにくいようでしたらショウガをすっていれなさい。味が変わりますよ」と言う。
どこの家にもあるショウガという薬味を一つ加えるので、これを「加薬味」という。
それからショウガを「加薬味」「薬味」と呼ぶようになる。

江戸時代になり、蕎麦と饂飩が全国に広がったとき、香辛料として入れるおろし生姜だけでなく、おろし大根、おろしワサビ、きざみネギ、唐辛子もまた「薬味」と呼ぶようになった。
ちなみに、かやくご飯の「かやく」は「火薬」ではない。加薬味の「加薬」である。


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