続・軍務尚書の戯言

国際情勢や医学ニュースに関して日々感じたことを残すブログです。

困ったチャンの国・北朝鮮~21世紀に出現した王国~

2005-05-25 08:25:15 | 国際情勢
拉致被害者の家族会が,北朝鮮に対する制裁発動を政府に申し込んだとのこと。

拉致被害者のご家族の方々には大変申し訳ないのだが,日本政府が効果的な経済制裁を発動する可能性は皆無だ。
なぜなら日本だけでなく中国,韓国,ロシア、アメリカと6か国協議の構成メンバーは金正日体制が崩壊してもらっては非常に困るからであり,6か国協議は北朝鮮に対し圧力をかけ対話を促す場ではなく,いかに金正日体制を維持するか,金正日氏が死亡した後の北朝鮮をいったいどうするのか協議する場だからである。

北朝鮮は21世紀に突如出現した中世の王国であり,しかも王様は先代と取り巻きに甘やかし放題甘やかされた究極のばか殿様である。国民が餓死する傍らで美女をはべらし美食の限りを尽くし、国内のエネルギー不足をよそに高級外車と電化製品を使いまくり,不老不死の研究までしていると言う。
国内だけならまだしも周辺諸国の若者を拉致するだけでなく,あろうことか日本の主要都市を壊滅可能な核兵器とミサイルまで開発保持しているのだ。
このような人物が核兵器を持っている状況は,まさに「○違いに刃物」を具現化した見本であり,我々の常識を超えた理由で核ミサイルが発射されても不思議ではない。
彼には相互確証破壊(MAD)などという理論は通用しない。彼が滅ぶなら彼の王国もまた滅ぶべきなのだ。
巻き添えを食う日本はたまったものではない。
本来なら一刻も早くこの最低最悪な独裁国家を打倒するために全力を尽くすべきである。

ところが、実際は日本を含めた全ての周辺諸国は金正日体制のできるだけ長い継続と安定を望んでいる。それはなぜだろうか?

マーケットの馬車馬さんも述べておられるが,金正日体制が崩壊すれば周辺諸国はとんでもない被害を被るからだ。
金正日体制が崩壊すれば,厳しい飢饉を乗り越え先軍政治による軍事訓練を受けた2000万人の乞食が周辺諸国に殺到することになる。かれらは軍隊から放出された武器を片手に中国,韓国、日本に食料を求めて流入し,凄まじい社会的混乱を巻き起こす。
具体的に言えば,日本海にぼろボートが次々と漂着し,機関銃を持った乞食がなだれをうって日本に流入してくるといった状況である。しかも彼等は骨の髄から「反日」であり、日本における強盗や殺人にはなんら躊躇しないであろう。
どれほどの混乱と経済的損失がが日本に生じるか,想像すらできない。

陸続きで北朝鮮に対し「民族的同胞」などと言う世迷いごとを言っている韓国はもっと悲惨である。殺到する難民対策と残る荒れ果てた北朝鮮国土のために,下手をすれば北朝鮮崩壊後数年して韓国も崩壊してしまう可能性が高い。
中国はさすがに共産主義独裁国家、ロシアも事実上元KGBプーチン帝国なだけあって難民を虐殺もしくは内陸部へ強制移住させるだろうが,そうした行為によって国際社会で失うものはあまりにも大きい。
アメリカのブッシュ大統領は極東の半島と島国が混乱しようが壊れようがどうでも良いのだろうが,核兵器とその技術が流出しテロリストの手に渡ることを極めて恐れている。
そして金正日体制が崩壊してこれらの国々が得られるのは,農業政策の失敗により荒れ果てた国土だけなのである。

こうしてみると、なぜ日本政府が北朝鮮制裁に踏み込まないのか,なぜキレやすいアメリカブッシュ大統領が我慢強く6か国協議を続けようとしているのか,非常に理解しやすい。
みんな金正日氏にせいぜい正気を保ちつつ長生きしてもらい,あれはてた自分の王国をしっかり管理してもらいたいのだ。
だからブチギレないようにできるだけ刺激せず,時々無茶な要求をしてくる時は表向き拒否しつつ赤十字や韓国を通じて援助を行い,少なくとも中国による北朝鮮併合の環境が整うまで金正日政権を維持させておきたいのが本音なのである。

その間に日本としてできるのはアメリカとの同盟強化により「変なことしたらアメリカが許さへんぞ」程度の脅しをかけることと,万が一金正日氏がブチギレた時のためにミサイル防衛網を構築するぐらいであろう。

今日の箴言
「隣の機関銃を持った○違いにかかわるのは自殺行為」

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