ヲノサトル責任編集・渋東ジャーナル 改

音楽家 ヲノサトル のブログ

公園と男の宝石屋

2009年02月21日 | 日常


上天気なので、思い立ってお弁当を作り、息子と駒沢公園へ足をのばす。

東京って「自然」がない、と言われがちだけど、公園や各種施設のような「人口の自然」に限って言えば,むしろ地方都市よりも多いのではないだろうか。うちから気軽に出かけられる範囲でも、代々木公園・駒場公園・有栖川公園・自然教育園など、けっこう大きな緑地はたくさんある。

駒沢公園はやや遠いけど、それでもパッと思いついて繰り出せる圏内ではある。こちとら既に相当「遠足慣れ」しているので、いつだって「お出かけセット」はスタンバイしているし。

現地に着くと、さっそく陽当りの良い芝生に敷物を広げる。ひとしきり飲み食いした後は、ボール遊びやどんぐり拾い。
息子が大きくなると、遊びのバリエーションも少しずつ広がってきて楽しい。もっと大きくなったら一緒に遊んでもくれなくなるのだろうけど。

しばらくして機材を撤収し、すぐ近所に住む佐々木アニキ邸を襲撃。
しばし優雅なコーヒーブレイク。

+ + +

その後、佐々木さんは電動ドリルを購入するつもりだと言い出す。彼のクルマで成城のホームセンターまでドライヴ。東宝スタジオ敷地内というなかなか渋いロケーションである。

それにしてもホームセンターだの工具店だのといった店舗には抜群の引力がある。男子限定だが。

酒豪・川上某君の名言に「寿司は男のスイーツ」というのがあった。至言!

さしずめホームセンターは男の宝石店か。女子にとってのデパートやブティックにも匹敵するサンクチュアリだ。

棚に陳列されたドライバーだのペンチだのハンダゴテだのといった無骨な品々をいちいち手にとっては「これは5mm径か」「これはプラスチック用か」「ドイツ製は、やはり違いますな!」などとブツブツつぶやきながら仔細に点検する姿は、ブティックであちらのブラウスこちらのスカートと試着を繰り返す女子像に近いものがある。

「実用品」とは言い訳にすぎない。とにかく好きなんだよね、そういうツールが。

もちろん人によってフェティッシュの対象は、工具だったり楽器だったり模型だったりと千差万別だが。興味のない者から見たら「んなもん、どれだって同じだ同じ!」と後頭部を殴りつけたくなるような、似通っていながら微細に違った品々を愛玩する嗜好というものは、男子ならたいがい持っているだろう。

女性は「自ら」を対象として、自らを飾り自らを変えてくれる洋服や宝石や化粧品といった品に興味が向かうようだ。

一方、男性は自分が操作できる「対象」としてのクルマや時計や各種ツールに興味が向かう。

こうした性差は、たとえば女性誌と男性誌の見出しを見比べても歴然としている。

が、それはまた別の話。

とりあえず今日の当方は、様々な工具や文具を仔細に眺め熟慮した結果、予備のガムテープ3つに油性ペン5本という、まことに無味乾燥な品物を購入する。ちなみに息子が選んだのは象さんの形をしたジョウロ。

彼の方が若干、面白みのある買い物ではあった。



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