河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

ちょっといっぷく5

2022年02月16日 | よもやま話

こんな上方小咄があります。

 縁日に行くと、植木屋の店がある。

客 「植木屋、ここにある種はちゃんと育つか?」

植 「へい、そらもう大事に世話してもろうと、立派に育ちます」

客 「そうか。ちゃんと芽はでるか?」

植 「へい! 立派な芽が二つ出ます」

客 「葉っぱは出るか?」

植 「大きな葉がたくさん出ます」

客 「花は咲くか?」

植 「きれいな花が咲きます」

客 「実はなるか?」

植 「へい、二つの実(み・み)がなります」

客 「そしたら買お!」

 これだけなら分からないのですが、「目・歯(口)・鼻・耳」の順に書き、最後は丸で囲むと「顔」になります。

 一粒のタネを蒔き、大切に世話をして育てると、花が咲き、実がなります。

 同じように、一つの願い事をいつも心にとどめて念じ、大切に育てると、やがては物事を成し遂げることができます。

 念ずれば花開く。花開けば必ず真実を結ぶ

 これは道元禅師というお坊さんの言葉です。 

 ちなみに、願い事を口で十回となえると「叶」そうです。

※道元禅師=鎌倉時代初期の禅僧 。曹洞宗の開祖 。

※小咄を演じるときは、黒板などに、植木屋の言葉の順に書いていきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする