10日、関西電力が新たな電力供給見通しを出してきた。
曰く、大飯原発が再稼働すれば今年の電力見通しはわずかにプラスになるという試算だが、無茶苦茶な数字だ。昨日、日経新聞で大阪府市エネルギー戦略会議の委員である村上憲郎グーグル元日本法人社長が「奇妙な関電の試算」としてそのバカさ加減を指摘していたが、それと同じ類のもののようだ。
村上氏が指摘していたのは、関電はこの夏、495万Kwが不足する。これは大飯原発3、4号機の合計発電総量236万Kwよりはるかに上回る。再稼働しても足りないはずなのに、次のように説明したという。
(1)大飯原発が再稼働させてくれれば、不足すると考えている残りの260万Kwはできまる。
(2)原発の稼働によって揚水発電を130万Kw上積みできる。
(3)残りの130万Kwはなんとかする。できると思う。
まったく、馬鹿らしい、インチキ、ペテンな物言いだ。
要は、揚水発電を原発が動けば上積みできるというのだ。上積み前の揚水発電は239万Kwなのだが、これは、どうやってダムに水をくみ上げたのだろうか。もちろん、火力なりの「非原発発電」のはずだ。要は、本気で、最大限の努力をしない数字。経営努力しない数字、さぼりの数字を出してきているのだ。揚水発電は最初からフル発電させていないのだ。
また、(3)の残りの130万kwはなんとかする。というのはどういうことか。大飯を再稼働できれば、隠していた隠匿発電を出しますといっているのだ。
こんなペテンの数字を出す関西電力は株主になんと説明するのか。もはや関西電力は株式上場の資格を自ら捨てたといってもいいのではないか。
余りにもハラが立ってきた。冷静にならねば。
もう一度おさらいしよう。
関西電力の今年の夏の見通しを見てみよう。
■関電管内の今年夏の電力見通し
(1)大飯再稼働せず(政府試算)
原子力 0
揚水 239
火力 1923
水力 254
融通など 126
供給力合計 2542
ピーク電力 2987
電力過不足 ▼12・9%
(2)大飯再稼働(関電試算)
原子力 236
揚水 449
火力 1923
水力 254
融通など 126
供給力合計 2988
ピーク電力 2987
電力過不足 0・0%
そもそも、この数字自体が不思議だ。火力が1923万Kwとなぜか、関電の供給能力を上回る数字が提示されている。ここで、すでに他社受電の数字を加えて、別項目を立てるべき他社受電の数字が大きくならないようにとの統計上の操作がされているようだ。政府はすでにこの段階で関電の数字をそのまま右から左ヘ流しているだけのようだ。
広瀬隆氏が教えてくれるように資源エネルギー庁のデータをもとに計算すると次のようになる。
■今年の夏の関電の本当だろう電力見通し
原子力 0
火力 1456 →関電の供給能力から休止している宮津と多奈川の195万Kwを差し引いた能力
水力・揚水 816
他社受電 670 →2012年1月の実績数値
融通など 300 →中部・四国・北陸・中国から各々100万Kw
供給力 3542
最大ピーク 3095 →2011年の猛暑時の数値
電力の過不足 15%余力
以上のように関西電力の今年は完全に大丈夫なのだ。そもそも、最大限の供給努力をしないで、足りない足りないと言い募るだけの関西電力経営者は既に経営者失格なのだ。こうした企業には市場で客観的評価を与えてしかるべきだろう。
その関電の電力足りない合唱に煽られずに、「関電はちゃんと供給義務を果たせ」と正論を言える企業経営者の出現しないのが不思議だ。
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福島原発事故民間事故調査委員会の「東電撤退」場面はスリリングだ。
曰く、大飯原発が再稼働すれば今年の電力見通しはわずかにプラスになるという試算だが、無茶苦茶な数字だ。昨日、日経新聞で大阪府市エネルギー戦略会議の委員である村上憲郎グーグル元日本法人社長が「奇妙な関電の試算」としてそのバカさ加減を指摘していたが、それと同じ類のもののようだ。
村上氏が指摘していたのは、関電はこの夏、495万Kwが不足する。これは大飯原発3、4号機の合計発電総量236万Kwよりはるかに上回る。再稼働しても足りないはずなのに、次のように説明したという。
(1)大飯原発が再稼働させてくれれば、不足すると考えている残りの260万Kwはできまる。
(2)原発の稼働によって揚水発電を130万Kw上積みできる。
(3)残りの130万Kwはなんとかする。できると思う。
まったく、馬鹿らしい、インチキ、ペテンな物言いだ。
要は、揚水発電を原発が動けば上積みできるというのだ。上積み前の揚水発電は239万Kwなのだが、これは、どうやってダムに水をくみ上げたのだろうか。もちろん、火力なりの「非原発発電」のはずだ。要は、本気で、最大限の努力をしない数字。経営努力しない数字、さぼりの数字を出してきているのだ。揚水発電は最初からフル発電させていないのだ。
また、(3)の残りの130万kwはなんとかする。というのはどういうことか。大飯を再稼働できれば、隠していた隠匿発電を出しますといっているのだ。
こんなペテンの数字を出す関西電力は株主になんと説明するのか。もはや関西電力は株式上場の資格を自ら捨てたといってもいいのではないか。
余りにもハラが立ってきた。冷静にならねば。
もう一度おさらいしよう。
関西電力の今年の夏の見通しを見てみよう。
■関電管内の今年夏の電力見通し
(1)大飯再稼働せず(政府試算)
原子力 0
揚水 239
火力 1923
水力 254
融通など 126
供給力合計 2542
ピーク電力 2987
電力過不足 ▼12・9%
(2)大飯再稼働(関電試算)
原子力 236
揚水 449
火力 1923
水力 254
融通など 126
供給力合計 2988
ピーク電力 2987
電力過不足 0・0%
そもそも、この数字自体が不思議だ。火力が1923万Kwとなぜか、関電の供給能力を上回る数字が提示されている。ここで、すでに他社受電の数字を加えて、別項目を立てるべき他社受電の数字が大きくならないようにとの統計上の操作がされているようだ。政府はすでにこの段階で関電の数字をそのまま右から左ヘ流しているだけのようだ。
広瀬隆氏が教えてくれるように資源エネルギー庁のデータをもとに計算すると次のようになる。
■今年の夏の関電の本当だろう電力見通し
原子力 0
火力 1456 →関電の供給能力から休止している宮津と多奈川の195万Kwを差し引いた能力
水力・揚水 816
他社受電 670 →2012年1月の実績数値
融通など 300 →中部・四国・北陸・中国から各々100万Kw
供給力 3542
最大ピーク 3095 →2011年の猛暑時の数値
電力の過不足 15%余力
以上のように関西電力の今年は完全に大丈夫なのだ。そもそも、最大限の供給努力をしないで、足りない足りないと言い募るだけの関西電力経営者は既に経営者失格なのだ。こうした企業には市場で客観的評価を与えてしかるべきだろう。
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