続・軍務尚書の戯言

国際情勢や医学ニュースに関して日々感じたことを残すブログです。

日本の国際連合常任理事国入り問題~変化する世界の枠組み~

2005-06-08 02:45:01 | 国際情勢
日本の国際連合安全保障理事会常任理事国入りが中国の反対でほぼ絶望的になったとのこと。
ごちゃごちゃうるさい韓国と、どう考えても賛成しそうにない中国はほっておくとして、予想されたこととはいえどうやらアメリカも本音では反対のようだ。

中国やキ印の韓国が喜ぶかと思うと内心穏やかではないが,正直日本が国連安保理常任理事国になる意味はないし,ならない方が良いと小生は思っている。

まず国際連合はこの記事の様に第二次世界大戦における連合国と同義である。
つまり枢軸国である日・独・伊に勝利した連合国側が戦後の世界秩序の枠組みを決定するために作り上げた組織であり,それが世界情勢に合わせて機能を拡大・変化させて来たとは言え、基本的には「反日・反独・(反イタリア)」が出発点なのである。(ちなみにイタリアが括弧付きなのは,早々に降伏して連合国側に寝返ったため。)
そんな組織に火の車の国家財政をおしてまで莫大な資金を提供してきた日本は,まさに「お人好しのバカ」と言うほかない。

つぎに、もはや国連安全保障理事会が唯一の超大国・アメリカを掣肘する機能を全く持たないことが誰の目にも明らかなことである。
イラク戦争ではフランスを中心に他の常任理事国が強行に反対したにもかかわらず,アメリカのイラク攻撃を阻止することは不可能であった。結果イラク・フセイン政権は大量破壊兵器を持っていなかったにもかかわらず濡衣を着せられた挙げ句に滅ぼされるという悲惨な目にあった。
これはアメリカに逆らえばどんなに安全保障理事会で申し開きをしても許してもらえないということを示しており,アメリカに対し国連は全く無力なのだ。
その無力な国連の安保理常任理事国に今さら加入したところでなんら意味はないし、拒否権を持ったとしても議決においてアメリカに逆らおうものなら今度は日本が言いがかりをつけられて攻撃される可能性がある。

最後に,国際連合がもはや事務総長のファミリービジネスの場と化していることだ。
歴代事務総長の絡んだ不透明な国連ビジネスの実態や,国際連合の官僚主義と非合理的で無駄の多い予算主義はアメリカが再三指摘しており,国際連合自体が前時代的な利権の巣窟と化している。
今回の国連安保理常任理事国拡大を含めた国連改革案も,より多額の予算を日本やインドから獲得したいアナン事務総長の捲いたエサのように思えてならない。
彼が欲しているのは国連安保理に日本が常任理事国として加盟することではなく,日本がさらにお金を出してくれることである。
事実外務省はホイホイ誘いに乗ってさらなるODAの拠出を約束しており、愚かとしか言い様がない。

これ以上国民の税金を意味のない国連安保理常任理事国入りと言う外務省の意地のために使うことなく,本当の意味での外交に使わなくてはならない。すなわち、
1. チベットなど中国国内の反体制派の支援。
2. 台湾との関係強化と防衛戦略構想の構築。
3. 国内の不法残留外国人の取り締まりと検疫強化。
4. トルコやインドなど親日国への積極的支援と,中国および韓国への円借款即時停止。
5. 各国における親日派養成のための正規留学生の受け入れと教育。
これが本当に日本が今すぐ実施しなくてはならない外交課題であると思う。

今日の箴言
「ジャイアンの国・アメリカは誰にも止められない」

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