日本時間の11日午前2時から基調講演が開始されるWWDC 2013ですが、会場に設営された「OS X」のバナーには驚くべき背景が用いられています。
「Helvetica Neue / Ultra Light」フォント・ウェイトでタイプされた「X」の後ろには、迫りくる波と… “あの色” 。深読みと言われるものではありますが、「ボンダイブルー」を連想せざるを得ません。
低迷するアップルにスティーブ・ジョブズ氏が復帰した後、カラフルなiMacの登場で一世を風靡し、そこから逆転劇が始まったといっても過言ではありませんが、その時のキーカラーになったのが「ボンダイブルー」です。
オーストラリア・シドニー ボンダイビーチ 波乗りでも有名
実はこのボンダイブルー色、オーストラリアの「ボンダイビーチ」の色になぞった造語です。波乗りでも有名なビーチで年間を通して高い波が押し寄せています。そんなバックストーリーがあるだけに、高波にボンダイブルーの組み合わせを採用したバナーには深い意味を感じてしまうところですが、WWDC 2013を間近に控えた興奮による影響でしょうか。
Appleの復活劇はここから始まる
事実上更迭されたスコット・フォーストール氏の後には、チーフデザイナーのジョナサン・アイヴ氏がソフトウェアデザインの担当も兼ねており、OS X 10.9でもその役割を果たしています。
故スティーブ・ジョブズ氏と固い絆で結ばれていたアイヴ氏ですが、ジョブズ氏亡き後にチーフとしてソフトウェアのデザインまで手掛けることになった今日、その出発点でもあるOS X 10.9にかける密かながらも荒波のように力強い想いがこのキーイメージに表れているのかもしれません。
OS X 10.9に何か大きな変化があるのか、それとも意志を示したものなのか、または全く無関係なのか。アップルのイベントはバナー1つでも物語の背景を楽しませてくれる要素を兼ね備えており、そんなところにファンの心を惹く秘密があります。