多摩美『映像メディア論』今日はアニメCM特集。
いやアニメに関しては多摩美の学生の方が僕なんぞより100万倍ギークなのではないかとも思うが、そこはそれ、単に"知ってる"のと、情報として分類整理検討する作業は違うということで、ま、講義する意義もあろうかと。
そして午後はVACワークショップ。あのコスプレゼンでスタートした自主企画オープンキャンパス展示の進展をみにいくが、どうも企画が膠着している様子。なんだか学生の顔が暗い。何かをノリノリで作っているとき特有のハツラツしたグルーヴが、どうも感じられないのだ。
プロデューサーに話をきいてみると、結局、全員の合意点を探るうちに、「とにかく面白いから実現したい」という作品ではなく、「様々な条件をクリアするためにこうならざるをえなかった」というレベルの作品に落ち着いてしまいつつあるようだ。悪しき民主主義の弊害。
大勢で検討すれば、どんな素晴らしいアイディアだって「面白くない」とか「できっこない」と否定する人間が必ず出てくる。そこをゴリ押しして一点突破的な個人の妄想をかたちにしなければ、面白いものはできないのだが。皆そこまで唯我独尊でもないから、「確かにできっこないよね…」とか弱気になって、アイディアを撤回してしまう。結果的に、せっかく出たアイディアを取り消して一から考え直したりするダッチロールの繰り返しとなる。
今日はたまたま卒業生が来学していたので、急きょ彼女をゲストに迎えて、企画の突破口を探る「トークショー」をやってみる。
こむずかしいコンセプトがどうこうではなく(いやコンセプトメイクについてはその重要性についてずさんざん指導してきたけれども)単純に、美大ってどんなところだろうと訪ねてきた高校生とか、たまたま観に来た親戚のおばちゃんとかが、展示会場のドアを開けたとき「うわー、すごい!」と驚き、感動してしまうようなものを、集団の力技でつくってみせてほしい。と個人的には思うのだ。
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