げんごろう。1月29日永眠。17歳。おいらの家では15年間。
弟は、どうしても生き延びさせてやりたいと、
休診だった医者に無理を承知で頼み込み診てもらったらしい。
母さんは「家で静かに死なせてやれ。」
と、言ったらしい。
母さんのいうことももっともだし、弟の気持ちも十二分にわかった。
みんな、げんさんを思っていたんだなぁ。
仕事を終わらせ、小雨の降る中、実家に戻った。冷たくなったげんを触るや、
どっと内に溜めていたものが涙と共にあふれ出て、しばらく止まらなかった。
げんはピアノが好きだった。あまり巧くないおいらのピアノ。弾くとどこからか
やってきてピアノの上に乗っかる。そのまんま、聞き入っていることがあったっけ。そういえば就職するくらいから4,5年、ピアノをげんさんに聴かせていなかったなぁ。げんは大好きだったのに。。。
もう元に戻れないんだ。もう取り返しは効かない。せめて荼毘に付す前に聴かせてやろう!そう思い、すぐさまピアノに向かう。
母と弟はげんさんのお別れ会をやったらしくて、酒を呑んでベロンベロンになっていた。げんの好きだった(というかほぼ、おいらはこの曲しか弾かなかった。)
『月の光(ドビュッシー)』をゆっくりとかみ締めながら弾き始める。
弾いていると母と弟も起きだしてきた。
「ああ。なんで死ぬ前に聴かせてあげられなかったんだろう。」そう思うと涙が止まらなくなった。母も弟も泣いていた。
げんにはきっと届いていた。久しぶりのピアノ。つっかえつっかえでテンポもグチャグチャ。おまけに泣いてたし、聴けたものじゃない。
「へたくそや」
そうダメ出しをしながら空に昇って行ってるみたいで。
げんさん、ありがとな。おいらもげんの様に自由奔放に生きていくよ。
弟は、どうしても生き延びさせてやりたいと、
休診だった医者に無理を承知で頼み込み診てもらったらしい。
母さんは「家で静かに死なせてやれ。」
と、言ったらしい。
母さんのいうことももっともだし、弟の気持ちも十二分にわかった。
みんな、げんさんを思っていたんだなぁ。
仕事を終わらせ、小雨の降る中、実家に戻った。冷たくなったげんを触るや、
どっと内に溜めていたものが涙と共にあふれ出て、しばらく止まらなかった。
げんはピアノが好きだった。あまり巧くないおいらのピアノ。弾くとどこからか
やってきてピアノの上に乗っかる。そのまんま、聞き入っていることがあったっけ。そういえば就職するくらいから4,5年、ピアノをげんさんに聴かせていなかったなぁ。げんは大好きだったのに。。。
もう元に戻れないんだ。もう取り返しは効かない。せめて荼毘に付す前に聴かせてやろう!そう思い、すぐさまピアノに向かう。
母と弟はげんさんのお別れ会をやったらしくて、酒を呑んでベロンベロンになっていた。げんの好きだった(というかほぼ、おいらはこの曲しか弾かなかった。)
『月の光(ドビュッシー)』をゆっくりとかみ締めながら弾き始める。
弾いていると母と弟も起きだしてきた。
「ああ。なんで死ぬ前に聴かせてあげられなかったんだろう。」そう思うと涙が止まらなくなった。母も弟も泣いていた。
げんにはきっと届いていた。久しぶりのピアノ。つっかえつっかえでテンポもグチャグチャ。おまけに泣いてたし、聴けたものじゃない。
「へたくそや」
そうダメ出しをしながら空に昇って行ってるみたいで。
げんさん、ありがとな。おいらもげんの様に自由奔放に生きていくよ。