拉致と言うなら、半世紀前、わが国は韓国朝鮮から、数十万人の壮丁(そうてい)を「勤労動員」と称して「拉致」して来たのだ。
たとえば、相模湖畔に二千体、秋田の鉱山に三千体など(さらに北海道には無数)の遺体(遺骨)が埋められているという。
目黒区の祐天寺にも千体以上が納められていて、そのうち身元確認可能な百体が、このたびようやく、韓国に里帰りすることになった。
拉致問題の根本解決には、まず日本側が「借り」を返すことから始めねばならない。
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思想はすべて実現してその終末に達するものなり。人その思想の実現を見て、彼はすでに彼の最終期に達せしなり。
つねに若からんと欲せば、つねに実現せられざる思想をいだかざるべからず。青年は夢想する人なり。夢想つき、利害を知覚するにおよびて、彼は老物と化せしなり。
つねにインポシブル(不可能)を計画する人、つねに大改革を望む人、つねに詩人的にして夢想する人、つねに利害の念にうとき人、つねに危険を感ぜざる人、これ青年なり、壮年なり。
すでにポシブル(可能)を計画し、すでに温和主義を主張し、すでに散文的にして実務に着目し、利害の念にするどく、脚下に注意するものは、彼の齢(よわい)を重ぬる幾回なるを問わず、彼は老物にしてすでに廃棄物なり。 (内村鑑三)
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